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0. 藝大和声の補足ノート

この記事は和声のマガジンに含まれています。
その0:芸大和声の補足ノート
その1:和声のススメ
その2:知識0でも(きっと)分かる和声概論
その3:実際の曲を和声分析してみる(Ave verum corpus)
その4:ポップスに和声の考え方を活用する
その5:和声課題の間違い探し

こんばんは、オーナーの吉田(@yoshitaku_p)です。

今後少しずつ和声についてのコンテンツを載せていきたいと思っています。すでにYouTubeにアップされている動画については再生リストから見てください。

藝大和声は表現が若干分かりにくいので、tipsやQ&Aなど、文章でまとめておいた方がいいことを適宜こちらに記載しておきます。

最も大事な禁則

例えば、ドミナントの和音を配置するときに導音を重複してはいけないのですが、これは「連続8度・連続1度は禁ぜられる(p.27)」という禁則にかかってしまうためです。

そして、なぜそれらが禁止されているかというと「藝大和声は4声体で実施を行うため」です。

つまり、連続8度や連続1度を許容してしまうと、その間はあたかも3声体、2声体のように響いてしまい、豊かな和音の響きを作ることができないからです。

藝大和声で扱われる細々した規則は、4声体としてバランスよく聞こえるようにするために用意されていることが多いです。

他にもルールを見つけてみたい場合は、I巻p.106からの内容が参考になると思います。

許し度合い

芸大和声の中ではやっていいルールとそうでないルールがあるのですが、それらを微妙な表現で言い分けています。

少し流し読みをしても「良・不良」「最適」「禁ぜられる」「許される」「〜されていればこの限りではない」とさまざまな表現が出てきますが、これらはルールを0か1かでは決めきれない部分があるからだと思います。

不良や禁ぜられるものは絶対に守って、それ以外の曖昧な表現のものは習得のために守ったほうがいい、くらいに考えてもいいかもしれません。

芸大和声の解答編

芸大和声には解答編があります。

「これを買えば和声は自学でも大丈夫だ!」と思った方もいるかもしれませんが、残念ながらそんなに簡単な話ではありません。

というのも、この解答編はI巻からIII巻までの内容を扱っているので、簡単な課題については解答が書かれていません。また、1つの問題につき解答例は1つしか載っていないものがほとんどです。

しかし、解答と自分の実施したものが全く同じものになることは少なく、解答と違う部分を見比べて修正する必要があります。

これは自分の解答を添削してもらったことがないと難しいと思います。

ただ、コツを掴みさえすれば解答として十分に使うことができます。

例えばソプラノが「ドドドシドレシー」と進んでいたとして、自分の解答ではその動きがアルトにあったとしても正解である可能性が高いです。

配置こそ違えど、連結が正しければ正しいと判断できる、と言い換えてもいいでしょうか。

第1転回形の配置、標準外配置あたりでパターンが少し増えて複雑になりますが、それでもその前後の各声部の進行はオクターブが違うくらいでしょう。

コツが掴めれば問題なく使えそうですが、本自体が少し高価なのと、独学だと判断しきれない部分が多いので、個人的には添削だけでもしてくれる人を探すことをお勧めします。

具体的な曲との繋がりをー「総合和声」

芸大和声には総合和声という本もあります。黄色い本で、6,000円くらいで購入できます。

また、この本の解答編もあります。

総合和声も解答編もIII巻と同じくらいの厚さで、4声体を実施する実技編、クラシック曲を分析する分析編、より根本的なところから音楽を考える原理編の3つに分かれています。

読み物としては面白いのですが、芸大和声(もしくは総合和声の実技編)の記号の意味が分からないと難しいかもしれません。

楽器屋さんで立ち読みしていいと思ったら買ってみるのがオススメです。

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