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育休中のリスキリングという名の私の現実逃避

私はどちらかというと子ども好きで、街や電車で子どもをみかけると、ついニコニコしたり変顔したりしてしまう性です。(周りから見たら完全に変人です。きっと赤ちゃんも、変な人だと思って凝視してくれるのでしょう。)

ただ、10代のころに、病気で、卵巣の片方と、もう片方の一部を失っており、残った部分が働いてくれているうちに早く産まなきゃ! という妙な焦りを感じていました。

そして、30を目前にして、第1子を授かりました。

ところが、待望の妊娠だったにも関わらず、仕事バリバリモードだった私は、妊娠中~産後、育休期間中まで、想定外の連続にモヤモヤしまくり! 妊娠するまでは、子どもができたら、可愛すぎて、仕事復帰するのがいやになっちゃうかもなんて、思っていたのですが、これが全くの杞憂で。妊娠が判明したとき、うれしいよりも、「仕事どうしよう?!」が先立ってしまいました。

男性であれば「子どもが産まれるんだから、バリバリがんばらなきゃな!」と言われるのに、「残業して、大丈夫?」なんて気を使わせてしまう自分に、夫を恨めしく思ったり。性差を超えて、妊娠する方を話し合いで選べたらいいのに、魚とかはそういうのもいるよね、と無駄なことを考えたりしました。

私の育休中は、ちょうど周りも出産ラッシュ。「子どもがかわいくて仕方ない」「仕事復帰なんてしないで、ずっと一緒にいたいのに」の声を聞きながら、逃げるように産後2ヶ月で大阪から遠く離れた名古屋のセミナーに出席したり、授乳しながら、昇任試験の勉強をしたりしていました。

育休中のリスキリング、なんて聞くと、すごい人のように聞こえるけれど、私の場合はある意味、現実逃避でした。赤ちゃんという日々変化する、答えのみつからない相手からの逃走です。同じ時期に育休中で、昇任試験を受験された先輩から、「育休中なのに合格するなんてすごい!」と言っていただきましたが、「いやいやいや、赤ちゃんと四六時中一緒にいて、発狂しない○○さんの方がめちゃくちゃすごいです!」と、抱えていた葛藤を素直にお話しました。そうして、なるほど、お互い、ないものねだりだねぇなんて、話をしたものです。

男性か女性かに関わらず、個人として得手・不得手があって、残念ながら私は「お母さん」より「仕事をする」の方がどちらかというと(どんぐりの背比べですが)得意だったようです。

大黒柱になるから、思いっきり残業して働きたい。
仕事による達成感を味わいたい。
夫に専業主夫になって欲しい。

そんな想いがありました。
私は全然、イメージしていた「よいお母さん」になれなかったのです。
育休中の赤ちゃんとの生活が本当に苦しかった。
育休明けで、職場に復帰したとき、本当に初めて息をしたような気持ちになりました。あの感動というか、開放感は、羽化したセミもびっくりだったと思います。

だからもし、「子育てしながら○○!」などのネットの記事などを読んで、モヤモヤしても、安心してください。子どもとちゃんと向き合えているあなたは素敵です!

そして、うまく向き合えなくて、実現したい自分像と子育ての間で、葛藤しながらもがいているあなた。あなたももちろん、素敵です!

本当にみんな、それぞれの得手・不得手がある中で、十分がんばっていると思います。(みんな頑張りすぎじゃない? しんどくない? 助けてって言ってもいいんですよ〜。助けてくれるか、くれないかは相手が決めるので、言うのは自由です!)どうか自分を、自分の能力を、他人と比べて卑下せず、労わってあげてください。

皆さんにとって、今日もよい1日でありますように!

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