見出し画像

「どのようなOKRを立てればよいか」を経営計画から考えるーOKR設定ワークつきー

OKRを導入後、最初のつまづきは「どのようなOKRを設定すれば良いかわからない」ことではないでしょうか。
そこで「どのようなOKRを立てればよいか」について考えてみました。
ピンポイントな「OKRチェックリスト」のようなナレッジもありますが、今回はそうではなく、経営計画(ゴール)から落とし込んだ文脈としてのOKRについてです。

経営計画達成のためのOKR

経営計画、皆様はどのように作成されていますでしょうか。

OKRを立てる際、設定する期間を年間・四半期どちらにするにせよ、経営計画がインプットになると思います。
それでは、経営計画とOKRの関係性はどうなっているのでしょうか。

経営計画におけるOKRの位置付け

あくまで一例ですが、経営計画からKPIまでのピラミッドを作成すると、OKRはこのように位置付けられます。

サービス企画 - Frame 22

長期経営計画で7年の達成を目指しているものをVision、中期経営計画で3年の達成を目指しているものをMission、それを踏まえ今期1年で達成したい戦略があるとし、そこから四半期で達成したいものがOKR、そこから週次で目指すKPI(重要業績評価指標)があります。

当然、組織ごとにVision、Mission、戦略の言葉の意味合いは違うとは思いますが、長期経営計画→中期経営計画→年間計画と落としていくことは一般的で、その上でOKRが設定されることになると思います。

つまり、OKRが急に0→1で出てくるわけではなく、OKRで達成すべき成果は何か=どのようなOKRを設定すべきかは当然、上位の経営計画(Vision/Mission/戦略)に依存します。

『Measure What Matters』(重要なことを測る)

良いOKRを考える上では必然的に組織のコンテキスト(組織の置かれている状況とVision/Mission/戦略)が重要になります。

OKR指南書として有名なこちらの書籍でも組織のコンテキストごとにケーススタディでOKR事例を紹介しています。

OKRそのものだけについて書かれた本ではないので、本書を「読みにくい」と感じられた方もおられると思いますが、OKRをどのようにワークさせるかを説明しようとすると、コンテキストを説明するしかないのです。

書籍の中から1つケーススタディを紹介させていただきます。

文化変革 ー ルメリスのケーススタディ

日本企業がOKRを導入する際、前例となる文化が存在せず、文化面に抵抗を持たれる組織が多いのではないでしょうか。
そんなとき参考になるのは第18章 文化、第19章 文化の変革ールメリスのケーススタディです。

第18章では傑出した成果を出すため「協力と責任」の文化を構築する必要性が、第19章では医療系IT企業ルメリスがOKRの運用がうまくいっていない状況から、文化の変革に奮闘する様子が描かれています。

OKRがなぜ事業に必要かを理解していた社員はほとんどいなかった。経営陣も明確にOKRを支持していなかった。何より、OKRを適切に運用する責任が誰にも付与されていなかった。
前出 P.317

ルメリスのbofore(変革前)はOKR運用がうまくいっていない企業に代表的な状態ではないでしょうか。

画像2

ルメリスのMissionはビジネスモデルの転換でした。
従来の医療保険の出来高払い・従量制の「病人の治療をベースとする」モデルから、病気の予防にインセンティブを与え、不要な検査や入院を抑制する医療システムの実現です。

その実現に向かうにあたり、組織内の2つの対立する文化(リスクを嫌う/挑戦する)を統合し、社内の共通言語として、全社員の目標を結びつけるため、OKRを導入しました。

その変革方法は徹底的であり、行動指針に沿わないリーダーの解雇や人事部門の社員85%入れ替え、従業員ひとりひとりとの対話から始まり、3年がかりで中間管理職の強化を行うの大掛かりなものでした。

そこで設定されていたOKRがこちらです。

Objective
Aクラスの人材を引き寄せ、維持する文化を確立する
Key Results
1、Aクラスのマネージャーやリーダーの採用に注力する
2、Aクラスの人材を獲得するため採用部門を最適化する
3、全ての職務書を磨き上げる
4、面接プロセスに関わる全員に再研修を実施する
5、継続的メンタリングとコーチングの機会を確実に提供する
6、新規及び既存の社員能力開発に向けて学習する文化を確立する
前出 P.321

KRがかなり大掛かりかつ、定量的になっていませんが、このOKRにより、組織の最も重要な目標とその主要な結果が明確になっています。(ただ、文化変革フェーズでの過渡期のOKRであることは間違いありません)

痛みを伴いながらも文化変革を推進したのは「OKRを導入する」ことが目的ではなく、上位のMission達成のため、文化変革が戦略に設定されていたからです。

なぜOKRか?」を明確にすることと、OKRに設定されてい内容、つまりOKRに設定すべき内容には強い関連性があります。

OKR設定ワーク

そこで「どのようなOKRを立てれば良いか」を考えるためのOKR設定ワークを作成してみました。
すでに経営計画があった上で取り組む内容になっています。

ステップ1 組織の全体像を整理する
・組織のミッションは何か?
・ミッションを達成できない課題は何か?
・課題解決のためにどのような戦略をとるか?

ステップ2 OKRを取り入れる目的を共有する
・その上で、なぜOKRを組織に取り入れるか?

ステップ3 OKRを設定する
・最も重要な目標(Objective)は何か?
・Objectiveを達成するために、シンプルに考え現状最も可能性の高い主要な結果指標(Key Results)は何か?

上記の質問に答えることができれば、「どのようなOKRを立てればよいか」わかるでしょう。
Objectiveまでは設定でき、Key Resultsの設定について悩まれている方もいらっしゃると思います。

良いKey Resultsについては別の記事で検討しようと思いますが、基本的には最初から指標が見えていればそれを設定すれば良いし、見えていなければ現状最も可能性の高い指標を設定し、進めながら成果が出るか見直し、最適化するしか方法はないと考えています。

経営計画と関連したOKRを設定することで、経営計画の理解と浸透、自分ごと化が進む効果が期待できます。

少しでもOKRを設定するヒントになれば幸いです。

---
三恵クリエスでは簡単にOKR導入をサポートしてくれるOKR管理ツール『Commita(コミッタ)』を開発しています!
少しでもご興味をお持ちになりましたらぜひお問い合わせください。

サービスサイト、β版申し込みはこちら↓

サービスに興味のある方お問い合わせください!↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?