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『彼女たちの20代』を読み終えて


本を読むのが好きでもなければ、嫌いでもない。

漫画や映画の字幕、雑誌の記事であったり携帯小説など、「本を読むのが好き」という強い意志を持たずして

心の赴くままに文字を言葉を、読み、触れる。


そんな私が最近見つけた「出会えてよかった!」と思えた本がある。


きっかけは、本屋さんにフラッと寄った日。

なんとなく、ピンとくる本との出会いを求めていた。

商業施設の中にある大型書店に入ったので、色々なジャンルの本や雑誌などが大量に置かれている。イコール、今の私にぴったりな本と出会える確率は低かった。

本屋さんの中にカフェもあるため、人がたくさんいて、研ぎ澄まされる感覚もあまり鋭くなれない。


それでも「ピンとくる本ないかなぁ」とお店の中をぐるぐると何周か歩き回っていた。

そしてついに、触ってみたくなるような本を見つけた。


その本の表紙は品を兼ねそろえた深みのあるボルドー色で、題名の文字は白く、その本を手にするだけで美が高まるんじゃないかと思うくらいにとても魅力的で、私は吸い寄せられた。



『彼女たちの20代』という本だった。



手にとって表紙に触れた。


これは、セミマットだ。

表紙の素材を表す言葉のボキャブラリーが、セミマットしか浮かばなかった。


が、表紙をめくった瞬間に更にときめいた。

なんと「見返し」という部分に、細かいチェック柄のエンボス加工がされていたのだ。


HOOOW!

心の中の私がテンション高く叫んだ。



中身の雰囲気を知りたかったので、そのままペラペラとページを捲ると、これまた品のある文字フォントで、興味が惹かれる内容が綴られており、私はすぐにレジへ向かった。



美しいこだわりとセンス、そして愛がこもってる本だ!と確信した。


帰宅後、お風呂に入って身も心も浄化し、いざ!



ページをめくるとプロローグを読む前に「ごあいさつ」という冊子が入っていた。


なんと、著者の娘さんが『彼女たちの20代』の作成に関わっているようで、母娘でお互いを励まし切磋琢磨し合っているとても良い関係なのだなと心が温かくなる。



そしてプロローグから始まり、合計13名の有名な女性たちの20代を覗かせていただく大変貴重な内容だった。


「あの女優さん好きやねんな」「あぁ知ってる、名前聞いたことある」というレベルの興味だけでは、絶対に辿り着けないであろう境地にある、13名の歴史を知れた。


今はなんでもネットで調べれるし。なんていう言葉をぶん殴りたいくらいに、丹念に丁寧に一人一人と向き合って書かれた本なんだなと感じた。


本を読み進めていき、感じたことがある。


私は2度の結婚と離婚を経験していて、
この経験にコンプレックスを感じているのだが、(過去の記事『ゆるゆる』をチェックしてみてね。)



美しい彼女たちにも辛く悲しい出来事や、時代的に避けれないこと、読んでいて涙が出るような苦しい体験をされていて、



現代の戦争のない平和を願う日本に生まれた、私のコンプレックスがゴマのように小さく思えた。


今までも「こういう経験してるのは私だけではない。私はまだ恵まれいる方だ」と思ったことがある。

だけど『彼女たちの20代』を読んで改めて、今まで以上に、コンプレックスがゴマに見えたのだ。

これは自己否定でも自虐でも卑下でもなく

私の経験が恥ではなく更なる"強み"に変わった。

自分の過去が世間からどう思われるのかは十分に理解してる。それでも、明るく前向きに自分の強みなんだと捉えれた。


私の心は嬉しさに震えていて、本に感謝のキスをしたいくらいだった。



13名の波瀾万丈で素晴らしい生き様はもちろんのこと、
リスペクトがずっと感じられる温かい文に、文字列の間隔や文字のフォント、見出し文字を囲っている模様など、品性と美を浴び続けて最後のあとがきまですぐに読み終えた。




読み終わったあとすぐに、著者の山口路子さんを調べて、同時に出版社のブルーモーメントも調べる。

インスタをフォローした。

ファンになった。

最近、鮮やかな青い表紙の新しい本を刊行されたようなのでぜひ読みたいと思っています。





娘が今後、20歳前後で人生に行き詰まりを感じたり、苦い経験をした時に『彼女たちの20代』という本をそっと手渡したい。


男性女性に関わらず、どなた様も何かを感じ、明るく前向きに意欲が湧いて、
バラバラでとっ散らかっていた心が落ち着く本だと思います。





私のお気に入りの本と栞を添えて。





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