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第1回 ②コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -ダンボールコンポストの仕組み


空気中の微生物が生ごみを分解

 区のコンポスト講座を受講して、その日からコンポスト生活をスタートした私。では、ダンボールコンポストの仕組みについて説明してみたい。
 用意するものは
 ・ダンボール
 ・基材 (ココピート【ココナッツの皮を砕いたもの】とくん炭【もみ殻を炭化したもの)

たったこれだけだ。ほかに促進剤やぬかなどを入れる必要もない。この中に、毎日、生ごみを入れてかき混ぜるだけで、堆肥ができる仕組みだ。
 ほかに

・ダンボールの下の通気をよくするための網台(100円SHOP等で販売しているプラケースで可。すのこはダンボールの接着面積が多いためNG)
・スコップ(できれば金物)
・ダンボールカバー

虫の侵入を防ぐため、カバーをかける。
カバーは使わなくなった古Tシャツで作成

などが必要だが、これだけで、堆肥ができてしまうなんて、ちょっと拍子抜けしてしまうほど簡単だ。ではなにが、生ごみを分解してくれるのだろう? それが空気中に存在している微生物だ。目に見えない微生物が働いて、生ごみを分解し堆肥にしてくれる。これだけで、生ごみが栄養たっぷりの堆肥に生まれ変わるのだから、不思議というか驚きである。

これってマジック?
魚の骨も2~3日で分解

 コンポストを始め、1週間もすると生ごみの分解がはじまった。2~3日前に入れた野菜くずも跡形もなくみごとに消えていく。まるで魔法のようだ。微生物ってすごい! コンポストをはじめて10年以上経っても、この感動は変わらない。
 魚のアラも2~3日経つと、写真下のようにきれいになくなった。しかし、同じ骨でも鶏の骨やスペヤリブ、アンコウやフグの骨は、いつまでも分解せずに残ってしまう。その日に投入する生ごみの種類によって、分解速度が違うの違ってくるのだ。
 

ほとんどの魚の骨は2~3日経つと、右のようにきれいになくなってしまう。
しかし鶏の骨やスペヤリブ、アンコウやフグの骨はなかなか分解せず残ってしまう。
生ごみの種類によって分解速度が違うのも面白い

  それに、肉や魚などタンパク質系のの生ごみを入れた翌日はちょっと臭い。「これって、人間がタンパク質の食事をとるとおならも臭いのと同じかな?」と、微生物を人に置き換えてみる。
 ほかにも、残ったご飯や肉の脂身、廃油(少量ならOK)など、炭水化物や脂質を入れると、ぐんとコンポスト内の温度が上がり、分解が進む。夏には庫内は50℃を超えることもあり、冬にはコンポストから湯気が出ることもある。まるで、化学の実験のようだ。ちなみに、鶏の骨や梅、桃の種は植木鉢の底石代わりに再利用している。

冬は、ダンボールを開けると湯気があがることも!
   気温よりもコンポスト内の温度の方が高いことからおこる現象。
私にとっての冬の御馳走!

まるでペット! 日々、表情を変えるコンポスト

 私の場合、朝食の片づけを終えると、生ごみを持ち、いそいそとベランダにあるコンポストへ向かう。小さなダンボールの中の世界は、日々、変化に満ちている。
 例えば、基材の表面に、糸状菌という白っぽい菌を見つけることもあれば、ミカンの皮を入れた翌日などは、ダンボールを開けた瞬間、さわやかな柑橘系の香りが漂う。目に見えないけれど生ごみを食べてくれる微生物は、まるでペットのようだ。
 
 それに、コンポストをかき混ぜることは、なんだか土いじりをしているような気持ちになってくる。大袈裟に聞こえるかもしれないが、畑を耕してきた農耕民族のDNAが呼び戻されるというか、コンポストをかき混ぜる=土に触れている感じで、ずっとかき混ぜていたくなる。それだけで楽しいのだ! こうして自然と、私の中でコンポストが義務ではなく、毎日の朝の日課であり楽しみになっていった。

 その上、キッチンが清潔になったこともうれしい発見だった。食べ物が腐りやすい夏場は、朝と晩、2回生ごみをコンポストに投入している。すると、キッチンに生ごみが滞留することがない。生ごみの臭いはもちろん、生ごみにやってくるコバエに悩まされず快適に過ごせるようになった。

次回、③驚くべき堆肥のチカラでは、コンポストでできた堆肥を使って感じた、発見したことを綴ります。

第1回 コンポスト、私の場合 
ダンボールコンポスト - ③驚くべき堆肥の力

第1回 コンポスト、私の場合 
ダンボールコンポスト - ①ダンボールコンポストをスタート