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【空耳図書館の談話室】空耳図書館コレクティブ制作メモ03/07。間もなく、3月11日。

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 映像のロジックではなく、「耳でみる、目できく」サウンド(耳)スケープ(目)のデザイン思考から現在編集しています。
 12月から始まった撮影準備は、1月から続く緊急事態宣言の制約に悩まされながらも、ジャンル、世代、社会的キャリアを越えた「祭り」仲間が知恵を出し合い試行錯誤を重ね、とてもクリエイティブな時間となりました。そして公開日でもある今週11日は東日本大震災・原発事故からも10年目の節目を迎えます。
 「想定外」という言葉への違和感から始まった私の10年は、ひとりの音楽家として振り返れば紆余曲折で長かったです。生活者としても、ひとりの親としても試行錯誤の連続でした。しかし震災の傷跡も癒えない中で当時小さかった我が子は成人し、東日本大震災からコロナへと時代は再び大きく動いています。
 だからこそ、自らも病を抱えながら、関東大震災や妹を亡くしたスペイン風邪の時代を生きた宮沢賢治の「心象スケッチ」が、100年の時空を越えて胸に響いたのかもしれません。ここから100年先はいったいどんな世界になっているのでしょう。その中で色褪せずに残る人の営みとは何でしょうか。
 賢治が生前に唯一残した詩集『春と修羅』。「わたくしといふ現象は」という印象的なフレーズで始まる「序」は難解とも言われますが、それ故にここから100年先も様々なアーティストにインスピレーションを与えながら残っていくでしょう。その言葉や音の魅力を、身体×サウンドスケープの朗読映像で今の時空に再現してみたいと思います。どうぞお楽しみに。

◯空耳図書館コレクティブ参加メンバー(50音順)
新井英夫(movement)、石橋鼓太郎(reading)、板坂記代子(textile)、小日山拓也(mask)、ササマユウコ(soundscape design)、三宅博子(voice)
空耳図書館ディレクター:ササマユウコ
助成/文化庁文化芸術活動の継続支援事業「コロナ時代の"新しい音楽のかたち"を思考実験する②空耳図書館の活動を中心に」ササマユウコの音楽活動

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