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note de 小説「時間旅行者レポート」その8


ボクは詳しく説明した。

「そう、しってます。
エジソンの1+1理論。

アメリカが生んだ大昔の
発明王。

彼の幼少期に学校教師が教師が
彼を従わせようとした
1+1=2という

普通なら何でもない
問題と解答です。

だが彼は天才。
アタマの仕組みが常人の
それではない。

だから
多種多様な答えを持っていた
といえます

2は単なる答えの一つにすぎません

それに常識に囚われないように
しなければならない。
常識を疑うようにしなければ
ならない。

それが
ここでの模範解答だと
思いますがいかがですか?」


「ブラボー!

ブラボー!Herr、オリバー

素晴らしい!
すばらしいです。

まさにその通りです。
あなたは合格した。

本当の意味での合格者だ。

そして今さらだが
あなたと我々が今から
立ち向かうのは「時間」の
概念だ。

これだけは忘れないでいて
いただきたい。

あなたをはじめ
この世界中の人間は
常識や正義に囚われている。


囚われすぎて

「もう一つ」
「更にもう一つの何か」

に意識を向けることが
出来ないのです。
それ意外が考えられないのです。

かくゆう私もそうだった。

この機関にJoinするまでは。


そしてわたしからはここまでです
さぁ、行きましょう。

研究所でみんなが待っています」

そういうと
08は代金を決済して
席を立ち
歩き出した。

しかしその行先は
大通りとは正反対の
細く狭い暗い裏通りだった。

ーーーーーーーーーーーー

「ねぇ、08。

我々はいま
どこに向かっているんですか?
近道でもあるんですか?」

とついボクが
いってしまうほどに
汚く薄暗い路地裏
だったからだ。

「いま向かっている先は

Dimentionz社の本社
ではありません。

Zeitmaschine
収納してある
とある場所です。

因果でしょ?
世に誇る世紀の
大発明品の収納場所が
こんな不潔な場所
だなんて。

それだけ
危惧しているのです。

なんせ
我々の行おうとしているのは

神 の領域に踏み込んだ
行為だからです。

いや、神をも超越して
しまったことを
このちっぽけな
人間が歳月をかけて
作り上げた・・

だから
細心の注意を
払っています。

原子に膨大なエネルギーが
眠っていると証明して見せた
我らが英雄アインシュタインの
相対性理論が発表されて以来

原子力を熱エネルギーとして
利用し始めたのがついぞ
100年まえ。

当時われわれと手を組んだ
極東ヤーパンに神の鉄槌が
2度も落とされた。
Hiroshima と Nagasaki
でしたね。

核兵器として。


神の力を一握りの人間が
牛耳るというのは
多大なリスクを伴うものです

上空からスナイパーが
狙っているのは
追跡者を狙撃するため
でもあるんですよ」

ーーーーーーーーーーーー

08は突然あゆみを
止めた。

「ここです。
お入りください。

なかで博士たちが
お待ちです」

立ち止まった先の
入り口は

肉屋の裏口だった。

すごく凝ったセットだな、と
一瞬疑ってしまった。

「本当に?

ほんとにここですか?」

「そうです。
ちなみにここは
作り物ではありません。

本当の精肉店です。

現在も営業中で
こちらの従業員は
本当にここで
働いています。

無論、彼らは
ここが
Zeitmaschine
の連絡口であり

それが動いていることは
知りません

もし知ったとしたら・・

そのあとは
ご想像にお任せします」


ボクは恐る恐る
入り口を開け
すぐの階段を下り始めた。

「ここの人間にあっても
声をかけないでくださいね。

あなたが誰かとも
し聞かれたら

冷凍庫の修理業者

とでも答えて
そのまま過ごしてください」

それはかなりの
矛盾があるぞ、と
思ったが

不必要に
知られては
今度は彼らの存在が
危ない。

ウソはつきとおさねば
ならない、と思った。

ーーーーーーーーーーー

しかしどうだろう。

よく考えたら
24時間まえまでは
ボクは普通の医大生
だったのだ。

昨日から
すべてが一変した。

これもすべて
陰謀なのだ、とも
知った。

ドレスデンの父母は
いま銀行決済をみて
どんな表情をしているかな。

大学には
戻れるんだろうか?

フランクのやつ。
今度あったら文句を
いってやる。

あぁ、学長。
本当になんといったらいいか

いろいろな
考えがめぐった。

長いしたに続く階段を
降りながらひたすら
いままでのことを
考えていた。

だがもう
あとには退けない。

進むしかないのだ。
ただ前進するしか。

突撃兵が
進軍ラッパで塹壕を
かけ上がって行った
ように。

ーーーーーーーーーーーー

階段を降りる途中
何人かの従業員たちと
すれ違ったが

別段、意に介することも
なかった。


そして階段を下りきると

「kein Betreten(立ち入り禁止」

の古いプレートがかけてある
これまた古い木製のドアが
姿を見せた。

立ち止まった
ボクをみて
08は

「ようこそ
Dimentionz社へ。

このドアは一見
古びたドアですが
実は違う。

ごらんなさい
鍵あながないでしょう。

そう、鍵は
要らないんです。

実はヒトの体を巡る
全神経、その全神経を
認識します。

ドアに見せかけた
最先端のセンサーが。

おどきなさい。

わたしの体を
センサーのまえに
かざしますから」

そういうと
08はドアのまえに立った。

ピピー・・ピピー


という機械音が聞こえてきた。

するとどうだろう。
ドアに見えていたものが
フッと消えて

小部屋、いや
単なるモルタルの土間だけが
そこにはあった。

「こ、これは!

いったいどういう・・」

「さぁ、入りましょう。
恐れないで。

疑わないで。

ここから先は
あなたには理解できない
世界だけが待っています」

こうして
ボクと08は狭い空間に
重なるようにして
押し込められた。

その瞬間



ピカッ!!




という閃光とともに
現れたのが



Dimentionz社の本社内部だった。

そこには
何百人もの白衣をまとった
研究者たちと

そして
Zeitmaschineが巨塔のように
そびえ立っていた。

ーーーーーーーーーーーー

続きます。




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