チラシよりもエブリデイ・ロープライス?
UKで、エネルギー会社の広告が事実に基づいて正確であるにもかかわらず、英国の規制当局によって禁止されるという状況が起きています。
やり玉に挙げられているのが、シェル、レプソルそしてペトロナスです。
シェルの例をご紹介しましょう。
英国の広告監視機関である広告基準局(ASA)が確認した事実は、ポスター広告(a):ポスター、広告(b):CM、そして広告(c):YouTubeビデオで、以下の内容だったそうです。
いかがでしょうか。
いずれも、事実に基づいて正確に表現していると思いませんか?
まぁ、広告(a)で証書を使用している事実は、仕組みを知らない人にとっては「ウォッシュだ」と言われるかもしれませんが。
ちなみに、これ自体は、再エネ100%電力の調達方法として、RE100でも認められています。(細かい要件はあるのですが)
さて、この認定された事実についてASAが問題としているのは、次の2点。
これに対し、シェルも反論しており、一部は認められています。例えば、
ですが、「広告には重要な情報が省略されており、誤解を招く可能性が高い」「広告が企業の活動全体のバランスの一部として、低炭素化への取り組みが果たしている、あるいは近い将来果たすであろう貢献を誤って伝えると、消費者に誤解を与える可能性が高い。」と一蹴されています。
「依然として化石燃料によるエネルギー生産と流通に大きく投資していることを消費者は十分に認識している」というシェルの主張が、「消費者がこれらの企業の事業活動の詳細を知る可能性は低い」という理由で退けられている、という構図になっています。
もちろん、ウォッシュは決してあってはならないことですし、許されるべきものでもありません。私も、noteで主張してきました。そのための、ルールが今年中には固まります。
ですが、この事例に接して「だったらどうすればいいの」っていうのが、率直な感想です。ASAがこのような判断をする以上、少なくともUKでは、企業がグリーンな製品・サービスの広告、コミュニケーションを行うのは困難であり、危険でしょう。
そこで思ったのが「エブリデイ・ロープライス」
目玉商品を掲載したチラシを定期的にばらまいて客を呼び込むのではなく、底値ではないけど割安な価格で提供し続けることによって、価格を気にせず日々来店してもらう戦略です。
製品毎に環境性能を謳う広告を打つのではなく、自社の環境配慮姿勢を、顧客との様々なコンタクトポイントにおいて、正直に、何度もコミュニケーションしていく。そう、まさに「環境ブランディング」です。
「あの会社なら大丈夫だろう」「あの会社の製品だったら問題ないはずだ」
メッセージは「どう伝えたか」ではなく「どう伝わったか」
Net-Zeroまでは、長い道のりです。
「サスティナブル」な戦略で目指していきましょう。
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