エンジニアのドラクエ論

 エンジニアはまさにドラゴンクエストと一緒だと思うことが多くある。

 例えばドラゴンクエストはストーリに沿って、進めるために敵と戦い、敵を倒して経験値を得る。少しづつレベルが上がり、武器や防具も手に入れて少しづつ強くなる。ともすれば、仲間が増え、より強いボスに戦いを挑めるようになる。まさしくこれはエンジニアの生き様と非常に似ている。

 新卒のエンジニアはレベルが低いが、いろんな課題・問題にぶつかりその問題を解決することで、経験値が上がる。経験値が積み重なるとレベルが上がり、より難しい問題を短時間で解けるようになる。レベルが上がるとチームで仕事進め、独りでは解決できない問題を行えるようになる。

エンジニアの冒険に必要なもの

 研究開発の未知な冒険をするためには、いくつか必要な要素がある。先ほど述べた①レベル②武器、特殊な技③戦い方が重要になる。

エンジニアのレベル

 ①レベルに関しては、とにかく問題を解決する。その経験で、同じ問題、似たような問題はより簡単に行えるようになる。以前、解決した問題よりも難しい問題を解くことで、より多くの経験値が上がり、レベルが上がりやすくなる。

 この時に注意しないといけないのは、難しい問題にぶつかった時に安易に他の人に投げないことだ。よくあるのは、この問題は自分の担当外なので、○○さんに聞こうとか、お願いしようという流れをすぐにやる人がいる。そうすることで仕事は一見早く進みそうだが、その課題を抱えているのは、自分なわけだし、他の人が協力してもらえるとも限らない。部門を超えてやるなら、様々な調整業務が発生して、効率が著しく落ちてしまう。それより何より自分で考えて、自分で解決するという思考パターンを失い、経験値が得られず、これまでの自分の殻から出られなくなってしまう。

 なのでひとまず自分で取り組んで苦しんでみよう。そうすればその経験によってレベルが上がるので、逃げずに頑張って正面から取り組もう。

エンジニアの武器

 次に②武器、特殊な技について解説しよう。より難しい課題を解くためには、より強い武器、特殊な技が必要となる。エンジニアの武器なら新しい計測器の使い方だったり、新しい物理現象を解明するためには、新規のセンサーなり、装置をさす。世の中に無いものなら、作る必要があるし、既存の物を改造すれば出来るのであれば、それでも良い。何より自分で考えて作った武器はOnlyOneとなり、誰も真似が出来ない絶対的な武器になり得る。

 そのためには、常日頃から情報を集めて、自分の武器となり得るものは何かを常に考えておく必要がある。これをどうやってやるかは別の記事に書くことにします。

 また特殊な技であれば、新しい計算手法(プログラム方法だったり、言語)だったり、計測手法でもちょっとしたコツ、小さな差かもしれないが、これをやると効率・精度が上がる手法を身につける必要がある。

エンジニアの戦い方

 最後に③戦い方を説明します。仕事には時間なり期限がある。明確に決まっていないものもあるが、厳密にいうと仕事には全てに期限がある。仕事の優先順位を自分でつけて、それをタイムリーに課題を解決する能力が必要がある。複数の課題を抱えつつ、全て期限内に終わらせる必要がある。人によっては、課題を一個一個解決していき、あれはどうなった?と上司に言われ、「全く手付かずです」と答える人がいる。上司が確認するということは、それの進捗の優先度が高いということを指している。人によって優先度が異なったりするので、臨機応変に進め、期限内に終わらせる必要がある。

 あとは戦う時に、時には時間がかかりすぎたり、課題が大きすぎて解けないということがあるので、①では人に安直に頼りすぎないと書いたが、どこかの時点で決断して、助けを求めることも大切だ。またどうしてもダメなら、一旦、諦めるという決断も必要となる。その時は、合理的な判断が必要となり、周りが納得する形で延期もしくは、中止の判断も必要となる。うやむやにすることは信用の低下につながるため、やってはいけない。

 また②で書いた武器に関してもだが、外部に丸投げはよく無いが、全部、自分でやることは時間の無駄で、時間を買うという観点で、外部のメーカにお願いして、製作してもらい、自分が納得する武器を入手する必要がある。そのために社内のお金を入手する必要があり、そのためには自分の信用と研究計画と武器の全容を誰もが納得できる形で表現する必要がある。

最後に

 エンジニアはドラクエのようにレベル ・武器・戦い方を鍛え、引退する前に最後のボス(最終目標)に向かって、地道に進めていくしかない。そこで最後にハッピーストーリーが迎えられるようにエンジニア人生を後悔なく、進めていって欲しい。

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