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『かわいいの本音と本質』【髪】
「玉鬘」とは毛髪の美称辞。毛髪は自分の意に反して伸び続ける事から、文学では古来「どうにもならない事」「運命」を象徴する。『源氏物語』に登場する玉鬘も数奇な運命と自らの美しさが引き起こす騒動に翻弄され続けた女性である。また、平安時代には長い髪の美しさは女性の美そのものであった。以上の事から玉鬘は、作者・紫式部が物語に張りめぐらせた伏線の妙を伝える登場人物とも言える。
髪の美しい人といえば『源氏物語』の玉鬘(たまかずら)
ある意味で自身の弱さを強さに変えた女性でもあります。
髪は女の命?
昔から「髪は女の命」とはよく言うけれど、なぜそれほどまでに髪が大切なのだろうか?ぐらいにしか思っていなくて、若いころなどは髪の手入れになんか全く気を使っていなかった。
余談だが、黒檀で作られた昔ながらの花嫁道具として母が持たされた大きなドレッサーが子どもの頃の家にあって、二間しか無い小さな社宅の小さな部屋にあるそれは、あまりにも不釣り合いで異様な存在感を放っていた。
しかし、恐らく小学校4年生くらいの頃までだったろうか。
朝、学校に行く前の少しの時間、このドレッサーの前で私の母は丁寧に私の髪を梳かしてくれた。子どもの髪というものは往々にして細く、やわく、絡まりやすい。
髪を櫛で梳かすというというのは、もしかすると「小さく弱弱しい命を守りたい、自身にも強くあってほしい」という母から娘へ宛てた、祈りにも似たおまじないなのかもしれない。
なんて事を今になってふと思う。
話は本題
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