6条8項の議論
これまで、6条2項及び6条4項について、どんな議論がされる予定なのか、どんな議論が進んでいるのかをご案内してきました。
ですが、6条にはもう1つ、8項という条項があり、これもCOP27で議論される予定になっています。2項及び4項の陰に隠れて目立ちませんが、「非市場アプローチ」を規程するものです。
対となる「市場アプローチ」というのは、6条2項及び4項で扱っている「市場メカニズム」のことです。
CO2の削減・除去・吸収量という環境価値を「カーボン・クレジット」という金銭価値に変換し、その収益を環流することにより、ホスト国の温暖化対策を加速する一方、ゲスト国の削減目標達成に寄与するという、「経済的なメカニズム」です。
「非市場アプローチ」というのは、「市場=取り引き」に拠らずに、主に途上国において温暖化対策を促進、推進するメカニズムのことを指します。
具体的には、緩和、適応、資金、キャパビル等を通じ、実現を目指します。
COP27ではその作業計画を立てることになっています。
とはいえ、2項及び4項ほど日々のレポートにはあまり上がってこなかったので、どんな感じかなぁと思っていたところ、14日のレポートでは、一部進捗が報告されていましたので、簡単にご紹介。
Maria Al-Jishi(サウジアラビア)及びJacqueline Ruesga(ニュージーランド)が共同議長を務めるコンタクトグループ会合で議論がなされているようです。
SBSTAから送られてきた決定書草案の未決項目の合意を目指し、非公式協議で議論がなされており、締約国は、作業プログラム活動の実施スケジュールのセクション及び2026年の活動のレビューに対するインプットのセクションで 意見交換を行ったとのこと。
実施スケジュールのセクションについては、共同議長が以下のような橋渡し案(bridging proposals)を提示、締約国がその案の賛否に関し意見発表を行った由。
・2023年の活動スケジュールは義務化する
・2024-2026年のスケジュールは表示のみとする
・提案された作業プログラム期間のラベルを外す
・CMAに対し、プログラムの中間評価ではなく、毎年のインプット提供を委任する
2026年の活動のレビューに対するインプットのセクションについては、締約国が、このセクションの必要性について議論。一部の締約国は、この段階では「基本的な手順(standard procedure)」の記載に留め、後日、特定ガイダンスを決定するよう提案したそうです。
つまり、まだまだ、各締約国がそれぞれの立場で意見を主張している段階なんですね。ということで、共同議長は、午後の「非公式な非公式協議」で議論を継続していくことを推奨したとのことです。
なかなかに難しいですが、ぼちぼちとお伝えしていきますので、ご容赦下さいマセ。
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