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サドベリースクールにお邪魔した感想と記録(寄り道して食べたクレープが本当に美味しかった!!!!)


先日、日本国内に開校するサドベリースクールを見学させていただく機会が、あったので感じたことや考えたことを残しておこうと思います。

まず、サドベリースクールとは


アメリカ、ボストンのサドベリー・バレー・スクールが始めたサドベリー教育に共感し、実践している学校だそうです。ただし、明確な定義はないので、サドベリースクールといっても、それぞれの場所や創設者によって少しずつ違うものと言っても過言ではないと思います。

サドベリー教育ってどんななの?

これは、色々なサイトで説明されておりますので、ここでは、私的に大きな特徴だなと思うところ紹介しますね。

① やりたくなったらやる(個人の自由と選択の自由)
子どもの好奇心に信頼と責任を置いているので、公立校のように時間割はなく、子どもたちは自由に過ごします。子どもたち自身が何かやりたいことや、知りたいことができたとき、どうやってそれを成し遂げるのかを子ども自身が考え、時間の使い方を考えます。
つまり、やりたいことや学びたいことだけではなく、どうやってそれを達成するのかまで、自分で考え行動するそうです。(分かる大人に聞くというのは彼ら自身がその方法を選択した場合に、それを実現するために、大人に教えてもらえないかと提案するみたいな)

うまく言えないのですが、子どもたちが学びたいことを決めて、大人に提案し、どうやったらそれが学べるか大人が考えるということでは、ありません。子どもたちが学びたくなったときのために、大人が予め何か用意をしておくということはありません。
子ども自身に個人の自由と選択の自由を持たせ、どのような道を選んでも、そこには自分自身に責任があるということを明確に打ち出している場所です。

② 司法委員会制度(大人も子どもも同じ一票)
これがすごく大きな特徴だと思います。
簡単にいうと、子どもたち自身が学校の方針、予算、人事、ルールを作るメンバーの一員です。
何か揉め事が起きて新しいルールが必要なときには、全員でミーティングを開いて、話し合い、最終的には多数決で可決を取るそうです。その際には、大人も子どもも同じ一票を持っているので、権利に格差がありません。
大人の人事についても、年に1度子どもたち自身が評価をして、来年度の継続任用か、解雇かを決めるとのことです。
じゃあ、普段から子どもたちのご機嫌とりをしてれば人気を得て辞めさせられないようにできるんじゃない?と思うかもしれませんが、サドベリースクールに通う子どもたちは、そういった大人の心の内をすぐに見抜くそうです。ですから、大人も飾らない自分で正面から関わることが求められると思います。

ざっくりですが、私がサドベリースクールの特徴だなと思うことはこの2つです。他にも異年齢教育や、卒業するタイミングを自分で決める等の特徴はありますが、ご自身でぜひ調べてみてください!

参考にアメリカのサドベリーバレースクールの紹介動画です↓

ここから感想

実際に日本国内にてサドベリースクールを訪ね、お話を伺うことができました。まずは、関係者の皆様に感謝申し上げます。

大前提として、私はサドベリー教育に対してすごく良い印象を抱いています。この考え方や価値観は、今の日本の教育環境が抱える課題の解決に必要だとも思っています。真剣にこの教育について理解をしたいからこそ、ネガティヴな要素を見逃さないようにしていることをわかっていただけますと幸いです。

① 自由と責任を持つことの難しさ
人が生まれながらに持つ好奇心に信頼を置いて、学校の中では自由に過ごしているそうです。子どもたちの大半は、元々公立の学校に通っており、自分自身で選択をしてサドベリースクールに通うことを決めたということです。今まで決められたカリキュラムの中で過ごすことに慣れていた子は、いきなり自由を与えられるとまずはゲームやお菓子に向かう子が多いそうです。学校としては、自由と同時に責任も生まれることを、伝えているので、もちろん問題ありません。

純粋に私が感じたのは、世界に満ちている可能性を知る機会はいつあるんだろうか。ということです。

これは、私自身が感じることですが、小学生の時に自分が知っていた職業というのは日常生活で触れることのあるごく1部のものでした。大人になった今、多くの方と知り合い自分では想像もできなかった生き方をしている人に出会い、こんな生き方をもっと前から知っていれば、子どものときからそこに向かって突き進んでいけたのに。と感じていたこともありました。

子どもも大人も自分自身の生き方に責任をもつべきだという考え方にはすごく共感します。ただ、子どもたちが自分自身で興味を持つまで、やりたいと思うまで、大人は見守るという方法っていうのは、結局その子の家庭や生活環境に左右されると思うので、関わる大人としては無責任と紙一重だと感じます。このバランス感はすごく難しいと私自身今も感じているところです。

② 情報への触れ合いやすさと没頭できる環境
サドベリースクールは、好きなことややりたいことが決まっている子にとっては、最高な環境だと感じます。料理が好きな子は1日中料理に向き合えるし、図工が好きな子は公立学校のように、時間を区切られて、終了時間を強要されることもありません。これは、最高だと思います。
私自身も大人になった今、社会的な制約が少ない子どものときこそ、好きなことや興味をもっていたことに自分が満足するまで向き合う環境にいたかったと感じます。その反動が今になってでているような気がして、一度夢中になると、休みの日は何時間でもそれに向き合わないと気が済みません。

また、今回訪ねたサドベリースクールは、情報が飛び交う都市部にあるので、子どもたちが触れることのできる人やものは多い環境だと感じました。
①に書いたことにもかぶるのですが、重要なのはサドベリースクールの外でどのような環境で子どもたちが生きているのか、ということもあると思います。どうして強くこう感じるのは、現在私が住んでいるのは、いわゆる地方地域と呼ばれる場所で、どこにいくにも車移動が必須な環境だからだと思います。子どもたちだけで何か体験したり、新しい人に会いにいく機会や都市部の子どもたちに比べると格段に少ないのです。
羨ましいなと思ったのは、校外学習なのでしょうか、最新のAIを体験する施設に行った記録だったり、日本の中心を担う大人が働く環境を訪れたり、お昼ご飯をたまにはコンビニで買って食べるといエピソードだったり、そういったことの1つ1つがサドベリースクールの特徴をさらに、深いものにする要素の1つだと感じました。

③ この世界で生き抜くための力
子どもたち自身が、すべて決める。そこには年齢や役職は関係なく、関わる人はすべて同じ重さの1票をもつとのことです。例えば、お金について考える機会は公立小学校では殆どないですよね。かといって、社会にでると必要な知識の1つでもあります。私自身ここが矛盾しているよなと感じてます。
サドベリースクールでは、学校の予算をすべて子どもたちに開示して、その使い方は大人も混じって一緒に決めていくそうです。
もし、学校内の活動で子どもたち自身が必要な経費がある場合は、学校の予算から出してもらえないか提案し、プレゼン等を踏まえて他の子の賛同を得て、確保するか、自分たちで外からお金を稼いでこれるように考えて、実際に何かものを作って販売したりして、活動費を確保するそうです。
みんなで話し合って決めていくそうなので、会話力、コミュニケーション力そして交渉力も身に付くそうです。
ここまで紹介した全ての”力”はこれからこの社会で生き抜くのに、必要であることは間違いないと思います。

私自身が感じるのは、結局”◯◯力”を評価の対象にする世界に飛び出す準備を5歳のころから、することが最重要なのか?ということです。
(場所によって違いますが、今回訪ねた学校は5歳〜18歳までの子が混ざり合って生活し、年齢によって違うプログラム等はないそうです)

”◯◯力”はなんにせよ身につけることが出来る環境を作れたら良いなと私も思いますし、公立小学校では、重視されていない力であるので、魅力の1つだと思います。

ただ、まずはそういった力よりも、その子がその子らしく生きていくことを肯定してもらえる、自分で自分を愛することができる環境が日本に溢れたらいいなと思いますし、サドベリースクール自体がどうなのかは、今回わからなかったので感想の1つとして書き留めておきます。

他人が決めた”◯◯力”があるかどうかで左右されるのではなく、自分が感じる自分自身の長所を伸ばしていくことができれば、辛いことがあっても、自分を大事にできれば、この世界で生きることを止めるという方法にでることはないのかなと思います。


④ 理想と現実
サドベリー教育の理念は、とても魅力的です。
発端の地であるアメリカボストンと日本国内では、一般的と言われる価値観や社会環境は違うので、実際にこの日本で同じような理念を体現できるかどうかは、難しい課題だなと思います。
環境も社会への理解も、これから私たち大人が向き合うべき課題だと思います。

最後に”教育理念はもはやその人自身の価値観だ”とおっしゃってました。本当にそう思います。正解というものはないので、自分が1番魅力的に感じる教育理念も最適解ではないということを忘れずに、様々な情報や考え方を知っていくことが、大事なんだと思います。公立小学校の教育理念を含めて、批判したいという気持ちは一切ありません。このnoteは私が私のために、感じたことを残していきたいと思って綴っているものです。

長くなりましたが、教育について、自分の価値観について考える機会になりました。ぜひ、興味のある方、一度ご見学に行ってみてください。
また、サドベリースクールへのご寄付もどうぞよろしくお願いします。
子どもたちが自分自身でどのような環境で生きたいのか、選ぶ際の選択肢の一つを潰さないように、私も動いていきたいと思いました。

(おまけ)日本の教育に対して正面から考える人の多くが、お子さんを持たれた方である印象をこれまで出会った方を通して実感しています。
もちろんそうでない方もいましたが、保育関係者、教育関係者である方々でした。もし、全く関係のない業界にいらっしゃって、これまでキャリアを積むことをがむしゃらに突き進んできて、お子さんを持つ予定が今のところないけど、日本の教育について考えたいという20代後半〜30代の方がいらしたら、いつかお話してみたいなと考える今日この頃です。
(簡単にいうと、同じような仲間欲しいなってことです)


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