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このご時世にライブに行った話。

数あるイベントが軒並み中止され、日常へと戻る事の目処も立つ事のない今。

少しでも日常を取り戻そうと、試験的にイベント等が再開しつつある。


そうして軒並み中止になり、ましてや今年の大型公演の全てを中止すると発表したジャニーズ事務所の再開ライブ第1号にこの度参加してまいりました。


そのライブは、所謂ライブハウスという所で行われ普段オールスタンディングであれば、2000人程が収容出来る場所だ。

しかし今回は座席を用意し、1200人程度が収容出来る規模へと縮小。

更に昨今の影響を受け、ソーシャルディスタンスをばちぼこに取り、前後、左右は1つずつ席が空いている仕様。

それをスペシャルシートと銘打って、好きなアイドル達の顔うちわや応援うちわを置いてね!なんて、可愛い男の子の声でアナウンスしてくれる。

なんだろう 夢みたいな空間。


………はっ。


そうして600人程度を収容出来る規模に縮小し、そのコンサートは開催された。


入場前の整列からソーシャルディスタンスを守るように呼びかけられ、普段ならダラダラと入場させる来場者を30分毎に振り分けゆっくりと入場していく。

そして入場する前に、こちらもまたソーシャルディスタンスを保ち整列し、接触確認アプリ cocoaをインストールされている事を確認され、アプリの接触してませんよ!の画面をスタッフさんに見せつつ検温をしてもらう。

そしていよいよ入場である。

チケットはデジタルチケットで入場時に紙のチケットと引き換えてもらい座席を確認。


普段、大阪城ホールや大阪松竹座で公演している彼等達を見るには、そこのライブハウスはあまりにも狭く、座席が縮小されている事もありどこを取っても神席と言われる所になる。

しかし、それでも列によって優劣があるので、チケットを手にした若い女の子達は思わず「キャーー!!」と声をあげてしまう。


するとすかさずスタッフさんが飛んで来て「静かにしてください!!」と近くで囁いていた。徹底している。


そして入場時にはたっぷりのアルコールをスタッフさんが噴射してくれた。これは人によってアルコールの量に差が出ない為であろう。

職場で推奨されている、1番下まで押し切るという量であるその量は両手をびちゃびちゃに濡らした。

これもまた徹底だな、と少し驚いた。


そして座席につくと、その座席にはビニール袋に入った、その名も

スマイルアップシールド


が用意されていた。


それは所謂フェイスガードであるが、普通のフェイスガードと違うのはマスクの部分が空いているのだ。

マスクの部分は空いており、スマイルアップシールドにマスクの紐を通し装着する。

するとどうだろう。後ろで「こんなん恥ずかしいわー」「つけたくないわー!」とわーわー言っていた女子高生までもがキチンと装置し、舞台に上がる子達からはどんな光景なんだろう…と思う程に観客の全員がスマイルアップシールドを装着していた。


もちろん開演前に、スマイルアップシールドをつけたスタッフさん達が会場を見回り、着けてない人を見つけては「開演までに必ずスマイルアップシールドをつけてください!」と伝えに来る徹底ぶり。


そして、それを確認したのかコンサートの幕が上がった。


久しぶりに見る彼達は、以前と変わらないキラキラとした少年と青年の狭間で危うい可愛さを醸し出しながら1曲目を歌い上げた。

久しぶりに見るアイドルに心が踊った。心から楽しそうに踊り、アイドルを全うする普段男子高校生の彼達は、儚くて脆くて今にも消えてしまいそうな、でも確かに強い輝きを持って踊る。

まだそんなダンス、歌詞は早いよ!なんて思う曲から、ピッタリ似合う王道のアイドルソングまでを歌い上げ僅か1時間半ちょっとの時間は刹那の如く過ぎ去った。


あっという間に終わりの時間だった。公演後はこの大きさのハコならあり得ない、規制退場での退場だった。

密にならないように2、3列毎に1階席、2階席と交互に退場させていく。

光が反射して見にくいなーなんて思っていたスマイルアップシールドの事なんてすっかり忘れて公演に夢中になっていた。

たまにおデコが痒くなり、掻こうとするとスマイルアップシールドに指がぶつかり、着けている事を思い出す程に。


久しぶりに見たアイドルの彼達の余韻に浸りその日1日凄くいい気分になった。

やっぱりアイドルはいいなあと思うのと同時に、やっぱり生で見れる事の有り難さを再認識した。

開催するに辺り、色々な人達が尽力してくれていたのだろうなあと思うとその人達に頭が上がらない。

この公演を開催しようとゴーサインを出してくれた人も、そのゴーサインが出た故に色々な障害を超えてくれた人も、その公演に関わってくれた全ての人も。

あとはこの公演で陽性者が1人も出ない事を願うだけである。主催者の努力も来場者の努力もどうか報われますように。


さてここで問題です。

この記事内で私は何回スマイルアップシールドと言ったでしょうか?

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