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仮説思考は「怖さとの戦い」であり、勇者の成長物語だよね、という話

皆さん、こんにちは!公認会計士・社労士・元CFOの植西です。

このnoteでは不定期で、コーポレート・管理部門にまつわる様々なテーマをこれまでの経験・知見などを通じて、書いていきます。
Disclaimer的な話ですが、多種多様に意見がありますし、あくまでサンプル数たった1の意見だと思って読んでくれると良いです。

今回のテーマ「仮説思考」

仮説思考って戦略コンサルティングファームになって初めて実感したものなのですが、要は最短・最速でビジネス課題を解決するプロセスだと思ってくれればいいです。コンサルティング絡みのビジネス手法として、「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」「仮説思考」「論点思考」などありますが、「仮説思考」が最も難しいアプローチだと感じる場面も多く、今回はこれについて考えます。

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仮説思考の特徴って

仮説思考を具体的な方法・順序で話すと、以下です。
※勿論このプロセスの中で、論点思考等の他のテクニックも同時並行で使いますが。

 1.まずは解決したい論点を設定する
 2.次に、超クイックに、その論点に直結する事実・ファクトを集める
 3.仮説でベースに組み立てる
 4.作った仮説を世に出す・誰かにぶつける
 5.4での仮説検証を経て軌道修正して正解に持って行く

上記は教科書にも本にも書いてあることですが、実際にやろうとすると、特に2~4を実行するにはめちゃくちゃハードル高いです。仮説思考って、ざっくり言っちゃうと、「今だとよくわかんないところ沢山あるけど、まあ最後の結論まで出しちゃって、後から修正するか~!?」って話です。

上記のように表現すると、結構雑なプロセスだと思いませんか?そうなんです、雑なんです。普通の、良識ある人ならば、こんな進め方絶対にしません。なぜならこう思うからです。

 ・適当な人だと思われる
 ・知らないことはまず自身が理解してからじゃないと人に話しづらい
 ・情報はちゃんと手に入れてからじゃないと結論出すには早い
 ・立場もあるので安易な発言はしない方がいい
 ・などなど。。。

でも不思議なことに、この仮説思考型の進め方が、最も早くかつ効果的にビジネスが進むんです、これも本当です。そしてこの方が結果的に信頼が得られる時が多いのです。あえて不完全な仮説を持って行くことで議論が活性化され、課題の解像度が上がり、皆がやる気になってくるのです。
だから仮説思考の本質は、良識のある皆が通常はしない思考を敢えて出来るかどうかがポイントなのです。だから僕は仮説思考をいつも、勇気のアプローチ、だなと考えています。

仮説思考=勇気のアプローチ=RPGの主人公である

この仮説思考がともすると雑と思われがちでも真価を発揮するのは、これが勇気を必要とするとても尊い行為だからです。

RPGの勇者を想像してみましょう。
勇者は、魔法使いのように魔法が一番でもなく、戦士みたいに力が一番でもない。しかも、始まりはレベル1からであって、常に新しいボスやダンジョンに挑むためにレベルを上げ、レベルが上がってクリアしたと思ったら、また高難易度の壁が立ちはだかっての繰り返し。たとえホイミやポーションといった回復技を持ってなかったとしても、パーティが欠けたとして、時には突っ込まなければいけないのです。
それを突っ込むのが主人公たる勇者なのです。彼/彼女が持つのは「勇気」しかない。でも「勇気がないと、どんなに能力があっても物語が動かない」。だからこそ常に物語の「主人公」になりえる、のですよね。

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このレベル1の状態でも、果敢に結論を出して、勝てそうにないボス(報告先の上司・他部署やクライアント)に突撃するのってめちゃくちゃ勇気がいります。下手をすると、バカなんじゃない?って思われたり評価を落とすリスクがあるからです。

仮説思考って人生にも似ている

仮説思考って難しく考えがちですけど、こういう風に身近にある体験を重ねてみると面白いなと思います。なんだか人生にも似ていますよね。

人生において、将来の備えに対して能力を高めたり環境を整えるのも大事です。ただもっと大事なことは、一歩踏み出して、今と違う環境を自ら得ようとする意志を培っていくことです。なぜなら、環境や必要とされるスキルは永遠に不変なものは無くて、変化に対してどう自身がチャレンジしたりポジションを変えたり新しく作ったりすることの方が大事です。

だから仮説思考を考えたり浸透させることは、ビジネスだけではなく自身の人生を豊かにするのかもしれませんね。
最初は、自分もこのふわふわっとした状況でも答えを無理やりにでも作って外に出していかなければいけない、というアプローチが怖くてたまりませんでした。でもやってみると、馬鹿でもアホでも何か結論を出してみると、人や周りは動いてくれて、必ず何かしらの変化があります。そしてその変化を受けてまた自分も仮説を変えていく、常に良い結論を修正していく、という良いサイクルが生まれていったりします。

人生という物語の仮説を作れる勇者はあなただけ

仮説思考って実は人生のいろんな場面で使われています。さっきのRPGの話もそうですし、例えば料理をする時もそうだったり(常にレシピ通り見て完璧にルーティン活動することは出来なくて、アレンジという仮説を使って料理をします等)、本当に日常に溢れています。小さな一歩/全身は仮説思考から生まれていることも多いってことが分かります。
なので特別なことでもなくて、身近にある皆さんが発揮している何気ない勇気、を思い出していただければ、ビジネスにおいてもみんな意外にサクッと出来ちゃうのではないかなとか思っています。

人生=仮説思考×勇気

仮説思考はとても強い武器であり、人生においてもビジネスにおいても豊かな示唆を与えます。もっと親しみやすくなってみんなが使ってくれるといいなと思っている次第です!!

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