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パリ協定6条4項の議論内容は?

今回のCOPで着目している、カーボン・クレジット関係の議論。
何が決定されるべきかについては、UNFCCCが10月25日に発表した、非公式文書(決定用素案)に記載があります。

6条4項
1.CDM→パリ協定の移管手続き
2.6条4項クレジットの実施プロセス
3.6条4項のホスト国による報告方法
4.6条4項クレジットの管理システムの仕様
5.気候変動に脆弱な途上国への支援にかかる費用
6.世界全体の排出量削減に必要なプロセス

なお、「6条4項」とは「京都議定書におけるクリーン開発メカニズム(CDM) の後継版となる、新たな国連管理下のクレジット制度」について規定している条項です。

UNFCCCがパリ協定における「市場メカニズム」として正式に認め、自らが管理している「カーボン・クレジット」のことで、京都議定書の下ではCDMと呼ばれていました。(創生されるクレジットの名称は「CER」)

この「6条4項」のメカニズムを監督する機関の第3回会合がCOP開幕に先駆けて11月3日〜5日に実施されており、9日に報告がありました。

最終日は早朝から議論したものの、閉会したのは日付が変わった6日早朝とのことで、「COPあるある」ではありますが、クレジットにおける、炭素除去と方法論についての議題は最終決定には至らなかったとのこと。

2023 年には 5 回の会議が暫定的に予定されており、上記議題については引き続き審議予定。最初の会議は 3 月 7 日から 10 日にかけてドイツのボンにある国連気候変動事務局で開催される予定ですが、議題3として、しっかりテーマに挙げられていました。

第3回の会合結果は、COPへ諮られます。

COPでは、11月7日〜12日に開催されるSBSTA/SBにて、専門家による技術的な論点について議論し、CMAで採択する文書案を作成。

SBSTA:Subsidiary Body for Scientific and Technologial Advice
科学上及び技術上の助言に関する補助機関会合)

SB:Subsidiary Body for Implementation
実施に関する補助機関会合

11月14日〜17日のハイレベルセグメント協議で更なる議論が行われることになります。この間に3〜4回程度の文書案更新があったのち、最終採択文書が決定されることになると思われます。

今回のCOP27は、適応、損失と損害及び資金が優先順位が高いため、どの程度6条についての議論が進み、どの程度決定に至るかは不明ですが、それは議長国エジプトの采配次第。

まぁ、国際交渉とはこのようなものです。
傍観するしかありませんが、しっかりフォローしていきたいと思います。

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