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[独占インタビュー] ゴレツカの語る激動の1年、そして今後の展望とは

チャンピオンズリーグの優勝後はじめて、ゴレツカが、ドイツ・SPORT1の独占インタビューに答えた。昨シーズンの戦いを振り返るとともに、自身の想いや、今後の抱負について語ってくれた。
【記事リリース日: 2020/9/12】

—— 以下、翻訳 (インタビュー全文)

SPORT1: やあ、ゴレツカ。トレブルを成し遂げることができたね。

ゴレツカ: ようやくクリスマスの頃から、タイトルのことを現実的に考えられるようになった気がする。この1年間は、色々な出来事があったね。新型コロナウイルスの発生から始まり、それに伴うロックダウンや無観客試合、トレブル達成、そして僕らの始めた基金、”We Kick Corona” もある。この1年間を振り返ると、まさに異例ずくめで、なかなか消化しきれないね。

SPORT1: トレブルを成し遂げたリスボンの夜の余韻は、今でも残っているかな?

ゴレツカ: リスボンで起こったことは、リスボンに残してきているよ(笑)。もちろん僕らは、もの凄く勝利を祝い、そのひと時を楽しんだ。トレブル獲得は、いわば歴史的な出来事だね。この優勝そのものは、一度きりしかないことだ。というのも、今回はコロナにより、ごく限られた関係者のみで開催せざるを得なかったという事情があるからね。チームの中やロッカールームでも、僕らが素晴らしい雰囲気に満ちていることは、誰の目からも明らかだと思うよ。

SPORT1: 具体的に、いつからチームはトレブルを意識し始めたかな?

ゴレツカ: バルセロナ相手に8:2で勝利した時に、僕らは皆、この偉業を成し遂げトレブルを達成できる可能性があると明確に感じた。そもそもダブル獲得に関しては、僕らは既にかなりの自信を持っていたね。

SPORT1: 決勝の夜、印象に残るシーンは。

ゴレツカ: 試合終了を告げるホイッスルを聞いた瞬間だ。その瞬間、今シーズンのあらゆるプレッシャーから解放されたことで、無心に笑い、幸せを噛み締めたよ。この気持ちは、いかにも形容し難く、ずっとこのままでいたいと感じるものだったね。キャリアはまだこの先も続くが、今回の経験は全て格別だった。

SPORT1: 君の目から見て、ばいやんの強さは何だろうか。

ゴレツカ: 一番はそのメンタリティだ。僕らと対峙するのはやり辛さがあるだろう。そして、僕らに勝利するのは更に難しいことだと言える。試合における僕らの集中力や、ボールホルダーに対するプレスは、今のところとてもうまく行っている。これにより、殆どのクラブが我々の陣地でボールを奪うことを困難にしている。とりわけ、シーズン再開後に僕らが際立っていたのは、Mia San Mia の精神だ。この精神は、かつてばいやんを一躍その栄光に押し上げたものであるが、僕らは再びそれを新たなレベルへと押し上げた。このチームでプレーすれば心強く感じるが、ロッカールームで皆の表情を見れば、それもすぐに納得できるはずだ。

SPORT1: チームに、更なる改善の余地はあると思う?

ゴレツカ: 今うまく行っているからといって、1週間後もそれが続くとは限らない。これからは、僕らが欧州中で追われる立場だ。相手チームは、これまで以上に徹底した対応をしてくるだろうし、僕らのシステムの弱点を見つけ出そうと試みてくるだろう。ここで歩みを止めるなんてことはしない。より良い試合ができるよう、僕らはさらに磨きをかけ、成長を続けるつもりだ。

SPORT1: ばいやんのシステムの弱点を見つけ出すのは簡単なことだろうか?

ゴレツカ: システムというのはそれ自体、弱点を見つけ出すものであり、対応策を見つけて効果的にそれを実行すべきものだね。

SPORT1: ハンジ・フリック監督の下でプレーするのはどういう気持ち?監督と選手の関係性を言い表すとしたらどう表現できるかな。

ゴレツカ: 監督は、僕に対する信頼の気持ちを伝えてくれる。ピッチに立てば、僕はその信頼に対し、可能な限り応えたいね。

SPORT1: ハンジ・フリックはどんな監督かな?

ゴレツカ: 彼は、選手の繊細な気持ちに対して、とても理解のある監督だ。会話の機会も多く、これまで選手たちとどのように接してきたかが分かるね。沢山の多様な個性が集まっているわけだから、チームをまとめ上げるのは、決して簡単なことではないはずだ。全員がひとつの目標へと向かうよう、彼はうまくチームを動かした。そして、ひとつの方向へ全力を注げるようになれば、ビッグタイトルも見えてくる。こうした事を彼は秀逸にこなした。結果はご覧の通りだね。

SPORT1: 君の肉体改造の話は有名だ。リスボンの決勝トーナメントでも、フィジカルの強靭さが際立っていた。新たな肉体は、ピッチの上ではどう感じる?

ゴレツカ: 自信と頑強さが増したね。それは相手へ向かう時に実感するし、また、いざ相手に当たった時も大きな自信を感じるよ。

SPORT1: 今のような筋力アップを図ろうと思った、決定的な要因は何かな。

ゴレツカ: ロックダウン期間を最大限に活かそうと思ったんだ。選手として、そして人としてもね。両方ともうまくいったと思う。

SPORT1: これまでの中で、今は最強のレオン・ゴレツカだと自分自身で思う?

ゴレツカ: 自分ではとても好調だと感じるし、怪我もない。僕とチームの最高の時代は、ようやく今始まったところだと確信しているよ。

SPORT1: トレブルを達成した今、どんな目標を持ってる?

ゴレツカ: 僕らは今も、そしてこれからも貪欲であり続ける。トレブル獲得は素晴らしい出来事だった。だが、タイトル防衛は更に素晴らしいことだと思う。もちろん対戦カードは毎年変わるが、目標がトレブルであることは変わらない。

SPORT1: 君の契約はどうだろう。現行では2022年までだね。

ゴレツカ: ミュンヘンに来て2年になるが、ここではとても居心地が良い。僕らは、昨季トレブルを達成し、更なる大きな目標を抱いている素晴らしいチームだ。僕らの時代は、今まさに始まったところだね。

SPORT1: 2018年12月にインタビューした時に、君はこう語っていたね。チームを牽引する選手となり、ピッチの上で必要とされ、コンスタントに出場できるようになりたいと。その目指す姿を、ばいやんでも意識している?

ゴレツカ: ばいやんでプレーするような選手なら、おそらくドイツの他のどのクラブでもチームを牽引する選手になれるだろう。ここでも、その目標へ向かって順調に進んでいるよ。間違いなくね。

SPORT1: 「11人の友であれ」(ドイツサッカーの父、故ヘルベルガー氏の名言)、この言葉を君は知っているね。これは、特に親密な、君とヨシュア・キミッヒ、セルジュ・ニャブリがいる、ばいやんの勝利の方程式とでも言えるかな?

ゴレツカ: ゼップ・ヘルベルガーがこの言葉を言った時代と、今日では容易には比較できない。選手たちへの負荷も、当時は、今ほど大きくはなかっただろう。その質問に答えるなら、ピッチに立つ11人だけでなく、様々な個性を持ち、高い目標を目指すチーム全体と友になる必要があるね。これは、僕らクラブのモットー、”Mia San Mia” にも謳われている。その理解が深ければ尚良いね。

SPORT1: レロイ・サネも、ばいやんの一員だ。

ゴレツカ: とても嬉しいよ。レロイと僕は、永遠の仲なのだからね。僕らは互いにルール地方、それもボーフム出身だ。かつてはユース世代で共にプレーし、そして今は、ばいやんでチームメイトだ。こんな素晴らしいことはないよ。

SPORT1: ばいやんのみならず、新シーズンは相当タイトなものになります。チームの組織において、何が重要だと思う?

ゴレツカ: 特に新シーズンは、厚い選手層が必要になるだろう。年間の試合日程を見る限りね。相応のメンバーで昨シーズンは全てを勝ち取った。最高のメンバーだったね。チームのメンバーは全員、常に努力を惜しまない選手たちだ。自分たちを100%信頼しているよ。

SPORT1: 新シーズンに目を向けよう。トレブルに向けては、期待と不安が入り混じっているかい?

ゴレツカ: どちらでもないね。トレブルは栄光であり、そして責任も意味する。再び栄光を掴めるよう、全力を尽くさないとね。

SPORT1: ブンデスリーガは退屈だとよく言われるが、再びばいやんがドイツ王者になると思う?

ゴレツカ: 今シーズンも、ばいやんがマイスターを獲得できると確信している。これは、僕らの掲げるハッキリした目標でもあり、全く驚きにはならないだろう。ただ、もちろん他のチームもトップレベルのメンバーが揃っているね。

SPORT1: 古巣のシャルケ04をどう見てる?

ゴレツカ: 彼らは、成功を取り戻す糸口を見つけないといけないね。とりわけ、シャルケというクラブは、今とてつもなくファンの力を必要としている。しかし最後には、チームをうまく機能させる術を知る、元選手がシャルケには必要だと思うよ。

SPORT1: 観客のいるスタジアムを、君はどれほど待ち望んでいる?

ゴレツカ: 市民の安全が何より優先されるべきだ。それは間違いない。だが、勝利の喜びを分かち合えることほど、素晴らしいものはない。どこで試合をするか、どの舞台で戦うかなんて関係ない。ファンのいないサッカーは、ただ2チームが戦うだけの試合だ。ファンがいないのは、もの凄く寂しいよ。

SPORT1: パリ・サンジェルマンに所属する選手たち数人が、イビサ島で新型コロナウイルスに感染したと言われているね。君を含め、何人かのチームメイトが、(イビサ島から程近い)フォルメンテーラ島で休暇を過ごしていたけど、コロナ感染の不安はなかった?

ゴレツカ: 不安はなかったね。でも、リスペクトはあった。僕らは何度も検査を受けた。今週もね。幸い、これまでの検査結果は全て陰性だ。一方で、スポーツ界やイベント業界、経済、そして福祉国家が、このコロナ禍において、大きな困難を乗り越えるのを見ると、とてつもないリスペクトを感じる。僕は、こうした時期にドイツで生活できていることに、大変感謝している。

▼元記事
https://m.sport1.de/article/5647820

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