母の介護に無関心だった兄姉にも心境の変化が
早秋に離れた土地で一人暮らしをしている母の認知症が発覚した。
コロナ禍の中、躊躇したが、
そうも言ってられず慌てて帰郷した。
思った以上に母の言動がおかしな事にショックを受けると共に、
兄と姉の無関心にも傷付いた。
それから早くも2ヶ月が経った。
姉は、話し合いの中で月一ペースで母の様子を見に帰ってくれることになった。
ところが、
兄は口を出しはするものの、
自分からは何も行動を起こさない様子だった。
恩着せがましくするつもりではないが、
私は仕事を工面して
介護の環境を整えるために走り回った。
それに対して横から文句を言うだけの兄に対して、
心底見損なった。
考えるだけで気分が悪くなるので、
意識の底に押しやり、思い出さないようにしていたくらいだ。
しかし先日母と電話で話していると、
「兄がひょっこり帰ってきて、
繋がらなくなったWi-Fiの修理と、
埃が溜まった空気清浄機のフィルターを掃除して、
日帰りで家を後にした」
とのこと。
全く期待していなかった分、
少し驚いた。
何かしら心境の変化でもあったのか。
ひねくれた私は、
「どうせ申し訳程度でも何かしらしておかないと、
ゆくゆく発言権がなくなるとでも思ったのか」
と歪んだ解釈をしてしまう部分もあるが、
理由はどうであれ
母に顔を見せていると分かり、
少し安堵した。
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