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コーヒー豆の選び方。生産処理方式について①

コーヒー豆を選ぶ時に是非チェックしていただきたいのが、生産処理方式。

コーヒーは、コーヒーノキという樹木に果実(コーヒーチェリー)がなり、その中の種子がコーヒー豆となります。ただ、種子を実から取り出せばすぐにコーヒー豆になるというわけではなく、乾燥させたり種子を覆う殻を脱殻したりしてはじめてコーヒー生豆となります。このコーヒーの果実から種子を取り出しコーヒー生豆まで仕上げる作業を生産処理方式と呼びます。

なぜ僕たち消費者がコーヒー豆を選ぶ時に生産処理方式をチェックする必要があるのか?それは、生産処理方式によってコーヒーの風味や特徴が大きく変わってくるからなんです。トップの画像にもある通り、生豆の色も違うんですよ。

生産処理方式には、代表的な4つの方法があります。今回はその内2つの方法について説明させていただきます。

ウォッシュド

ウォッシュドによって生産された豆は、雑味がなくクリアな風味に仕上がります。

この方法では、果実を収穫した後、パルパーと呼ばれる機械で実と種を分離させます。この機械では、未完熟の実は硬いので種子が取り出されず、熟した実は潰れて種子が取り出されます。なのでこの機械をかける事で完熟豆と未完熟豆を分けられるというわけです。

種子を取り出したあとには、種子のまわりについたミューシレージと呼ばれる粘液質を除去します。このミューシレージは糖質を含んでおりベタベタで簡単に落ちないため、醗酵槽につけて微生物などで分解した後、水で洗い流すことで除去します。

ウォッシュドと呼ばれるのは、水で洗い流すからなんですね。大量の水が必要なため、一般的に生産処理コストが高くなる方法です。コストに見合う売上が見込めるか?きれいな水が十分あるか?自然環境に与える影響は問題ないか?などの条件によって採用されます。

グアテマラやコスタリカ、ニカラグアなどの中米の国々では、元々ウォッシュドが多く採用されています。

ナチュラル

ナチュラル方式で生産処理されたコーヒー豆は一般的に甘くフルーティな風味が特徴的です。個性がよりはっきりと主張される生産処理方式。

ウォッシュドに対してナチュラル方式では、コーヒーチェリーから種子を取り出さずに実のまま乾燥させます。チェリーを乾燥させた後、豆を取り出し脱殻作業を行うため、工程は非常に少ないです。

個性が強く出て、工程も少なくコストがかからない方法なので良い面だけ見るとナチュラルで生産するほうが良いように思いますが、ネガティブな点もいくつかあります。例えば、実のまま乾燥させるということは水分を多く含んだ状態で長期間置くことになり、乾燥工程中にカビが生えてしまう事などがよくあります。それによって「薬品臭、リオ臭」と呼ばれる雑味やえぐみが出てしまうことも珍しくありません。気候条件が整わないとクオリティの高い豆を生産できない方法でもあるので、必ずしも誰でも簡単に採用できる方法ではないということです。

欠点豆(カビ生えや虫食い、未熟豆などの美味しくない豆)が多く出てしまうので、脱殻した後にしっかりと生豆を選別する必要があります。良いナチュラルのコーヒー豆を生産しようと思うと、選別作業に大きな人件費や電子選別機などの設備投資が必要となり、結局ウォッシュドのようにコストがかかってしまいます。

colon coffee roastersのシングルオリジンには生産処理方式が明記されています

コーヒー豆を選ぶ時に生産処理方式が明記されていないことも少なく有りません。colon coffee roastersでは今月のシングルオリジンというこだわって焙煎した商品があり、こちらにはネット上に必ず生産処理方式を記載しています。

豆の生産処理方法や農園に関する情報を見ながらコーヒーを飲むと、また違った一時になりますよ。以下から2020年9月のシングルオリジンの紹介ページにとべるので、是非ご覧になってください。

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