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憧れのマイホーム 〜絵のない絵本〜

せっせと働いてやっと念願のマイホームを手に入れた!

家族も笑顔だ。
その笑顔を見たくて頑張ったようなものだからな。
素直に嬉しい。

ちょっと郊外で不便さはあるかもしれないけど、その分静かだ。
それにこどもたちにとっては自然が多くて遊び場も多い。
小さいうちはこのくらい田舎でちょうどいいだろう。
事件に巻き込まれる心配も少なそうだし安心して育てられる。

「新しいおうちのにおい!」
「やっぱり新しいおうちはいいね!」

「パパが頑張ってくれたおかげだよ。
感謝しないとね。」
「うん!ありがとう!パパ!!」
「ママも頑張ったじゃないか。ありがとうな。」

愛する妻に、可愛いこどもたち。
念願のマイホームもあるし、食べるのにも困らない。
とても幸せだった。
この幸せは永遠だと思っていた。


しかし永遠には続かなかった。


ある日突然、家が大きく揺れた。
「なんだ?!みんなパパにつかまるんだ!」

だがしかし、いとも簡単にやつらがその幸せを奪っていったのだった。
家を根こそぎ持っていかれた。
我々は途方にくれた…
また一から作り直さなければいけないのか……







「やっぱりここの燕の巣は良質だな!」

「ここは空気も澄んでいるしツバメ達も元気だからな!
その分とんでもない崖にあるんだがな。
だがここまでくればさすがに誰も取りに来やしない。」

「しかしツバメのだ液だっていうのに、もの好きな奴らもいるもんだな。
これを高級食材なんて言って喜んで食うんだから。」

「まぁそのおかげで、こっちも商売できるんだけどな。」

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