見出し画像

大企業におけるミドル・シニアの現状と活躍させるための対策

昨今、日本の労働力人口減少への対応策としてミドル・シニア活用に注目が集まっている。経済成長に伴う労働需要の増加(パーソル総研・中央大, 2018)、若年労働力人口の減少(総務省, 2018)等の影響により、有効求人倍率は2014年から1倍を超続けており、更に上昇を続けることが予想されている(現在はコロナ禍の影響で1,18倍まで一時的に下落している)。


こうした状況の中、その解決策としてダイバーシティの推進が挙げられているがそれぞれ解決しなければならない問題が山積している。例えば外国人活用であれば受入れの外部費用負担問題、技術継承問題、技能実習生の低賃金問題等があり、女性活用であればアンコンシャスバイアス、セカンドシフト等の取り組まなければならない問題がある。

そしてミドル・シニア活用で語られる主な問題は、彼ら彼女らの生産性の維持向上である。「働かないおじさん」「Windows2000」「扱いづらい」等のミドル・シニアを揶揄する言葉が蔓延しており、それらは日本におけるミドル・シニアのステレオタイプであると言っても過言ではない。しかしながら、「働かないオジサンは本当か?データで見る、ミドル・シニアの躍進の実態 パーソル総合研究所(2020)」によると、約20%のミドル・シニアが躍進層として活躍しており、その様なステレオタイプに当てはまらない層も多く存在することが分かっている。

この20%に共通する5つの行動特性として、「仕事を意味づける」「まずやってみる」「学びを活かす」「自ら人とかかわる」「年下とうまくやる」が紹介されており、これらの行動特性をその他のミドル・シニアにどの様に身に着けさせるかが具体的な取り組みとなりそうだ。


これらの話について、企業が取り組むに値する事はどの様なことであろうか。まずは長期で活躍する為の阻害要因となるものを排除することである。具体的には「強みを活かせない役割分担」「50代に対するマネープラン研修」「尊厳を無視した注意」等である。そして取り組むべき事は「上司によるサーバントリーダーシップの発揮「職場の人間関係の改善」「早期のキャリアカウンセリング」「自己効力感の醸成支援」等である。言うは易く行うは難しの内容が多い事は事実だが、先延ばしにできる環境ではない。


カトキチ@人材・組織開発コンサルタント


【参考】
※「働かないオジサンは本当か?データで見る、ミドル・シニアの躍進の実態 パーソル総合研究所(2020)」
※躍進するミドル・シニアに共通する5つの行動特性 パーソル総合研究所(2018)
※ミドル・シニア層の約4割を占める「伸び悩みタイプ」とは?50代前半に多く、特徴は「多忙感」「職場への不満」など パーソル総合研究所(2018)
※50代からではもう遅い?40代から始めるキャリア支援のススメミドル・シニア躍進のために企業が取り組むべきこと パーソル総合研究所(2018)
※総務省統計局(2018)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?