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自分も社会もサステナブルにするには?実験を大切にする。長期コースを2025年冬に開催。

「私のちいさな問いから社会が変わる」

Compathのコンセプトであり、プログラムを作る上でとても大切にしてきた言葉です。

日々を過ごす中で、自分からどんどん離れて広大なものに思えてしまう「社会」。社会で起きていることにふと違和感を感じながらも、どのように行動したらいいのかわからない。Compathでは、参加者の皆さんからそんなモヤモヤをたくさん聞いてきました。

Compathでは、この小さな「モヤモヤ」から社会が変化する「問い」が生まれると思っています。ひとりひとりの問いを大切にして、社会をもっと身近に感じながら、自分なりの行動ができる人が増えていく。そんな光景をつくっていきたいと思っています。

写真:松尾明子さん

問いを大切にしながら、社会へアクティブに行動できる社会を想像するとき、私たちはいつもデンマークのある事例を思い出します。

デンマークではチェルノブイリ原発事故が起きる1年前に脱原発の方針を固めています。きっかけとなったのは、あるフォルケホイスコーレの脱原発運動でした。

原発を導入しようとする政府の動きに対し、フォルケの生徒たちは「将来の子孫に大きな負担となってしまう」と反対の意思を表明し、自分たちが使うエネルギーを生産する風車づくりを始めたのです。

風車づくりの専門家もいないなか、生徒と先生が議論と実践を重ね、数年後には風車が完成。これをきっかけに、デンマーク全土で風車づくりや電力の自給自足を行う風潮が生まれ、脱原発の動きへつながっていきます。フォルケの生徒たちが持った問いが社会を変化させる起点に変化した面白い事例です。

▼引用はこちら

自分の問いが社会につながるのなら、あなたが今の日本社会で、問い直してみたいことはなんですか?。その問いが長期的に社会へ変化を起こす種になるかもしれない。そう思うとわくわくします。

今回の長期コースのキーワードは「実験」。このコースでは、授業や仲間との共同生活から、自分自身の問いを見つけたり育てたりしながら、Compathや東川町という社会の中で、実際に「実験」を繰り返していくコースにします。

長期コースではこのような人に来てもらいたいなと思っています。

  • 社会に対するモヤモヤはあるけど、何から始めたらいいかわからない人。

  • 自分を大切にしながら社会とつながる方法をじっくり探してみたい人

  • 自分のキャリアを少し時間をかけて考えて直してみたい人

コースの内容は参加してくれる人によってどんどん変化していく予定です。まずは運営メンバーがコースで大切にしたい学びをまとめてみました。私たちの想いを読みながら、自分はどんな問いを持って、どんな実験をしてみたいか想いを馳せてみてください。


自分を見つめることからスタート

自分の問いを見つけ育てていくためには、まずは感性や価値観を知っていくことが大切。そういう想いから、これまで自分の内側にじっくりと耳を傾ける時間を中心に、コースをつくってきていますし、この長期コースでももちろん大切にします。

最近、私たちが読んで感銘を受けた、公共とデザインさん執筆の「クリエイティブデモクラシー」という本の中には、個人の衝動、内発的な創造性を起点にした民主主義のあり方が提唱されていました。

「クリエイティブデモクラシー」=一人ひとりの創造性「やってみたい」を信頼し、それぞれの内発的な創造性から生まれるプロジェクトによって形成される民主主義のかたちのこと。

まさに、私たちがこれまでもこれからも大切にしていきたいことを、言葉にしてくださっていると感じました(ぜひ読んでみてください)。さらにそこには「やってみたい」が生まれるには、異質な他者と混じり合い、お互いの違いを認め合う環境が必要だと書かれています。

写真:松尾明子さん

長期コースでも、きっと多世代異なるバックグラウンドのみなさんと長期間一緒に生活することになります。違う他者がいるからこそ、自分ならではの部分に気づいたり、他者からの反応があって「自分ってこれがすきなんだ」と気づく。その積み重ねが自分の衝動や問いを生み出すプロセスとなるはずです。


実験!考えながら、手も動かす

今回のコースで大事にしたいのが、実験すること。「考えながら手を動かしてみること」です。

デンマークのフォルケホイスコーレでは、生徒が主体となり実際に手を動かしながら学びをつくっています。

アクションの動機は様々です。環境問題に関心がある人が環境負荷のかからない食をテーマに食生活を変えてみる実験をしてみたり、学校にサウナが欲しいので実際につくってみるプロジェクトを始めたり。常に生徒が自分の心地いい環境をつくっていくために、小さなところからトライしているんですね。

フォルケホイスコーレにて。食料問題をテーマにスーパーで廃棄されそうになっているものをもらい料理をしてみた様子。とても美味しい料理ができた。

どれだけ実験をしても評価は一切されないので、自分が純粋に探求したいテーマを自由な発想で実験ができます。だから明確な正解はなくても動き始める軽やかさがあり、結果からだけではなく行動したプロセスから学びを得ていきます。

Compathでも評価は一切ありません。自分の探求したいテーマを自分なりのアイデアで試してみる時間をたくさん取ります。

考えると同時に、やってみる。その後に学びを振り返る。結果から得られる学びだけでなく、探求するプロセス自体から生まれる学びも大切にしていきたいと思っています。


手触り感のある社会の中で暮らし、自分と社会との接続方法を考える

自分と社会との関係性を考える上で、東川町はサイズ感がほどよい地域です。人口は約8500人で、移住してくる人が年々増えています。町民の方もユニークな方が多く、自分の問いや考えを常に実践しながら、社会に還元している大人がたくさんいます。

▼今までコース講師を担当してくださったみなさん(コースの講師は調整中です)

写真:左から1,2枚目 畠田大詩さん  3枚目 和田北斗さん

長期コースでは東川町に長期間暮らし、町にある資源や関係性を活用しながら、学びを自分たちでつくっていきます。

町民の方に実際にインタビューをしてみたり、町民の皆さんと対話するワークショップを企画してみることもできるかもしれない。ぜひ、この町でみなさんの問いからちいさなアクションを起こしてみてください。

同じコースの仲間や町民のみなさんを巻き込みながら実験することで、より「自分の問いやアクション社会にどうインパクトをもたらすのか?」を手触り感を持って感じられるはず。 実験から、自分と社会との持続可能な接続方法を一緒に探究しましょう。

そして、みなさんの問いと実験は、きっと仲間たちや町民のみなさんたちにとっても、気づきや学びの種になります。自分の問いが自分だけのものではなく、誰かが社会を捉え直す問いに変化していきます。


一緒にコースをつくりませんか?

今回の長期コースはCompathにとっても大きな挑戦と実験となります。人生の数ヶ月、この新しい形の学びに、自分の貴重な時間を費やす文化を作れるのか?その学びにはどんな環境や要素が必要なのか? 私たちも問いを持っています。

このコースを、みなさんと一緒に学びを「共に」つくっていきたい。このCompathの実験にも面白がりながら、長期コースに参加してくれる仲間を探しています。

まだスケジュールや授業の詳細が出ていない中ではありますが、このnoteを見て、ピンと来た方がいたら、感想やリクエストを教えてもらえませんか?コースに参加できるかどうかは分からなくて大丈夫です。運営メンバーと、お話ししましょう。

 まずは、Compathのこと、フォルケホイスコーレ、東川町のことが知りたいという方は、オンラインおしゃべり会(説明会)も隔週ペースで開催しています。Compathの空気感も感じられると思うので、ぜひ気軽に遊びに来てください。

実際のスケジュールやプログラムの詳細に関しては、来月7月に今後noteやSNSにて発信予定です。気になる方は各SNSをフォローして、情報を受け取ってもらえると嬉しいです。

これから一緒に実験を楽しめる仲間と出会えることに運営メンバーはとてもわくわくしています。みなさんとぜひゆるりとお話しできると嬉しいです。


サムネイル写真:畠田大詩さん


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