オンライン集客の潮目が変わった?
自分主催のみならず、学校や企業からもオンラインセミナーの企画を請け負っている中で、主に集客まわりで、肌で感じる潮目の変化を少し言葉にしておこうと思います。
集客が弱くなった
色々な主催者から「集まりがイマイチになった」とよく聞きます。マクロで見ると競争が激しくなったということがありそうです。
以下はイベント管理ツールPeatix(ピーティックス)の調査ですが、イベントの数自体コロナ前より増えています。
更に、SNSなどで流れてくるオンラインセミナーは、無料か1,000円以下のものが大半な印象ですが、価格帯別で見ると、無料の比率は変わらないものの、有料イベントの中で安いものの比率が高まっています。
有償で同じ金額で実施していても、他に無料や安価でそれなりのコンテンツが提供されているので、相対的な魅力が下がり、他に客を取られている可能性があります。ただしこれらは緊急事態宣言後から始まっている印象です。
最近はそこから更に弱くなっている感じがします。考えられる原因は例えば以下のものでしょうか。
1)オンラインに飽きた
2)リモートワークからオフィスへの回帰で、参加が難しくなった
3)参加者の目が肥えてきて、よほどの内容じゃないと参加しなくなった
キャンセル率が上昇
無料や安価なイベントで、前よりキャンセル率が高まっているとよく聞きます。最初の内はマジメに聞いていた参加者も、数多くのものに参加する内に、PRを目的にしたライトなものなどは、当日参加しなくても文句も無さそう、と学習したのかと考えています。
直前申込が増えた
早目に申込をする理由は以下のいずれかでしょう。
1)必ず聞きたいと思う内容
2)定員に達しそうなので早く申し込んでおく
3)早期申込割引がある
オンラインでは会場キャパによる定員の制限がありません。ツールの接続上限やコンテンツとしての最適サイズを理由に定員を定めることはありますが、割合としては低いでしょう。よって、2)の縛りが弱くなります。1)はよほどのことではないとないでしょうし、3)を設定するにも、そもそも無料か安価なものがお多いので、あまり設定しているのを見たことがありません。
また、会場セッティングなどオペレーション上の都合で、オフラインなら締め切りを前に設けていましたが、オンラインなら開始後に申し込んで、PeatixからZoom等のリンクに入ることも、人の手を介さずできるため、申込を開始後まで可能にすることも多いです。参加者側にとってもその事情は推測できるので、より気軽に「直前申込でいいや」と思わせる気がします。
登壇者依存が高まる
前は主催者や会場、また、そこにいる人のつながりが付加価値になり得ましたが、オンラインになると、基本は同じツールを使うので、会場が高級だというような差異化はできなくなります。また、依然オンラインでのネットワーキングは難しいので、他の参加者や講師とのつながりに価値を感じて来ていた層が来なくなります。
結果として、講師の持つ引きがどれだけあるかに、集客が左右される割合が高くなっている印象があります。
価値をより明確に訴える必要
これも当たり前と言えば当たり前なのですが、オフラインの頃はまだバズワードや雰囲気でアピールして通用している感じでした。しかし、前述のように競争が厳しくなる中で、申し込みを検討する人も「あ、これこれ」と、たまたま目にした際に反射的に魅力を感じるような見せ方をしないと、相対的に反応が悪くなっている印象です。
「魚群」への直接リーチが必要
例えば、キャリア系のコンテンツを、キャリアアドバイザーの団体に案内したところ、それまであまり申し込みがなかったものが、一気に申し込みが増えたというような事例がいくつかあります。
noteを見ているような人々には信じがたいかもしれませんが、世には依然SNSなどさっぱり使わないミドル以上の層がいて、その層にはfacebookやTwitterやInstagramのシェアや広告など、全く届きません。
そのような、コンテンツとの親和性の高い団体との連携の枠組みをどう作るかの企画提案がより重要になる気がします。
オンラインならではの満足度の高め方が必要
ではコンテンツの中身が重要ではないかというと、そうでもなさそうです。オフラインの時とはまた違った、オンラインにはオンラインなりの満足度の高め方はあります。オンラインの空気感ならではの盛り上げ方や、チャットなどの機能を使った双方向性の演出がうまくできれば、また来よう、人にも進めようと思わせることができ、それを継続できれば、自分についたファンの厚みが増していきます。
既存の知名度などのアセットがない人は、この辺を地道にやりながら突破口を見つけるのが、現実的な攻め方かもしれません。
ご紹介:オンラインセミナーの方法論
セミナー企画を方法論化して年間200本を量産し、コロナ後はオンラインセミナーを100回ほど実施し、そのノウハウを書籍化しました。
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