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興奮の伝導

人間がモノを考えたり、脳から指令を伝えるときは神経細胞が「興奮」します。
その興奮を神経線維が伝えていきます。
では、どのように伝えていくのか?

体内で生きる細胞には内側と外側に液体があって、その中にそれぞれ異なる物質が溶けています。
外側にはナトリウムが、内側(細胞の中)にはカリウムが溶けています。
そして、細胞の外側と内側でマイナス80ミリボルトという電位差が常にあります。
この電位差が破綻すると、細胞が死んでいるという状態になるわけですが、細胞の外側と内側で異なる物質があることと電位差があるということを細胞膜でキープしています。
ただ、神経線維や軸索(神経細胞から伸びる長い突起)に刺激が起こると、細胞の外側にあるナトリウムが細胞の中に入り込み、細胞の中の電位差がマイナスからプラスに変化します。
この電位変化を活動電位と呼びます。
この活動電位こそが「興奮」の本体になります。
この興奮を隣り合った神経線維がドミノ倒しのように末梢まで順に伝えていく(伝導)のです。
隣がびっくりすれば、その隣もびっくりするみたいな感じです。
伝わるスピードは神経線維が無髄線維なのか有髄線維なのかで変わります。
無髄線維であればゆっくり伝わり、有髄線維であれば早く伝わります
興奮を早く伝えないといけない場所には有髄繊維が、ゆっくりでも良い場所は無髄線維が伝えていきます。
有髄線維の主な働き場所は体性神経、無髄線維の主な働き場所は自律神経(節前ニューロンは有髄線維、節後ニューロンは無髄線維)です。

こんな感じで興奮が伝導していきますが、次の神経細胞に興奮を伝えるときは、また違った伝え方をします。
そのお話はまた今度にしようと思います。

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