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人と街と自然をつなぐ コンポストのある暮らし ー いろいろなコンポストをたずねて 第一回①

 東京都の郊外、野菜畑の広がる住宅地で生ごみや落ち葉などの有機物を微生物の力で堆肥に変えるコンポストをスタートしてから、はや10年あまり。コンポストから広がる世界に魅了された私は、ダンボールコンポストアドバイザーの資格を取得し、コンポスト講座を開くようになった。講座を重ねるうちに
 「もっと、その人のライフスタイルにあったコンポストを提案したい」という思いがわいてきた。そこで、いろいろなコンポストを実践する人をたずねることにした。

コンポスト堆肥を寄付しているご近所の図書館。
毎年、壁面を彩る緑のカーテンの堆肥にも使われている

 noteでは、さまざまなコンポストを実践する人たちやグループのもとをたずね、そこで出会った人々の生き方や社会、自然とのかかわり方を綴りたいと思う。まずは私がダンボールコンポストをはじめたきっかけから、お付き合いいただきたいと思う。

第1回 
コンポスト、私の場合 
 ダンボールコンポスト - ① ~ ⑦

目次
① ダンボールコンポストをスタート
② ダンボールコンポストの仕組み
③ 驚くべき堆肥のチカラ
④ コンポストで生ごみ削減
⑤ 生ごみ削減だけじゃないコンポストの魅力
⑥ ベランダは生き物の小宇宙

 ①ダンボールコンポストをスタート 

きっかけは、「微生物って意外とジャンキーだよ」の一言

身近にあるダンボールでコンポストができるなんて不思議!
これならマンション暮しの私でもベランダでできるかもと思った

 もともと、エコ意識が高かったわけでもない。農業を経験したこともなければ、ガーデニングもほぼ初心者だった私がコンポストをはじめたきっかけは、札幌に住む友人の一言だった。
「モニターでダンボールコンポストをはじめたんだけど、けっこう面白くって。ポテトチップスやご飯の残り物も入れられて、微生物って意外とジャンキーなんだよね」。
「微生物がジャンキーって?!」。その一言で、遠い存在だった微生物が一気に身近になった。
「キッチンから出る生ごみなら、貝殻や塩っ辛いもの以外なら基本、なんでもOK!腐ったものも入れられるよ。においも気にならないし」。
 ええっつ? それって、冷蔵庫の片隅に半年以上置きっぱなしになっている使いかけのジャムや、野菜室で干からびてしまった葱も入れられるの? 今まで、それらの「食べるはずだった」食品や素材をいつも懺悔の気持ちで回収し、燃えるごみに出していた私。それをすべて、微生物が食べてくれるなんて、すごい! 

ぬか漬けを失敗した
 ずばらな私でもできるかも


 話しを聞くうちに、「これだったら、ずぼらな私でもできるかも」という思いがふつふつとわいてきた。善は急げ! 時を同じくして、東京都の区のリサイクルセンターでダンボールコンポスト講座開催のお知らせを見つけた私は、早速、申し込みをした。
 しかし、ひとつ心配なことがあった。「私は、毎日、コンポストをかき混ぜ続けることができるだろうか」。じつは、私は何度もぬか漬けを失敗している。「毎日かき混ぜること」。たったそれだけのことを続けることができない。しかし、話を聞いてみると、2~3日であればかき混ぜなくてもまったく問題はないという。しかも、長期に留守にする場合には、生ごみを投入しなければ、微生物もお休みしてくれるため失敗することもない。その上、再開したい場合は、また生ごみを投入すれば、微生物も活動を開始するというではないか。
 「すばらしきかな微生物! おりこうさんなペットみたいだ」
これなら、私でもできるかも! とその場でコンポストセットを購入。当日から、コンポスト生活をスタートした。

次回からは、コンポストをスタート。ダンボールコンポストのコンポストの仕組みについてお話しします。

第1回 コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -②ダンボールコンポストの仕組み

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