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納得できる自分でいるために「お金のかけどころ」を変えた話

年をとるとともに自分の「お金のかけどころ」が変わってきました。いや、意識的に変えた、というべきでしょうか。

3ヶ月ぶりに歯医者さんに行ってきました。私のかかっている歯科医院は、3ヶ月ごとに定期検診をおこなっています。

キュイーン!という音を聞いて逃げ出しそうになりながらも、なんとか30分の検診を受け終えました(そういえば、子どもの頃、ほんとうに治療室から走って逃げ出したことがあります)。

2年前、歯茎の中で横倒しに生えていた親知らずを抜いてから、私の歯医者さん通いは続いています。

出産してから2年間は育児に必死で、自分の歯を気にかける余裕がありませんでした。そのツケが回り、いくつかできていた虫歯を治療してもらったほか、奥歯の詰め物をすべてセラミックにしました。

それなりに費用はかかりましたが、やってよかったと思っています。

口を開ける場面で「奥歯の詰め物が見えてはいないだろうか」と気にすることがなくなり、楽しいときに思いきり笑えるようになりました。

しばらく前から、私は「自分が心地よくいること」「自分が納得できること」にお金を払うことにしています。モノではなく「あり方」「経験」に投資するように考え方をシフトさせました。

この1月にライティングコンサルを受けたのも、そういった考え方の変化によるもの。自分が納得できる文章を書きたいという気持ちに従ってみた結果です。

若い頃の私は、「ヴィトンのバッグが欲しい」「好きなブランドの新作ウエアを手に入れたい」といった欲望にとらわれがちでした。

今よりも難解な本を好む傾向もありました。

思考を含めて、他人から見える自分を飾ることに一生懸命だったわけです。

でも、あるときふと思ったんです。私はいわゆるセレブではないし、高級品で身を固めるのは無理があるなぁ、と。似合う人にはとても似合うし、そうした姿はとてつもなく魅力的なのですが。

そして、背伸びして着飾るのはやめました。プレゼントでいただいたものや思い出の品を残して、ブランドものの大半を処分しました。

やたらと難解な本ばかり手に取るのをやめ、平易な言葉にも目を向けるよう心がけました。

年を重ねた今は「自分が好ましい自分」でいることを大切にしています。

歯がきれいだと自分自身が気持ちいいし、心おきなく笑えるから、歯医者さんにきちんと通う。

誰も見ていなくても、背筋を伸ばしてご飯を食べる。誰も見ていなくても身だしなみを整え、自分の好きなヘアアレンジをしてパソコンに向かう。

自分に必要な本、自分の心に響く本を読む。

そんなことを続けていたら、自分が愛おしく思えてきました。どうしようもない、ダメなところもたくさんあるんですが、「私を可愛がってあげられるのは私しかいないよなぁ」とつくづく感じます。

もちろん、若さゆえに背伸びしていたことも大切な経験です。得られたものもたくさんありました。その経験があってこそ、今の心境の変化があります。

半年ごとに「ボーナスで何を買おう?!」と悩むのも、偉大な思想家と切り結んだ気になるのも、楽しかったですし。

今は、自分の「快」に目を向け、率直に向き合うことの大切さを痛感しています。

話を戻すと、今日の定期検診でごく初期の虫歯が1本、見つかりました。1日3回、神経質なまでに歯を磨いているのに、虫歯になるときはなるんだなぁと、肩を落としています。

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