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高品質なカーボン・クレジットを求めて

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誤解されやすい、カーボン・クレジット。適切に使用すれば、1.5℃目標も夢じゃない!正しい理解をお手伝いします。
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#COP27

6条8項の議論

これまで、6条2項及び6条4項について、どんな議論がされる予定なのか、どんな議論が進んでいるのかをご案内してきました。 ですが、6条にはもう1つ、8項という条項があり、これもCOP27で議論される予定になっています。2項及び4項の陰に隠れて目立ちませんが、「非市場アプローチ」を規程するものです。 対となる「市場アプローチ」というのは、6条2項及び4項で扱っている「市場メカニズム」のことです。 CO2の削減・除去・吸収量という環境価値を「カーボン・クレジット」という金銭価

6条交渉の進捗状況

COPで気になる気になる〜はカーボン・クレジット。 開幕時にも、ご案内しておりました。 第2週は、大臣レベルが終結して交渉テキストを作成する段階に入ります。ですので、第1週最終日に予定されている補助機関会合の閉会プレナリーまでに、各項目の審議を終わらせる必要がありました。 その内容はもちろんクレジットだけでなく、緑の気候基金(GCF)や地球環境ファシリティ(GEF)、気候変動の悪影響に伴う損失損害資金制度(ロスダメ)などもあります。いやぁ、各国の交渉官の皆様大変ですねぇ。

パリ協定6条4項の議論内容は?

今回のCOPで着目している、カーボン・クレジット関係の議論。 何が決定されるべきかについては、UNFCCCが10月25日に発表した、非公式文書(決定用素案)に記載があります。 なお、「6条4項」とは「京都議定書におけるクリーン開発メカニズム(CDM) の後継版となる、新たな国連管理下のクレジット制度」について規定している条項です。 UNFCCCがパリ協定における「市場メカニズム」として正式に認め、自らが管理している「カーボン・クレジット」のことで、京都議定書の下ではCDM

COP27前のクレジット動向を確認(2)

COP27が始まって、メディアでもひととおりの報道が始まりました。 今回は、適応(Adaptation 7条)及び損失と損害(Lost & Damage 8条:通称ロスダメ)が主な論点であり、だからこそ、その議論の進め方に当たって、資金の出し手と受け手の間で意見の食い違いがあり、会議のスタートが遅れるといった、毎度おなじみの光景も見られました。 ですが、私の論点は「カーボン・クレジット」ですので、6条が本丸です。 何を決定すべきかについては、UNFCCCが10月25日に発

COP27前のクレジット動向を確認(1)

昨日から始まった、COP27。 仕事しながら、公式サイトでプレナリーのライブ映像をラジオ感覚で聴いていましたが、特筆すべき点は何も無し。(当たり前ですが) ただ、ベラルーシからの代表団が呼ばれたのに「ダレモイナイ」 「なかなかやるなぁ」 その前にウクライナが「ロシアが、全面的な戦争を仕掛けているため、排出量などの算定が難しくなっている。ウクライナ侵攻が気候変動対策での国際協力を貶めている。」と批判したので、さて、どう反論してくるのか、と期待したのですが。 閑話休題、実