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パニック発作の役割がわかるとパニック発作は離れていく

いきなりの動悸や息切れ、手足の震え、冷や汗、めまい、過呼吸、など。

時間や場所関係なく襲ってくる、パニック発作。

ほとほと嫌になり、疲れ果ててしまった人もいるだろう。

パニック発作は「不安感」「怖さ」という感情がつきものだが、ほぼ四六時中ネガティブな感情を感じていると、心は疲弊してしまう。

さて、そんな疲労困憊になり忌み嫌われるパニック発作だが、あなたにとって重要な役割、それも「身を守る役割」があると言ったら、どう思うだろうか?

「そんなことはない!あんなに苦しくてツラい思いをするのに」

という声が聞こえそうだが、それはもっともなご意見だ。

「なぜ身を守る役割なのに、あんなに苦しい思いをさせるんだ!」

という声も聞こえてきそうだが、もちろんそれにも理由がある。

と、まぁ、いきなりパニック発作はどちらかというと味方かも、と言っても信じられないだろう。

ここからは、少し解説をしていこう。

パニック発作の持つ役割とは

パニック発作はわけもわからずいきなり、それも場所を問わず起こるので、偶然起きたと感じる人もいるかもしれない。

そもそも偶然に身体の不調の一環として起こり、それがいまも続いているだけと考える人もいるだろう。

だが、実はそうではない。

パニック発作があなたに起きたのは偶然ではなく、必然だ。

必然とはどういうことか?それは例えば、あなたはもしかしたら常に我慢を溜め込むタイプかもしれない。

嫌なことがあっても、苦しいことがあっても、悲しいことがあっても、様々なストレスに晒されても、すべて「我慢」という箱に封じ込んで、心の奥にしまってしまうのかもしれない。

または、もしかしたらあなたは他人に対してNOを言えないタイプかもしれない。

他人にNOを言えないがため、色んなことをひとりで抱え込むことになり、モヤモヤしながらも抱えているものをなんとか解決させているのかもしれない。

いまお話した例え話のように、

「本当はこうしたいけど、それができない」
「抱え込みたくないけど、抱え込まざるを得ない」
「周りから嫌われないためには、無理難題でも引き受けないといけない」

など、自分の中になにかマイルールを作り、そのマイルールを尊守していないだろうか?

実は、パニック発作はそういった自分自身に無理難題を課そうとする人間、嫌なことでも抱え込んで自分の気持ちを抑えるつけるような人間が大好きだ。

言ってしまえば、それはパニック発作にとって格好の餌食となる。

だが、餌食とは言いかたが悪かったが逆に考えると、パニック発作というのはそのような無理をしている人間に対しての警告でありアラームである。

「無理をしている、これ以上は壊れる」

ということを痛みをもって知らせている、アラームであると言えるだろう。

パニック発作がなぜ苦しいのか?

「知らせてくれるアラームであれば、もっと優しい方法があるのでは」

と思う人もいるだろう。

あんなに苦しい思いをさせず、もっと穏やかに知らせることができるのではないかと。

そう、それはもっともな意見である。

もっと穏やかに優しく知らせる方法はないのかと。だが、結論から言うと、それは無い。

不安感や怖さ、痛みをもって無理していることを知らせること、それがパニック障害の役割だからだ。

パニック発作はあなたの心を守るためのアラーム

本来、人間は繊細でありとてもデリケートな生き物だ。

傷つきやすく痛みを感じやすいため、そのようなことから逃げるために「逃走本能」が備わっている。

「逃走本能」というのは身体に起こり得る痛みや傷に対してだけではない。心に起こり得る痛みや傷に対してもそれは発揮される。

だが、いまの世の中というのはそのような、自分の身を守るために働く「逃走本能」を発揮しづらい。

常日頃降りかかる様々なストレスから逃げられないような、逃げることができないような、各方向からのプレッシャーに襲われる。

「逃げるが勝ち」と言う言葉もあるように、本来は痛みを伴いそうな危険を感じたとき逃げれば良いのだが、それがままならないのが現状だ。

それは仕事しかり、家事しかり、育児しかり、何かしらの付き合いしかり、プライベートしかり、だろう。

そのような、逃れられない状況が続いていくと、それはいつしかストレスというものに形を変え、自分の胸に溜め込むことになる。

もちろん、なかには自分の胸に溜め込まずそれらを解消できる人もいる。

ストレスの発散がうまかったり、自分なりのストレス解消法を心得ている人だ。

このような人たちは一瞬ストレスを溜めることはあっても、長くは溜め続けない。

どちらかというとパニック発作が寄ってきずらい人たちと言えるだろう。

だが、逆にストレスの発散がうまくなく、ストレス解消も持っていない場合、延々とストレスは溜まり続けていく。

ストレスの逃し場所が無いので溜め込み続けることになり、気がついたらキャパオーバーとなっていることが多い。

そして、そのキャパオーバーに本人はほとんど気がつかない。

そのようなことがずっと続いていくと・・・・。

もうおわかりだろうか。パニック発作がキャパオーバーを知らせるために顔を覗かせてくる。

しかし、多くの人はキャパオーバーの自覚が無いため、いきなりのパニック発作に怯え、不安が充満し、苦しい思いをすることになる。

パニック発作が離れていく条件

自分ではほぼ気づかない溜め込んだストレス。それに一刻も早く気づき、そこからいち早く抜け出すことでパニック発作は離れていく。

逆に溜め込んだストレスに気がつかない、または気づいたとしてもそこから抜け出さないのであれば、パニック発作は延々と襲いかかってくる。

パニック発作やそれに伴う予期不安などを向精神薬で抑えようとする人は多いが、向精神薬は脳の働きを停止させ、思考を働かせないためのものなので、当たり前だが効能が切れたときには再度襲いかかってくる。

パニック発作を向精神薬で止めようとせず、抱えているストレスから抜け出すことを考えて実行しないと、いつまでも同じループにハマり続けるだけだ。

パニック発作がキレイに離れていく条件として、

・抱えているストレスを解消する
・ストレスを抱えてしまう要因や原因となるもの(場所、環境、人など)から一刻も早く離れる
・向精神薬に頼らず呼吸法やパニック発作の対処法などで切り抜ける
・定期的にできれば専門家のカウンセリングを受ける

となっている。

状況や状態によっては難しい場合もあるかもしれない。

だが、それでもトライしてみてほしい。すべてはあなたが救われるために。

改めて言うが、パニック発作自体は敵ではなく、あなたの無理を知らせてくれる存在だ。

感謝まではできないかもしれないが、せめて敵ではないことを理解しておくだけでも、気持ちは楽になるのではないだろうか。


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