やるべきことをやらぬ夜、生き返る朝
えっ、5時?! お昼どき、冷凍おうどんでも調理して食べようかなと思いながら腕時計を見て、驚いた。文字盤の針は5時を示しているのだ。
いまは絶対に正午ごろのはず。パソコン画面すみっこの時刻表示も、私の腹時計もそう言っている。
とても恥ずかしいことに、面倒くさがり屋の私はいつからか日付表示を合わせなくなった。ふだん使いしているベダ&カンパニーのこの腕時計は機械式なので、数日つけないと止まってしまう。当然、日付もずれていく。ふたたびつけるとき、時刻は正しく合わせるけれど、日付は触らずにおくのが悪い習慣になってしまった。
時刻だけはいつも合わせている。着用前に、いつも。
なのに、その日は忘れてしまっていたらしい。午前中いっぱい、私は時刻が大きくずれた腕時計を手首にはめて過ごしたことになる。なんてまぬけな。
このご時世においてそれだけアナログ腕時計の必要性が薄れているということだ。私を含め、正確な時刻を知りたいときはスマホを見るという人は多いのではないだろうか。または、スマートウォッチ。
こう書いていくとアナログ時計不要論を唱える人間だと思われそうだけれど、私はアナログ時計が大好きだ。父も腕時計が好きだし、祖父も好きだった。いまとなってはレトロな存在感を放つところに惹かれている気もする。
その日は大好きな時計の時刻を合わさずにいるのにもしばらく気づかないほど、余裕のない心持ちだったよう。「あんた、疲れてるんやで」。無意識からの知らせかもしれない。
心がゆとりを失うと、小さなことに気配りができなくなる。結果、多方面にご迷惑をおかけしてしまったり、ささいな、とは言えないようなミスを犯してしまったりする。
つまり、このへんな時刻に驚いている場合ではなく、ちょっとゆったりと過ごした方がいいということだ。「自分を労わるべし」のサインが出ている。
ということで、先日の夜はタスクのあれやこれやをいったん放置し、早く寝た。おかげで翌朝には復活である。よし。
やるべきことをやらず、ほったらかしにする。そんな夜が私を生き延びさせている。
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