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私は小さい頃からウナギが好きだ。
おばあちゃんの家で初めて食べてから、
お泊まりの時はウナギと決まっていた。

家では食べられない、
甘くてしょっぱいタレのウナギは
私にとってご馳走だった。

時は流れて、私は大人になった。
同じく鰻好きな彼と、いろんなお店に行った。

けど、昨日は考えてしまった。
「私は鰻を食べてもいいのだろうか?」と。

鰻と言えば、ご褒美飯、高級食。
今の私には不釣り合いな気がした。

うつで簡単な家事すらできない私。
生きていくために最低限のものは
食べてもいいかもしれないが、
鰻はちょっと豪華すぎないか。

悩んだ。
私が行きたいと言って予約したのに、
食べていいのか不安になった。

それを帰ってきた彼に言うと、怒られた。
「頑張ってるから食べていいんだよ。」と。

彼は私の頑張りをいつも認めてくれる。
自分で認めることができない
小さな頑張りも評価してくれる。
そんな彼にいつも救われている。

そして、今日。
堂々と鰻を食べにいくことができた。
久しぶりにメイクをして、オシャレして、
お店に向かった。

関西焼きで焼き目がしっかりついた
鰻は美味しかった。
ふわふわじゃなくて、ぷるぷる。
鰻がさっきまで生きていた感じがした。

それを土窯で炊いたご飯と合わせると
絶品だった。

あまりにご飯が美味しくて、
鰻との比率を間違ってしまった。
最後の一切れを食べる頃には、
ご飯が少ししか残っていなかった。

鰻多めにご飯をちょっと。
コクのある鰻の美味しさが
より一層口に広がった。
至福の瞬間だった。

鰻は私には不釣り合いかもしれない。

けど、私は美味しくいただいた。
そして、彼は私の生きる力となった。
私には鰻が必要だったに違いない。

自分が何を成し遂げたで、
食べるものを決めるのは、
自分で狩猟していた原始時代までのお話。

今は、何をしていても美味しいものが
食べれる世となった。
それに感謝して、好きなものを
食べてもいいのではないだろうか。

鰻とご飯

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