デザイン思考とアート思考

アートとビジネスの関係の議論が増えてきていますね。
経営者はアートを見たほうがいいという議論もありますが、
ここでは、デザイン思考とアート思考について、
考えてみたいと思います。

デザイン思考は、イノベーションを起こための考で、
5つのプロセスの中に「問題提起」というステップがありますが、
デザインには「問題解決」という考え方があります。

問題提起と問題解決って、
似ているようで、異なる方向の導き方になると思います。

問題解決は、現在ある要素の中の問題を解決する方向なので、
現在の延長線上に解決策があるのだと思います。
「よりよくするにはどうしたらよいか?」という考えに近いと思います。
また、問題提起は、
「そもそもこれって、今まで当たり前に使ってたけど、
 ここって実は問題だよね!」
「だったら、本来こうなったらいいよね!」
というよいうに、大きく俯瞰して見たときに見えてくる疑問に対して、
新しい視点で問題を提起することだと思います。
これらを導き出すためには、
心の奥底に隠れている潜在的なニーズや、
本質的なところから考えた疑問などから
導き出せると思います。


ひとつ例を挙げてみますと。。
「静岡の新しいパフェを考えよう!」
というテーマがあったとします。

問題解決的な発想の場合、
現在の延長線上というか応用的なアイデアとして、
「いちごやみかんを入れたご当地パフェ!」
という案にたどり着いたとします。
これは、ひとつの案として、
静岡らしくていいね!
ということで成り立たせることはできると思います。
ただ、いろいろな地域のパフェの中で、
ちょっと新しいパフェがひとつ増えた。
という見方にもなってしまいます。

問題提起的なもっていき方では、
パフェ全体を俯瞰して観察した時に、
いろいろな地域が、地域の特産品を駆使して
おいしいパフェをつくっている。
どれも、おいしいとは思うけど、
別な見方をすれば「地域間の具材戦争なのでは。。」
という問いかけにつなげることができます。
(ちょっと荒っぽいことばですが。。笑)
同じ土俵で戦い続けてもなぁ。。
と考えるかもしれませんね。
この時に、「では、具材戦争にならないパフェって?」
という問いかけに発展して、
別な視点を考えるようになります。
健康や美容をキーワードにしてみよう とか
未来の地域をキーワードにしてみよう とか
夢をキーワードにしてみよう とか
まずは、思いついたキーワードからの発想から
はじまりますが、このアイデアリングをしていると、
思いがけないキーワードがでてくることがあります。
そのキーワードをもとに、
たとえ、地域の具材であるいちごやみかんを使っても、
全くことなるレシピになっていく可能性があります。

私が進めている食品系のプロジェクトでも、
上記のような問題的から新しい食材と調理で
つくりあげたものは
「これ、すっごくおいしいけど、何てせつめいしていいかわからない。。」
という出来上がりになったりしています。
ここからが、また大変なのですが。。。


というように、なるべく説明しやすい例として
挙げてみたのですが。。

ここでいう「問題提起」は、デザインというより、
「アートな思考」に近い考え方とも言えます。
「アート」は、アーティストの独自の視点による、
社会に対する問題提起やメッセージが、
具体的な作品として表現されているのですが、
デザイン思考は、どちらかというと
このアート思考に近いのではと思っています。

なので、デザイン思考というプロセスの中では、
アート思考で社会に対する問題提起やメッセージとなるような
発想からモノゴトを生み出してもよいのかもしれませんね。


弊社サイトでも、デザイン思考のプログラムをご案内しています。
https://www.interplanning.co.jp/designthinking.html

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