【就活生・新社会人に伝えたい①】はたらく楽しさの本質
「働いて楽しいことを教えてください」
私は週30件~50件面接をしていますが、よく面接で、「働いていて楽しいと思うのはどんな時ですか?」って聞かれることがあります。
なかなか抽象的でどうこたえるか難しいとことではあるのですが、そもそも仕事の楽しさの本質って何か、という話から始めることが多いです。
最近、ワークライフインテグレーションという言葉をよく聞くようになりました。
私はもともとワークライフバランスという言葉が嫌いでした。
仕事はつらくて、プライベートはたのしいというニュアンスが内包されているように感じるからです。私は仕事が好きだし、人生や日々の生活のどこを切り取るかだけの話なので、そもそも苦楽のバランスをとるというような考え方が好きではありません。
その前提で、仕事の何が楽しいのか、私なりの考えをお伝えします。
好きなこと、得意なことを極めれば楽しいのか
・好きなことを仕事にする
・得意なことを極めていく
これも楽しいと思います。
ただ、これだけでは自分の場合は足りない。一番ぴったりくる表現は「プロのアスリートが感じる楽しさ」だと思います。
何かというと、
好きなこと、得意なことの延長線上で結果を出すことよりも、
苦手や未知の領域にチャレンジすることや、全く勝てなかった相手を攻略できた、つまり自分の成長を感じられたときに、本当の楽しさを感じられると思うのです。
昔からの得意技を繰り返し披露して、戦いやすい相手に勝てることはある意味、「当たり前のこと」であって、当たり前のことをこなして満足するなら「作業」と一緒だと思います。
「作業」をクリアすれば一定の達成感は得られます。ただ、成長実感は得られるでしょうか。
『成長』はそう簡単に感じられない
昔、尊敬していた前職の社長に、
難しいミッションや仕事をしているのだから、成長はそんなに簡単に感じられない。と言われてうまく成果を出せずにもやもやしていた自分がハッとさせられ、同時に強く勇気づけられた記憶があります。
だから、自分ができなかったことができるようになる、この振り幅が大きければ大きいほど、成長実感を感じられるし、こういうチャレンジの機会にいかにたくさん触れられるかが、人を育てるうえでもとても大事だということです。
つまり、自分の思い通りにならない、予測できない、それを攻略するプロセスこそが仕事の楽しさだと思います。
組織が成長するための条件
また、少し話は逸れますが、組織として持続的に成長できるかどうか、もプロのアスリートチームを比較するとわかりやすいです。
個人プレイヤーとしていくら優れていても、チームとして強く、勝ち続けられるかはまた別の話です。至極当然ですが、サッカーのチームが全員フォワードでは成り立たないし、バレーボールのチームが全員アタッカーでも成立しない。動きは少なくてもキーパーやリベロなどの唯一無二の役割を果たすものもいて、チームとして機能するわけです。
つまり、共通の目標を持ったうえで、個性や役割、強みと戦い方を掛け合わせるからこそ、チームとして勝ち続けられます。そしてお互いにリスペクトし、凸凹を補い合う。全員が全く同じ役割を果たしたところで、生産性が上がるわけではないし、勝てるわけではないということを認識しなければいけません。
というわけで、私は人事という仕事、そしてマネジメントの立場として、個性を活かし、たくさんのトライエラーを小さく速く回し、フィードバックにより成長できる環境を提供し、リスペクトしあえるチームを作り続け、本当の働く楽しさを味わってほしいと思っています。
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