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講座づくりの「誤解」〜自分の講座を企画する全思考過程(1)

年間200件の社会人講座を実現するプロデューサーが、企画の方法論を詳説します。

一般的なビジネスパーソンが、自らの知見を、セミナー等の学びのコンテンツに、全く白紙の状態から完成させるまでの全プロセスを、考え方も含めてお伝えします。

今回は、講座づくりの前提となる基本的な考え方について。

※この連載は3/23~26実施「自分の講座を企画する!オンラインゼミ」の内容を記事化したものです

講座を企画する-統合版2 (27)

コンテンツ=受講者の課題解決

参加者がいなければセミナーは成立しません。

参加者が、時間とお金という対価を払って参加するのは、自身の課題を解決するためです。

自分で解決できない課題を解決する。
自分で解決するのに必要な時間を買う。

そういったことです。

協賛の無料講座でも、参加者に価値を提供できなければ成功しません。

スポンサーがリーチしたい参加者が満足しなければ、次はないからです。

受講者の価値と提供者の価値を整合させる

受講者価値だけではボランティアになってしまいます。

講座提供側にも何かしら目的があり、その目的の達成=価値と、受講者が自身の課題解決を通じて得る価値を整合できれば、より持続可能になります。

「講座を企画する講座」で例えれば、自身の講座を具現化したい人を支援することで、私は新たな講師を発掘し、講座を増やせる、という関係です。

誤解:一流じゃないと教えるに値しない
→自身の知見が役立つ異分野を見出す

時々「私は業界の有名人という訳でもないし」と遠慮される方がいますが、そんなことはありません。

確かに、コピーライターがコピーライターに教えるなら、業界で誰もが知る賞をいくつも取っているような、実力・実績ともに申し分ない人が講師になるべきでしょう。

しかし、コピーライティングのスキルを必要としているのは必ずしもコピーライターやその志望者には限りません。

例えばこれから事業を立ち上げる人にとって、そのスキルはコンセプトやブランドを言語化するのに大変役立ちます。

業界以外の人は、人を直感的に動かす言語化の技術の初歩すら学ぶ機会がないことが大半だからです。

このように、ある業界の初歩的・平均的なスキルが、別の分野では非常に価値が高くなる組み合わせは必ず見つけ出せるものです。

自身の持つ知見が、どういう課題を解決し、どういう価値を提供するものか、本質的から捉え直し、その課題を抱えている人は誰なのかのマッチングを考えるといいでしょう。

誤解:ニーズ調査や競合との差異化が必要
→まずは「自分ゴト」から始める

自身の知見が誰にどんな価値をもたらすかが固まる前に、今何が人気なのか、他との差別化をどうするかばかり気にしても意味がありません。

むしろ根幹を見失い、無駄に時間を使ってしまいます。

そもそも、過去の知見からコンテンツをつくるなら、ニーズや競合を知ったところで、内容を大きく変えることも難しいでしょう。

それよりは、自分の教えられること、教えたいことといった「自分ゴト」を掘り下げて具体化する方が有益と言えます。

まずは以下を自問自答してみましょう。

・教えられるものは何か、その根拠は何か
・その本質的な価値は何か
=どんな課題をどう解決するのか
・なぜそれを人に伝えたいと思うのか
・教えることを通じて何を実現したいのか

マーケティングが不要な訳ではない

ニーズの把握や差異化が不要な訳ではありません。
骨子を固める方が先決というだけです。

骨子を固めたら、実践にを通じて、コンテンツとターゲット・課題を整合させ、自身のコンテンツの独自性を明確にします。

やらないと分からないことは多いので、素早く企画を固めたら、やってみて改善を重ねる方が、結果としてより刺さるものになるのです。

誤解:メジャーなテーマじゃないとダメ
→やり抜いたことは「コンテンツ」になる

私が登壇をお願いする人の1つの基準に「話の迫力」があります。

心から好きで、本気で実践し、考え抜いていれば、「切れば血の出るような」情景が見え、気持ちが伝わるシーンや、やった人ではないと分からない生々しい細部が、話の端々に漏れ出てくるものです。

逆に、資料も緻密で話も滑らかで、よく勉強してるなぁ、とは感じるけれど、何となく心が動かない人もいます。

何かを極めた人の話には必ず学びがあるものです。
やりきったものがあれば、それが誰かにとっての課題解決として打ち出し方を変ると、コンテンツになり得る、ということです。

そのテーマは必ずしも「事業開発」「ファイナンス」のような、メジャーなテーマである必要はありません。

誤解:1人が作れる講座は1つ
→1コンテンツを複数の企画にできる

知見や方法論を「コンテンツ」とします。

1つのコンテンツでも、目的やターゲットが変われば、アレンジも変わります。
それが「企画」です。

企画に、日時、場所など実施概要を加えたものを「講座」とします。

それぞれの言葉の定義は便宜的なものですが、要するに、1つの知見も複数の形で実現する、ということです。

複数のコンテンツを持つ人なら、コンテンツごとに複数の企画を持てます。

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誤解:完璧にしてから出す
→実践を通じて精度を高める

企画は、単体の完成度以上に、ターゲットの課題との整合が重要です。
講座は課題解決だからです。

コンテンツとターゲットの課題が整合するためには、解決する課題と、課題を持つターゲットの解像度を上げ、課題解決に最適な形に編集する必要があります。

仮説ももちろん大事ですが、やはり実際の参加者に当てて改善を重ねることが、コンテンツとターゲットの適合度を高める最短距離です。

続けることが大事

改善を重ねるには、続ける必要があります。

自身の講座を作るのは、人に言われてやることではない自発的な行為です。
心からやりたいと思えないと、続けることはできないでしょう。

そのためには、自身が「好きで得意」がベースにあった上で、ビジネス上の「目的」と、自己に根ざす「使命」とも整合していることが求められます。

同義反復的な言い方になりますが、実行して続けられるかどうかで、自分が本当に好きか、自ずと分かります。

次回は、基本要素の全体像について。

今後の「講座企画」講座

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参考記事:筆者について


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