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【体験談】華やかなケーキ屋さんの裏側(クリスマスという名の戦争)

ちょっと時期は過ぎましたが、毎年冬が来るたび思い出す前職時代のクリスマス商戦について書いてみたいな~と思います。

プロフィールにも書いていますが、前職は全国チェーンの洋菓子店の店長をしていました!契約社員からスタートして約5年、店長としては3年くらい働きました。

寒くなるにつれ毎年やってくる焦燥感

どの業界にも繁忙期はあると思いますが、洋菓子店は特に秋以降にイベントが目白押しで、ハロウィン以降はほぼ息つく暇もなく母の日あたりまで駆け抜けることになります。

10月 ハロウィン🎃
11月 クリスマス予約開始📒
12月 お歳暮&クリスマス🎅
1月 お年賀🎍
2月 バレンタイン🍫
3月 ひなまつり&ホワイトデー🎎
4月 ちょっと一息
5月 母の日💐
・・・とまぁこんな感じなので、10月に入って涼しくなってくると、やばい冬が来る~!準備しなきゃ~~!!ってなってました。(ケーキの発注数とかは10月には全部決めて本部へ提出しなきゃいけなかったり、早めに人員体制を考えたりする必要があるのです。)

この感覚はもはやトラウマレベルで、転職後も数年は引きずってました。店長時代は帰りが遅く、ちょうど夜空にオリオン座が見える時期だったので、今でもオリオン座を見るとぶわっと複雑な気持ちが押し寄せます🌌

世間から断絶される1週間

私がいた店舗は都市部の駅ビルの中だったので終電はけっこう遅く、普段は閉店して片付け終わったら22時過ぎ、そこから1人で事務仕事して0時すぎたころに慌てて帰る、というのが日常でした。

ただクリスマスは閉店までもうしっちゃかめっちゃかなので、バイトの子入れて総勢10名以上で片付けしても0時前。社員2~3名はそこからさらにレジ締めや翌日の準備、事務仕事などが残っているので終電どころではありません。

そのため、毎年20日~26日くらいの期間は店舗の近くのビジネスホテルを取り、泊まり込みでした(ちゃんと経費は出ました!)でも悲しいことにこのホテル、途中からほとんど荷物置きと化してしまいます。。

23日にもなると退勤できるのが2時過ぎ。ボロボロになりながらコンビニで夜食を買いホテルでむしゃむしゃ食べて、シャワーを浴びると3時くらい。23~25日は朝の納品が5~6時くらいで、その時間には店にいないといけないので、5時前にはホテルを出ることになります。ほとんど寝れない・・・💤

疲れきっていてニュースを見たりSNSを覗く元気もないので、毎年クリスマスが終わって久々にテレビを見ると、世間の情報から遮断されすぎていて何も分からず、1週間記憶を失っていた人みたいになります。笑

華やかな接客の裏側で

自分の話ばかり書いちゃいましたが、社員はクリスマスが始まってしまえばしょせんは裏方。在庫管理に商品や資材の補充、休憩回したりトラブル対応etc.・・・。実際にはこの期間の店を担っているのは、接客に立つバイトの子たちです。
いつもの頼りになるメンバーから、クリスマスだけ来てくれる派遣の子。みんなクリスマスに働きたくなんかないだろうに、朝8時前に来て、ほぼ全員が最後の片づけまで残ってがむしゃらに働いてくれます(そうしないと回らないんです泣)。

私のいた店では営業時間は約12時間。ケーキ以外に焼き菓子もあり、クリスマス期間だけの予約の受け渡しや臨時の催事販売などもあります。売り場によって負担が違うのでうまく分担しつつも、2時間程度の休憩以外はず~~~~~っと立ちっぱなしの販売。

販売経験のある方なら分かるかと思いますが、立ちっぱなしと言っても動き回る業務と、まったく動かない仁王立ちのような業務では足の疲れ方が全然違うんですよね。
ケーキ屋さんって基本カウンターだし店も狭いし、ほとんど動かない。それでも普段は補充とかレジ打ちのためにちょこちょこ歩くんですが、クリスマスのピーク時は完全分業制(レジ打ち担当がいます)。販売のカウンターに立つ子は数時間ぶっ通しで接客します。
注文聞いてメモして、金額計算して提示して、ケーキを取って箱に詰めて、レジにお金のトレーをパスしてケーキ箱を袋に入れて、お釣り返して商品渡したら「次のお客様~」って呼んで注文聞いて・・・の無限ループ。

もちろん動き回るお仕事は体力めっちゃ使うと思いますが、まったく動かないとそれはそれでもう足がパンッパン!!接客で喉もカラッカラ!!(水飲むのも忘れる。)私は2年目以降はずっと裏方ですが、ベテランのバイトの子はこんなハードなバイトと知りながらよく続けてくれるな・・・とほんともう頭が上がりません。。

「キラキラしてて美味しいスイーツに囲まれて幸せそう✨」というケーキ屋さんのイメージや憧れは、消えてほしくないし私も持ってましたが、なにせ作るのも売るのも体力勝負。。どの職業もそうですが、見た目通りとはいかないですよね。

25日の朝はもはやランナーズハイ

私が退職する直前のクリスマスの思い出話。クリスマスケーキの売れ行きピークは12月24日のクリスマスイブ。これは曜日回りがどうであろうが、絶対揺るがない真実って感じでした。なので25日の朝なんてもうみんな灰になりかけの状態で、オープンまでに必死に店頭にケーキを並べます🍰

そして工場の人も疲れていたのか、納品されたサンタさんの形のケーキがみんなちょっとずつ傾いていて、トレーに並んだ姿がチューチュートレインのダンスしてるみたいに見えたんです🕺💃笑
一度言われたらそれにしか見えず、スタッフみんなで大爆笑したのがすごく記憶に残っています。もはやランナーズハイ。時間に追われていたのを一瞬忘れてみんなケラケラ笑ってました笑

表紙の写真みたいな、キラキラしたディスプレイが出来上がったのを眺めるがすごい好きだったなぁ~😊

想像力を持って、優しく接したい

書きたい気持ちだけ溢れて、まとまらない文章になってしまいましたが、私が言いたかったことは単純で、どんな仕事でも見えないところでの苦労が絶対あるから、それを想像できる人でありたいなということです。

クリスマスのケーキ屋さんなんてどこも行列で待たされるし、ちょっとミスする店員さんもいるかもしれない。そんなときこの記事を思い出してスッと優しい気持ちになる人が一人でもいたら嬉しいな~と思います。
クリスマス関係なく、今だとコロナもあってどこもすごく大変だと思うし、そんな中働いてくれてるだけですごいなと思うのです。。感謝~🙏

最後まで読んでくださってありがとうございます!!みんな少しでもストレスフリーに過ごせますように🌠

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