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畑の”太陽熱利用土壌消毒”やってみました

太陽熱のエネルギーを利用して病害虫の防除を行う”太陽熱利用土壌消毒”は、消毒と言っても薬剤を使うわけではなく、安心安全の土壌消毒方法です。宮崎県などの高温地帯では、夏の高温とハウスを利用して病害虫や雑草の駆除を行い、秋冬向けに畑を準備をしていたそうです。

太陽熱利用土壌消毒のメリット

①土壌中の雑草の種子を殺し、雑草が生えにくい環境にする
②土壌中の害虫の卵、幼虫、さなぎなどの駆除
 (キスジノミハムシ、ネキリムシ、センチュウ類、カブラハバチ 等)
③土壌中に残る病原菌駆除
 (半身萎凋病、半枯れ病、苗立枯れ病、つる割れ病、萎黄病、青枯れ病、根こぶ病 等)
④土壌の良い微生物を残して消毒ができる
⑤有機JAS認証の規定から外れず有機栽培ができる
⑤農薬のコスト削減

土壌消毒に最も効果的だった農薬「臭化メチル」は、温室効果ガスにあたり地球温暖化対策によって使用禁止となりました。現在はクロピクリンなどの土壌燻蒸(くんじょう)剤が使われていますが、当然のことながら農薬は土壌中のたくさんの良い微生物まで殺してしまいます。今は有機栽培のニーズが高まっていることから、代替方法として研究が進み、全国に広まっていった方法が”太陽熱利用土壌消毒”です。太陽熱利用土壌消毒を行う前と後では、同じ圃場で肥料の量を約2割削減出来たという研究結果もあるそうです。

太陽熱利用土壌消毒の方法

一番適している時期は一年で一番暑い時期(7月中旬〜9月上旬まで)となります。透明マルチやビニールシートを張る前に、土壌を十分に灌水(かんすい)しておく必要がある為、梅雨明けや雨上がりなどに行うと灌水の労力が省けます。消毒期間は3週間程度で、土壌温度を60℃以上に保つことで効果が出ます。

◉手順
①圃場全体を耕作し、次作の栽培計画に合わせて畝立てします。
②灌水します。
土壌中へ熱が伝わりやすくするために、圃場全体へ十分な灌水をします。
※晴れ続きで土壌が乾いた状態で行うと大変な労力です。
梅雨明け後や雨上がりに行うことをおすすめします。
③土壌を十分に灌水した後に透明マルチやビニールシートで土壌の表面を覆います。
使い古しのマルチやビニールシートを活用するとコスト削減に!その際は破れている箇所をしっかり塞いでから使用してください。
④2〜3週間後に消毒期間が終わり、ビニールを除去し、種まき・定植を行います。土壌の表面が固まりきらない程度の乾き具合がベストタイミングです。

実際にやってみました!

以前から気になっていた土壌消毒。なるべく薬剤を利用せずに病害虫や雑草の防除を出来たら…と考えていました。今、受講中の就農スクールで”太陽熱利用土壌消毒”の方法がレクチャーされたため、自分の圃場でも行ってみました。

行ったのはお盆明けの8月下旬。連日の晴れ&酷暑により圃場はカラカラに乾燥。

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圃場にひたすら水を撒き続け、透明マルチ張り。水撒きシーンは写真撮り忘れました…

これで50㎡分くらいです。

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当日は気温が38℃予想の危険な暑さ。一旦ここまでにして次回は雨上がりにやる予定にして終了しました。

まとめ

低コストで安心安全な方法の”太陽熱利用土壌消毒”。施肥肥料も減らせるという研究結果があるため、有機栽培だけでなく慣行栽培にも活用できる土壌消毒方法です。雨上がりなどの時期を利用してぜひ皆様もチャレンジしてみてください。

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