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僕は嘘つき

僕は、純粋なんかじゃない。

平気で、見え透いた嘘をつくから。


良い人のふりをした、ただの嘘つき。

それが本当の僕の姿。



最初は、小さな嘘だった。


嘘を嘘と見抜かれるのが怖くて、
嘘の中で生きるようになった。




嘘をつくのが、どんどん上手くなって、


どれが嘘で、どれが本当のことなのか、
次第に自分でも、分からなくなっていった。


何を見ても、何をしていても、


「嘘つき」


という声が、どこかから聞こえて、
頭がおかしくなりそうだった。




僕は狂っていた。


ひとつの嘘を守るために、
たくさんの嘘をつかなければならなかった。


嘘が嘘を呼び、
その大きな力に飲まれた。


「全ては虚構」
そんな想いが募って、
誰も、何も、信じられなくなった。





ある夜、
鏡をのぞいた時、
真剣に思った。

「これは誰なんだ?」

僕にしては、何かがおかしい。


偽物の顔、偽物の声、偽物の自我...



鏡に映っている
青白い男は、僕じゃない。

じゃあ、今鏡を見ている、僕は誰なんだ?



その問いを持った時、
僕は完全に崩壊した。


次の瞬間、
鏡を、強い力で叩き割っていた。


僕を映す鏡は、この世から消えた。




バラバラになった、僕の心。


孤独よりも、もっと深い、
宇宙の果てのような闇の中で、

ひざを抱えて、待ち続けた。



最初についた小さな嘘を、
許してくれる光を。

痛みを癒してくれる、
温かさを。




そして、

僕の鏡のように
一緒に笑いあえる、誰かを。








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