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ギラギラな日々

 長かった梅雨も明け、夏らしい日が続いています。例年とは少し様子が異なる日々ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 まずは、ご報告と御礼から。翻訳家・平野曉人さんをお招きして開催するこもれびよりVol.12”「訳す」という仕事〜外国語が生業になるまで〜”(8月15日)は、おかげさまで多数のお申し込みをいただき、満席となりました。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
 当日お越しいただく皆さま、どうぞお楽しみに。また、残念ながら満席でお越しになれない皆さまは、後日公開予定のイベントレポートで当日の様子をお伝えできればと思っておりますので、そちらをお待ちいただけますと幸いです。

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 さて、梅雨が明けた途端に太陽が元気になり、ギラギラな日々です。それはそれとして、このところ私は週に一度、夜もギラギラな時間を過ごしています。ただし、この場合の「ギラギラ」は太陽ではなく、「ギリシア語とラテン語」のこと。

 文学部で西洋哲学を専攻していた頃、西洋古典語を読めるようになりたいな、いや、読めるようにならないといけないな、と思い、それぞれ参考書を買ってきて勉強し始めたものの、案の定挫折。
 それから気づけば10年近くが経過しました。その間、中国語学習は継続していましたし(しかし、何年経っても永遠の初学者)、フランス語学習を始めたりしましたが、古典語には手を出さずじまい。「まぁ、いつかは…」くらいの気持ちでした。

 それが、昨年から立て続けに様々な出会いがあり、古典語ができる友人・知り合いが増えました。こもれびで、ラテン語のイベント『星の王子さま』のイベントが開かれたことも、私の中の「古典語機運」を高めるのに一役買ったことは間違いありません。
 そして、今年の春の「自粛」期間がやってきました。家にいる時間が増え、人と会うのはオンライン。はじめはそうした環境に慣れるのに一生懸命でしたが、しばらくして慣れてみると、あることに気づきます。

 「オンラインで古典語勉強会ができるのではないか」。

 「自粛」期間が始まる前から、とある友人と「各人が興味のあるテーマを持ち寄って勉強会ができる”場”が作れたらいいね」と話していたのですが、その友人とオンラインでおしゃべりしている中で、彼が「オンライン勉強会」を思いついた、というのが事の真相(だと記憶しています)。なので、私はそのアイディアに乗っかっただけなのですが、ともあれ、試験的に、二人で勉強会を始めてみることにしました。

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 ここからはちょっとした笑い話。友人はラテン語既習者で、いわば「ラテン語ができる人」です。対する私が「ギリシア語ができる人」であれば、お互いに教え合えるのですが、前述したように私はただの「ギリシア語を諦めた人」でしかありません(今年のGW後に余所でギリシア語の知識を仕入れてくる計画があったのですが、様々な事情で頓挫してしまいました)。
 そのため、ラテン語については「教える側—教えられる側」という関係が成立していますが、ギリシア語については「二人ともゼロから学ぶ」という状況です。まさしく、暗中模索。

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 閑話休題。なにはともあれ始まった古典語勉強会。1回の会で、まずギリシア語をやり、それからラテン語をやり、という形で既に5回ほど開催しました。ラテン語はさておき、ギリシア語はようやくアルファベットに慣れ、といったところです。同時(というか交互)に学ぶことで、見えてくることもあります。例えば、ラテン語の前置詞inは奪格支配ですが、それに相当するギリシア語の前置詞enは、ギリシア語には奪格がないため与格支配になる、など。『ラテン語とギリシア語を同時に学ぶ』(小倉博行、2015年、白水社)という本がありますが、さすがにはじめからこれで学ぶのは難しいかもしれませんが、それぞれを他の教材で勉強しながら、時折この本で知識を整理してみると面白いかもしれません。

 オンラインでの勉強会というのが上手くいくものなのか、はじめは心配した部分もありましたが、参加者全員が同じテキストを手元に置いて、「今日はこの教材のここからここまでを扱います」と事前に決めておけば、何ら支障なく進められることが分かりました。
 「特別な夏」とやらを本当に特別にしてやろうじゃないか、という気概をお持ちの皆さま、「オンライン勉強会」などいかがでしょうか。ちなみに、いきなり大人数ではじめても良いのでしょうが、まずは、顔見知り同士で小さく始めて、会の進行手順などをある程度確立させた上で、他の方をお誘いする方が良いかもしれません(ちなみに、我々の「古典語勉強会」は、5回目が経過したあたりでようやく、スタイルが固まってきました…笑)。

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 最後に一つ宣伝をさせてください。
 勉強会ではなく、もっと気楽な読書会へのお誘いです。

 ヴァージニア・ウルフに『フラッシュ』という小品がありまして、先月から月に2回、これの原文(英語)を読んでみる読書会を開催しています(語学塾こもれびの教室およびオンラインでの同時開催)。

 8月は8日(土)と22日(土)の開催で、時間はいずれも19時30分〜21時30分です。よろしければ、ぜひ。お申し込みは、以下のPeatix経由、もしくはcommorebi.books@gmail.comまでどうぞ。

8/8 【会場&オンライン開催】「原文を味わってみる読書会」第9回 ウルフ『フラッシュ』(その3)

8/22 【会場&オンライン開催】「原文を味わってみる読書会」第10回 ウルフ『フラッシュ』(その4)

(編注:9月も引き続き、『フラッシュ』の読書会を開催する予定です。詳細については後日、Twitter( https://twitter.com/commorebi_books )やPeatix( https://commorebi-books.peatix.com/ )でお知らせします。)


(2020.8.7 秋本)


転載元:語学塾こもれび スタッフブログ


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