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ルンメニゲ社長の語る「フリック監督、レヴァンドフスキ、ノイアー、そしてマラドーナ氏...」

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)

バイエルン・ミュンヘンのCEOであるカール=ハインツ・ルンメニゲ氏は、『bundesliga.com』に対し、ストライカーのロベルト・レヴァンドフスキとゴールキーパーのマヌエル・ノイアーはそれぞれ、そのポジションで世界最高の選手だと語る。

今回の独占インタビューで、彼はハンジ・フリック監督、バイエルンの飽くなき勝利への意志、ボルシア・ドルトムント、RBライプツィヒ、そして故ディエゴ・マラドーナ氏などについて語ってくれた。

ルンメニゲ氏、ハンジ・フリック監督について...

何よりもまず、彼には素質がある。監督のクオリティは非常に重要だ。そして、明確な戦略を持っている。彼の日々の仕事とは、月曜日から金曜日までの日々の仕事のことで、理想を言えば、土曜日の試合はその成果を示すものだ。そこで量り知ることができる。彼は最初から非常に明確なプランを持っており、チームとの共通項や共感をすぐに見出してくれた。そのため、彼のこれまでの功績はすべてが素晴らしいね。さらに成長を遂げるか、もしくは今のまま続けてくれても、じゅうぶん上出来だと言えるだろう。

バイエルンの監督について

私が常々言うのは、『監督はクラブにとって最も重要なメンバーだ』ということだ。監督がチームの結束力を高め、明確な戦略を持ち、日々優れた練習ができる監督であれば、私の経験上、通常はそれが成功につながる。ユップ・ハンケス、ルイス・ファン・ハール、ペップ・グアルディオラなど、私はこれまでに何人かの偉大な監督たちと仕事をしてきたが、その全員が、謂わばFCバイエルンの流儀というものに多大な貢献を果たし、ハンジはそれを再び錬磨してくれた。ここで成功を収めた監督たちは、何も偶然に成功を収めたわけではない。純粋に優れた監督であるのか、当時そうであったかのどちらかだ。ハンジはその一人だ。彼はFCバイエルンの流儀を取り戻す上で重要な役割を果たした、もしくは、むしろ彼自身がそれを取り戻したのだとも言える。彼の成功は、決して偶然ではない。

FIFA年間最優秀選手賞とロベルト・レヴァンドフスキについて...

まず、FIFAが今年も投票を行うのは良い判断だと思う。実施されるかどうかが不透明だったからね。私はFIFA会長とこの件で何度か話をした。その際、投票が毎年恒例であることや、今年もサッカーができたこと、その意義を忘れてはならない旨を伝えた。ブンデスリーガをはじめとする欧州の主要リーグ、そしてチャンピオンズリーグもシーズンを終えることができた。そして、私は彼に言ったんだ。「もし10年経って『2021年と2022年の受賞者』はいても、2020年が空白になるという過ちは、今ならまだ修正できると思う」とね。そして、FIFAが今回の実施を決めてくれたことを嬉しく思っている。ロベルトの受賞を願っている。彼は素晴らしいシーズンを送ったし、ロベルト・レヴァンドフスキは32歳にもかかわらず、キャリアで最高の状態だと思う。彼に受賞してほしいと考えており、そう期待している。彼はそれに見合う活躍をしてくれた。ただ、結果が出るまではどうなるか見守る必要がある。

移籍市場について....

この時代、財政も逼迫している中で、我々にとって良い移籍市場だったと思う。我々がチアゴという重要な選手を失ったのは間違いないが、それは彼の希望だったのだ。友人たちと別れの挨拶をする機会を与えられるようにしなければならないし、その義務がある。我々として、彼をうまく送り出せたと思う。レロイ・サネという非常に重要な選手と契約したが、フリック監督は、ローン満了に伴い退団したコウチーニョとペリシッチの補填を望んでいた。そして、ある日の終わり、我々が必要とするクオリティを満たす、コスタとレロイという2人のサイドの選手と契約することを決めた。我々のプレースタイルは、明らかにサイドの選手、つまり左右のウインガーに重点を置いている。我々が重要視する要素は、素早さやドリブル能力、アシストやチャンスメイク、さらには自ら得点する能力だ。その点、少し補強できたことで、全体的に見ると良いチームになったと考えている。我々が迎え入れた選手たち、そしてこのチームは、チャレンジに向けた準備が完全にできていると思う。それこそが、我々の補強の狙いだったのだ。

野心について....

まず初めに、私はここFCバイエルンに来た際、非常に重要なことを学んだ。1974年当時のチームはドイツチャンピオン、欧州チャンピオンであり、スタメンのうち8人の選手がワールドカップで優勝したばかりだった。そのため、彼らの野心はやや低下していたと言えると思う。しかし、私が本当に驚いたのは、現在の私たちのチームが、これまでと同じ強い野心を維持しているということだ。ブンデスリーガでは首位に立ち、チャンピオンズリーグではベスト16への切符を早々に獲得し、チームはそのアクセルを止めてはいない。このチームのキャラクターは、驚くほど、非常に高いレベルにあると言わざるを得ない。

マヌエル・ノイアーについて...

マヌエル・ノイアーは現在34歳だ。彼は年々熟成していく赤ワインのようなものだ。彼はどんなシュートでも、どこからシュートが来ようとも予測し、セーブする。ここ数週間のブンデスリーガとチャンピオンズリーグでそれを見せてきた。彼は世界最高のゴールキーパーだ。ゼップ・マイヤーやオリバー・カーンをはじめ、ドイツ国内やバイエルンにはこれまで常に優れたゴールキーパーがいたが、マヌエル・ノイアーは、ゴールキーパーを新たな水準へと引き上げてくれたと思う。そして、彼が我々のゴールマウスに立ってくれていることを本当に嬉しく思っているよ。

第10節に対戦するRBライプツィヒについて...

ライプツィヒは良い成長を遂げていると思う。そして、これはブンデスリーガ全体にとっても良いことだと思う。彼らは良い仕事をしているね。私の同朋オリバー・ミンツラフCEOはライプツィヒ経営陣にとって素晴らしい人物で、しっかりと責任感を持ち、ユリアン・ナーゲルスマンという優れた監督をクラブに迎え入れたことで、クラブは良い働きと成長を続けている。いつもバイエルンやドルトムントに注目が集まるが、RBライプツィヒは良い働きをするクラブだと言わざるを得ない。良い働きをすれば、ブンデスリーガでも欧州の舞台でも成果を上げることができるのだ。彼らとの対戦で、我々は3試合連続で引き分けているが、ブンデスリーガである1つのチームに対して3試合連続で引き分けた記憶はない。これは、彼らとの対戦が簡単ではないことの何よりの証だ。重要かつ、決定的な試合になるだろう。両チームともチャンピオンズリーグの試合が控えており、今シーズンの重要なハイライトとも言える対戦だ。ホームでの試合であり、首位の座を守るためにも勝ちを狙いたいと、真剣に考えている。観客にとって素晴らしい試合になるだろう。

ボルシア・ドルトムントとの一戦、”デア・クラシカー”について...

まさにクラシカー(伝統の一戦)と呼ぶに相応しいものになった。レアルとバルサがスペインのクラシコとして対戦する際、かつて我々の全員がやや羨ましく見ていた。しかし、今やバイエルン対ボルシア・ドルトムントの試合はそれ自体、クラシカーと言えると思う。3-2の素晴らしい試合だったが、チャンスの数を考えると5-4にもなる可能性があった。その翌日にはレアル対バルサが行われたが、クオリティの高さでは比べ物にならなかった。そのため、現時点でブンデスリーガはワンランク上のレベルと言えるだろう。

ディエゴ・マラドーナ氏の訃報について...

彼のことを知る人や知らない人にも、彼のニュースは私たち全員にショックを与えた。私たちは皆、とても悲しんでいた。彼のナポリ時代、私はインテル・ミラノでプレーしており、イタリアでの3年間、彼とは個人的な繋がりを持っていた。私が彼と対戦した最も重要な試合は、1986年のワールドカップ決勝戦、メキシコシティでのドイツ対アルゼンチン戦で、10万人のファンの前で行われた。当時、彼はアルゼンチン代表のキャプテンで、私はドイツ代表のキャプテンだった。試合前のハーフウェイラインでのやり取りを今でもよく覚えている。彼は私にウインクしてきたので、私は「やるな、よほど自信があるのだろう」と思い、イタリア語で彼にこう言ったんだ。「今日のドイツは楽な相手ではないよ!」とね。いい試合だった。途中まで2-2だったが、結局、最後は3-2で残念ながら我々は負けてしまったけどね。だが、彼は素晴らしい試合を披露し、まさにこの大会のベストプレーヤーだった。彼が世界チャンピオンとしてピッチを去る姿を見て、私は幸せな気持ちを感じたよ。

彼はとても幸せだったと思う。このニュースが報じられた水曜日、私は彼のことを思い返した。彼がどれほどいい男だったのか、とね。彼はサッカーをプレーしている限り、世界一幸せな男だったのだ。選手としてのキャリアを終えた時、彼の幸せは少しだけ失われたような気がした。私たちは皆、彼の引退をとても惜しんだ。彼についてのドキュメンタリーは、ぜひ皆さんにも観ていただきたい。ディエゴ・マラドーナ氏のドキュメンタリーほど、素直で良質なものを私はいまだ見たことがないね。

▼元記事
https://www.bundesliga.com/en/bundesliga/news/bayern-munich-s-rummenigge-on-lewandowski-neuer-maradona-dortmund-leipzig-13741

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