星の歌アイキャッチ

【クリエイターズギルド作品】星の歌

Introduction

こんにちは。クリエイターズギルドです。
このプロジェクトは、金髪ラッパーCOKOの『クリエイターで何か作ってマネタイズしよう!』という号令で集まったメンバー15名で、作り上げたものです。

15名のメンバー全員が参加できて、かつマネタイズってどうしたら?

COKOが辿り着いた答えは『全員参加で1つの作品を作って、共感を呼ぶ』ことでした。

クリエイターは孤独です。
こだわりの強さから、時に人と衝突してしまうこともあります。
ですが同時に、その豊かな感性から、人と繋がることで新たなイマジネーションを起こすこともあります。

そんなクリエイター達が
『1つの作品を作る』

想定通り、いえそれ以上に、イマジネーションがイマジネーションを呼び、気づけば作品が出来上がっていきました。誰一人、見ているだけだった人はいません。

これはたった3週間のできごと。
その間メンバーは、直接会うこともなく互いに仕事を抱える中で、その合間をぬって作り上げてきた作品が、こちらです。

どうぞその世界をご堪能ください。
そしてこのクリエイターの世界に共感頂いた方がいらっしゃったら、ぜひに有料noteも購入頂ければと思います。
COKO達クリエイター集団が、いかにして作品を作り上げたか、その軌跡をご覧頂けます。
あなたも今日からクリエイター。
願う人全てがクリエイターとして生きられますように。
その想いが、ここには詰まっています。


2018/10/13 発売を記念して行ったラジオが大盛況でした!


目次
Introduction
「星の歌」ロゴ
オリジナル楽曲「星の歌」(Lyric Video)
小説「星の歌」
竹とんぼ製作日記
クレジット

----有料ゾーン----(「星の歌」の舞台裏)
オリジナル楽曲「星の歌」(Logic Video)
クリエイターズギルド航海日誌
(他、10/17まで順次追加予定)


「星の歌」ロゴ


オリジナル楽曲「星の歌」


小説「星の歌」

「やめろ。来るな…」
僕は必死に後ずさりする。
でも目の前の生き物は僕を許してはくれなかった。
「来るな!!」
終わった。
僕はぐっと目を閉じた。

こんなはずじゃなかったのに。

☆☆

「ご搭乗の皆様、このたびは誠にありがとうございます」
宇宙船のロボットキャビンアテンダントが、お決まりの台詞を告げている。
僕たちはこれから、未開の星『ケイタラ』へ向かう。

僕たち地球人が宇宙旅行に気軽に行くようになって100年間。
ケイタラは、地球以外で初めて見つかった水のある星だ。
無人探索機の調査によると、地球と何ら変わらないらしい。
今、地球では資源が枯渇していることが深刻だった。石油や石炭は底をつき、エネルギー資源が極端に限られている。
そこで、この新しく見つかった水の星を、資源供給地として活用しようとしているのだ。
『ケイタラ』の語源はケータリングからきているらしい。

宇宙船に乗っているのは、僕を含めて4人だった。
金髪のイリナ。空手道場の娘だけど、型ばかり上手くて試合は勝てない。
眼鏡のアオイ。アニメオタクの引きこもり。
ロングヘアのサキ。絶対音感があるそうだが、歌はいまいち。
そして僕。僕は猫背で何の特技もない。竹トンボが遠くまで飛ばせるくらいだ。

つまり、そういうことだ。
ここに集められたのは皆、社会的に価値のないポンコツ。
いてもいなくても、地球にとっては同じ。
だから今回の探索チームに選ばれた。
ケイタラの有人探索はこれが初めてで、何が起こるかわからない。
そう、つまり、そういうことだ。

☆☆

初めてみるケイタラは、地球そのものだった。
いや、地球よりもずっと美しい。

広大な大地のほとんどは浅い湖で覆われていた。足首までが水に浸かるその地には、みたこともない植物たちがそこかしこに生えている。
魚のような両生類のような生き物たちは、湖の中を駆け回っていた。
昼間は太陽の光で湖はキラキラと光り、夜には月がぼんやりと映った。
僕はうっとりと見惚れてしまう。

こんな世界があるなんて。

息を深く吸うと、全身が浄化されるようだった。

今回の調査の目的は、地図を作ることだ。
それで僕たちは、できりかぎり色々な場所を見て回った。
ケイタラは地球の1/200の大きさしかない。
ひとまず調査は1ヶ月。
しかしそこで、今回の事件が起きたのである。

☆☆

僕たちは二手に分かれて調査していた。
僕はイリナとペアだった。
2人で水辺を歩いていると、ふとイリナの姿を見失ってしまった。
「イリナ?」
辺りを見回したけれど、誰もいない。
湖の水音が、ザザザ、ザザザ、と音を立て始める。
どこだ、イリナ。
僕の背中を一筋の汗が流れる。

その時、何かが僕の頭の上を抜けた。
振り返ってみたが何もいない。
しかし次の瞬間、目の前に水の壁が現れた。

なんだ、これは。

湖の水が壁のようにせり上がり、僕の目の前に迫ってきている。

「やめろ。来るな…」
僕は必死に後ずさりする。
でも目の前の生き物は僕を許してはくれなかった。
「来るな!!」
終わった。僕はぐっと目を閉じた。

再び目を開けると、目の前には金色の髪が揺れていた。
振り上げたイリナの片足で、水の壁はパシャン、と音を立てて崩れていく。
「何やってんだ、しゃんとしろ!」
イリナが僕の頭をぱんと叩く。
「逃げるよ!」
イリナに手を引かれながら、僕たちはひたすら走った。

☆☆

「それ、本当?」
アオイが訝しげに僕の顔を覗き込む。
「本当、だよ」
イリナがたしなめるように言った。
キャンプに戻った僕たちは、アオイとサキに水の壁について報告した。
今までそんな危ないことはなかった。
動物たちはいるけれど、僕ら人間のような文明を持つ生き物にも会ってはいない。

キャンプとは言っても、どこもかしこも浅瀬であるので、木々で組み上げた即席のロッジのようなものだった。
時折、湖の波で揺れる気がしてびくっとする。

僕たちは外に出て月を見上げた。
ケイタラに来てからの、僕たちの日課だった。
夜には、こうして4人で月を見る。
誰が言い出したかも覚えてないし、理由もただ「月が綺麗だから」とかそんなものだった気がするけれど、慣れない日々を過ごす僕たちにとっていつのまにか大切な時間になっていた。

☆☆

「さっきはありがとう」
僕は欄干に腰掛けて、立ったままのイリナを見上げて言う。
イリナの金髪は月明かりを浴びて、輝いてみえる。
湖に映った月は、波で滲んで揺れていた。
「何でもいいから、できることを、やりなよ」
イリナはいつでも正しい。
僕は黙ってうなづいた。

☆☆

その時、サキが突然立ち上がった。

「ねぇ、何かこれ、音楽になってない?」

何のことを言っているのかわからず、僕たちはぽかんとする。

「波の音が、微妙にほら、ほら、音階になってる」
サキの声が明るく響く。
普段はおとなしいサキが嬉しそうにしているので、なんだか僕たちも嬉しくなる。

「なんかあっちの方に高い音が流れていってるな」

サキが指差した方向に、僕たちは行ってみることにした。

☆☆

そこはゴツゴツとした岩場で、最初に僕たちが探索を終えた場所だった。

ところがあの時とは圧倒的に違うものがあった。
正確には、あの時いなかったものがいた。

白い髪に七色の目。
全身、水に濡れている。

「良い耳を持っている子がいるんだね」

それは僕たちと同じ形をした生き物だった。

☆☆

浅い泉が広がる静かな岩場。

ヒトと同じ姿をしたその何かは、岩場の中央に立って僕たちを見ていた。

泉はあちこちから水が湧き出て、緩やかな斜面を下流へと流れる小川に繋がっている。
ケイタラを満たす湖の源泉はこの場所なのかもしれない。

「あなた、誰?」

少し不安そうな声でイリナが聞いた。

その生き物はしばらくこちらをじっと見た。
それから、消え入りそうな微笑みを浮かべて言った。

「ボクは水の精。この星の命たちの、源だ」

☆☆

自分のことを水の精と呼ぶ彼の話を、僕らは誰も笑わなかった。

楽園のように美しいケイタラの中でもひときわ神秘的なこの岩場。
そこにたたずむ彼の姿は神々しくさえ感じられて、だから発せられる言葉にも不思議な説得力があった。

彼はずっとずっと昔、まだこの星が岩の塊だった頃に生まれたそうだ。

それから気が遠くなるような長い時間をかけて少しずつ自分の分身である水を行き渡らせ、植物や魚のような生命を育んできたのだという。

音さ、と彼は言った。

「ボクは心で音を奏で、それを水に乗せて届けることができる。穏やかな音色に彩られたその水が、この星のすばらしい緑や湖の生き物たちを支えているんだ」

僕らの中でその音が聴こえるのはサキだけだった。
君はすごいね、と褒められ、サキは目を輝かせて喜んでいた。

僕たちは平和で優しい談笑を楽しんだ。
イリナの強引なリクエストで、僕は竹トンボを披露する羽目にもなったけど。
植物の葉と茎で急ごしらえした竹トンボは、空たかく舞い上がっていった。

こうして僕たちは友達になった。

長いこと楽しい時間を過ごして、僕たちは帰ろうとした。
帰りぎわ、ありがとうと言ってから、彼は寂しそうな顔をして下を向いた。

「この星は、ボクは、そう永くはないんだ」

笑顔で岩場を去ろうとしていた僕たちは、悲しげな彼の様子に戸惑う。

「どういうこと?」

そう聞くイリナにすぐには答えず、彼は足元を濡らす豊かな湧き水に目を落とした。

「この星は、他の惑星からの侵略を受けていてね」

侵略? とサキが聞き直した。

「うん。彼らの惑星は非常に高い文明を誇っていたんだけど、行きすぎた機械主義のために滅んでしまった。今は不毛の地らしい。そして別の惑星に避難して、それ以来、何かに急き立てられるように近隣の星々を征服して回っているんだ」

僕らは何も言えず黙っていた。

「一度滅んだ彼らには姿かたちと呼べるものがない。文明とともに肉体も失ってしまったんだ。だから彼らは対象物を同化して支配しようとする。この星なら水だ。君たちも遭遇したことがあるんじゃないかな」

イリナと僕は顔を見合わせた。
あの、水の壁だ。

「ただね、侵略されるならそれも仕方ないとボクは思っていた。ものごとの流れに逆らわない性質でね。故郷を追われた彼らがこの星に目をつけて攻め込んでくるなら、それを受け入れよう、そう思ってたんだ」

そこで言葉を切って、彼は夜の大空を見上げる。
それから視線を戻して僕を見ながら、でも、と続けた。

「でもね、君の、竹トンボっていうのかい、どこまでも空を飛んでいくあの竹トンボを見て、ボクはこの星を、君たちと出会えたこの場所を、守りたいと思った。こんな気持ちは初めてだよ」

☆☆

帰り道、僕たちはひと言も喋らなかった。

キャンプに戻っていつもの寝床に入る前に、いつものように、誰が言うともなく月を眺める。
でも、眼前に広がる景色はいつもとは違って見えた。

「ぼくは好きだな、この星……」

アオイが、ぼそりと呟いた。
月の灯りが眼鏡に反射している。

無口で自分から会話を始めることのないアオイがそう切り出しても、誰も驚いたりしなかった。

全員が同じ思いだったからだ。

胸が熱くなったのか、サキが目を袖口でこすりながら言う。
「わたしも。こんなに綺麗な音のする星を、侵略なんてさせたくない」

いきなりイリナが空手の型をして見せ、強烈な蹴りを空に向かって突き出した。
「あいつら、私がまた蹴り飛ばしてやるわ!」

僕らの中に笑いが起こった。このメンバーとなら、と僕は思った。
このメンバーとなら、何だってできる気がする。

「それで、あんたは?」

イリナが欄干に座る僕を見る。
もちろん、と強くうなずいて、僕は欄干から勢いよく飛び降りた。

☆☆

「彼らと戦う、だって?」

翌朝、僕たちは岩場を訪ねた。
具体的なことは何も考えられてない。けどこのままじっとしていてはダメだと思った。

「でも、どうやって? ボクは戦い方を知らない、情けない話だけど、争いはまったくダメなんだ」

彼にそう言われて、僕らは黙り込んでしまった。
全員がこの星に来てからいちばん頭を使ったはずだけど、いいアイデアは浮かばない。

ふいに疑問が湧いて、そういえばさ、と僕は口をひらいた。

「あいつらはどうしてここに来ないの? ここにだって水はあるのに」

ああそれはね、彼が答える。

「ボクの奏でる音だよ、音が強く大きくとどく範囲には、彼らはやってこれないみたいなんだ」

「もしかして、音楽が嫌いなんじゃない?」

当てずっぽうにイリナが言ったその言葉に、みんなが希望を見出した。
彼らの弱点は、音なのかもしれない。

「でも、どうやって倒せばいいの? そいつらは水と同化するんでしょ、そしたら見つけられないじゃない」

また沈黙。
するとアオイが手を挙げた。

「あのね、ぼくの大好きなアニメにやっぱり主人公の星が侵略されちゃうって話があるんだけど、こういう場合、大抵どこかにボスがいるんだよ」

4人の真剣な視線を集めて、少し顔を赤らめながらアオイは続ける。

「侵略っていうわけだからさ、統率するヤツがいるんだ。この星のどこかに、水を乗っ取る仲間たちを指揮するボスがいたりするんじゃないかな」

あ、と水の精が声を上げた。

「一度だけ感じたことがある。ボクは隅々まで満ちる湖の水を通じてこの星を把握しているんだけど、一度だけ、奇妙な違和感のある場所があった……入り組んだ地形で、小さな池が点在する地域だ」

「きっと、そこにあいつらの親玉がいるのよ」イリナが言う。「一緒に行きましょうよ、だってあいつら、私のキックでやられちゃったんだから。たぶんあいつら自身はすごく弱いのよ」

そう言われて、水の精は困った表情になった。

「ボクは、ここから動くことができないんだ。ボクがこの場所を離れてしまったら、音を乗せた水を届けることができない。植物や魚たちはすぐに弱ってしまう」

重い雰囲気が広がる。
じゃあどうすればいいんだ。

「私がやる」

サキが立ち上がった。
強いまなざしで水の精を見る。

「私がやるわ。だって、私にはあなたの奏でる音が聴こえたもの」

☆☆

水の精に教えてもらって、僕らはその場所にやってきた。

一見すると何の変哲もない浅い湖。
ただ、でこぼこした地面があちこちに窪みをつくり、無数の池を形成していた。

静かだった。
水面に映る太陽がキラキラとまぶしい。

でも僕たちは緊張していた。

「始めるね」

サキが目を閉じた。
胸に手を当て、祈るような姿勢で、集中する。

僕たち3人はサキをじっと見つめた。

「聴こえた」

目を開けるサキ。
「聴こえたの。あっちよ、あの方角から低い不協和音みたいな音がする」

サキに導かれて、池と池のあいだを奥へと進んでいく。

「近いわ、みんな、気をつけて」

そこだけ深い沼のようになった場所にたどりついたときだった。

沼の水面がぼこぼこと泡立ち、まるで間欠泉みたいに、水が高さ何十メートルにも吹き上がった。

わわわ、とアオイが腰を抜かす。
それを支えながらイリナが叫ぶ。

「サキ! 今だよ!」

ビルのような高さの水柱を前にして、サキは歌い始めた。

歌はいまいちなの、だから人前では絶対に歌わないことにしてるんだ……この星に着いた最初の晩にそう漏らしていた。

そのサキが、水の精から教わったメロディを歌う。
けど自信がないのか、歌声は弱々しく、敵の勢いがとどまる気配はない。

「危ない! サキ!」

正面に立つサキめがけて滝のように降り注ごうとする水柱。
その攻撃を、駆け寄ったイリナに抱きしめられる格好でサキはギリギリかわす。

歌い続けるサキ。声はさっきよりも大きい。
ダメージを受けているのか、龍みたいに暴れまわる水柱の荒々しさが明らかに落ちてる。
それでも逃げながら放つ歌声は不安定で、あと一歩およばない。

「あ!」

バランスを崩してサキが倒れる。
そこへ水柱が、斜め上空から矢のように彼女に迫る。
僕はサキに向かい駆け出そうとする。

ダメだ、間に合わない。

サキも水の精もこの星も、救えない。

そう思った瞬間、すべてがスローモーションみたいに静止した。
いや、そんなことあるはずがない。
だから、静止したように感じただけかもしれない。

それでも僕は確かに聞いた。

「いい? できることを、やるんだよ」

僕に語りかけるイリナの声を。

気づくと僕は無意識のうちに歌っていた。
サキと同じあのメロディ。

僕だけじゃなかった。
アオイも、そしてイリナも。

時間はまだ止まっているように思えた。

サキに迫る水柱が、中空で止まっていたからだ。

「効いてるのよ! みんな、歌い続けて!」

サキの声に全員がうなずく。
今までよりさらに強く、思いを込める。

僕らだけじゃない。
あの岩場から、水の精もきっと力を送ってくれている。

歌声は厚みを増し、太く、強力な風となって敵に向かう。
そして宙で固まったままの水柱を吹き飛ばした。

下から突き上げるようにして打たれた水柱が、細かい雨粒となって辺りに降り注ぐ。
汗だくの頬と全身から熱が抜けていく。

やったよ、とサキがその場でジャンプした。

「やっつけたよ! もうあの嫌な音は聴こえない。私たち、やったんだよ!」

広がる安堵。そして心地よい疲労感。
緊張の糸が切れたアオイがまたその場にへたり込む。
だけど表情はイキイキしている。

「ねえ、見て」

イリナが指差す。

見たこともないほど鮮やかで美しい虹が、向こうの空に浮かんでいた。

☆☆

ほどなくして、地球への帰還日を迎えた。

「ほんとうにありがとう。君たちがこの星を、救ってくれた」

帰り支度を終えた僕らは、最後にあの岩場を訪れた。

「ここに生きる草や木、魚たち、そしてボクも……今こうしていられるのは君たちのおかげだよ」

水の精はそう言ってから、少しだけ目を伏せる。

「お別れは寂しいけど、でも、君たちに出会えて本当によかった。君たちのことは忘れない」

僕たちと彼は、ひとりずつ、固いハグをした。
サキもイリナもアオイも、目を赤くして潤ませている。

いよいよ別れのとき。

すると誰ともなく、あのメロディを口ずさみ始めた。
この星を守った、あの歌だ。

歌いながら、僕は自然と目を閉じた。

まぶたの裏を、ケイタラでの1ヶ月がまるで映画のエンドロールみたいに次々と流れる。
胸が熱くなった。

涙がこぼれないように、僕は目を開けて空を見上げる。
イリナたち3人も同じことをしていた。

そうだ、と彼らを見て僕は思った。

僕はポンコツじゃない。
こんなにすばらしい仲間がいる。

僕たちは、ポンコツなんかじゃないんだ。

歌が終わった。
水の精が促してくれるまで、誰もその場を去ろうとしなかった。

最後にお願いをひとつ聞いてもらえないかな、水の精が僕に言った。

「竹トンボを、もう一度見せてほしいんだ」

僕はうなずき、即席の竹トンボをこしらえた。
そしてみんなが見守る中、それを宙へと放った。

竹トンボは、太陽が照らす広大な青空を、どこまでもどこまでも飛んでいった。

(完)

☆サブストーリーはこちら!

イリナとサキの日常|とろもち @toufucoromochi|note(ノート)
https://note.mu/toufucoro/n/ne99a703e814e

予感|とろもち @toufucoromochi|note(ノート) https://note.mu/toufucoro/n/na9a2dd562391

『オールドファッションド・ミュージック(1)』(「星の歌」アナザーストーリー)|Miura Jun/神谷ボコ @pocopecopen|note(ノート) https://note.mu/pekodon/n/n1fb14fe4fe70


竹とんぼ製作日記(Shunichiさん)

メンバーの木工アーティストshunichiさんによる、小説に出てくる竹とんぼの製作日記です。


クレジット

【制作期間】
2018年
9/17〜10/13

【スタッフ】
クリエイターズギルド第1期メンバー:

音楽:
COKO
ゆーき
天むす
まさか/ハンドオルゴールの使い手
友谷麻衣(parallelleap)
倉本 真基也(overdue)
ヒラク
フジイ
松﨑和也(The Replay)
takahiro_da_ma

ロゴデザイン:
つばさ

イラスト:
かいち

ストーリー:
神谷ボコ
とろもち

竹とんぼ製作:
shunichi



オリジナル楽曲「星の歌」(Logic Video)


クリエイターズギルド 活動日記

地球のみんな、こんにちは。

ボクは水の精。

なんて呼んだらいいかって?
うーん、そうだなぁ。ボクはね、誰かに名前を呼ばれたことがないんだ。
だから君の好きなように呼んでくれたら嬉しいな。

ケイタラって知ってるかい。
君たちのいる地球から、ずっとずっと離れたところにある惑星さ。
ボクはその星で、地球から来た君たちの仲間に出会ったんだ。

彼ら4人はボクを、そしてケイタラを救ってくれた。
今は離れているけれど、ボクたちは友達だ。
4人のなかでいちばん元気な女の子イリナは、マブダチだよ、って言ってたけど。

ボクたちは、あるストーリーを共有してるんだ。
ボクらがケイタラで出会って、一緒に戦い、この星を守った、ストーリー。
それから、音楽。
地球の4人とボクが力を合わせて奏でた音楽さ。

今日は、この音楽とストーリーがどんなふうに生まれたのか……創り手であるクリエイターズギルドの歩みとともに紹介するよ。

ギルドメンバーの、創造の航海日誌だ。

ぜひ楽しんで読んでほしい。
そしてこのお話を読み終えたら、君とボクは、友達だ。

<クリエイターズギルド 航海日誌>

9月10日。
おや、ハンチング帽をかぶったメガネの男性がパソコンで何か作業をしているぞ。イケダハヤト君というのかい?

ああそうか、ギルドマスターのCOKOのアカウントを作っているんだね。クリエイターズギルドは、COKOにとって初めて主催するサロン。

彼女の緊張とワクワクが伝わってくる。大丈夫、きっとうまくいくよ。

9月17日。
いよいよクリエイターズギルドが始まったみたいだ。
集まったのは全部で15人。どんなメンバーたちなのか、一緒に見ていこう。

COKO:ギルドマスター。「あ段records」を運営する作詞作曲家・金髪ラッパー。
かいち:仮想通貨で300万円を溶かした壮絶体験を作品にした漫画家。
とろもち:深い洞察力が武器の小説家で、2歳の娘と夫を愛するママライターでもある。

フジイ サダモリ:飲食業からミュージシャンの道に再挑戦した音楽家。
天むす:音楽の可能性とマネタイズについて模索する、DTMの専門家。
まさか:カリンバと呼ばれるハンドオルゴールの使い手、そしてエバンジェリスト。

takahiro_da_ma:北海道を拠点とする若きDTMマスター・ギタリスト。
thereplay_matsu:イベント制作を手がけ、バンドマンとしても活躍。もうすぐパパに。
つばさ:トライバルデザインのイラストを得意とするアーティスト。

TEAM三人水手石:同名レーベルを主催するプロデューサー。音楽の新たな価値を模索する。
ぴぺ:ガットギターと歌のユニット「prallelleap」で活躍する歌手。自ら作詞も手がける。
神谷ボコ:元ノベル編集者で現役ネット小説家。ライティング中毒者。

ゆーき:圧倒的なスピードとクオリティを有する、作詞作曲編曲プロフェッショナル。
Shunichi:木の声を形に表現するクリエイター。日々作品を生み続けこつこつ多作している。
Makiya:作詞作曲も手がけるボーカリストで、クリギル随一のアイディアマン。

うん、個性的なメンバーだね。
なんだか君たちがうらやましいな。

地球って、とっても楽しそうな星なんだもの。

9月18日。
COKOがMacの録音のことで困っていたら、つばさと天むすがすかさず助けてあげてた。
すごいスピード感、それに物知りだなぁ。

DTMっていうのかい、それ、ボクにもあとで教えておくれよ。

9月19日。
トーク部屋「ティールーム」で初めての座談会。
クリギル解散までの1ヶ月で、全員でひとつの曲を作るプロジェクトが決まったよ。

完全オンラインでの共同制作。どんなクリエーションになるんだろう。
君はどう?ワクワクしてきたかい?

9月20日。
今日もティールームでお話。
プロジェクトの方向性について盛り上がってるみたいだね。ボクも混ざっていいかな。

え、なになに?
「トライバル」「開拓」「冒険」……ずいぶん刺激的なキーワードが飛び交ってるなぁ。

そうか、クリエイターの自分たちを投影した、クリエイターのための物語を創ろうとしているんだね。

うん、みんないい顔してるよ。

9月21日。
スケジュールも決定。10月13日に作品を公開することになった。

「それぞれが好きなことをやる」
これがクリギルのコンセプト。
みんなの好きを持ち寄って大きな何かを創りあげる。

好きって、パワーだ。

まずはすべての原型となるストーリー作りから。
小説組のとろもち、ボコ、がんばっておくれよ!

そういえば、初めはどこかぎこちなかったメンバーたち、もうすっかり打ち解けたみたいだね。

9月22日。
とろもちがもうストーリーの前半を書きあげた。なんて速さだろう。
速いだけじゃない。
すごく暖かくて、親しみのある文章。
そしてこの日、ケイタラとボクらの物語がこの世に生まれたんだ。

同じ日にゆーきからオケが届いた。
初めて聴く音楽ってドキドキするね。すごく、すごくかっこよかった。

さらに、つばさがデザインのラフ画を作ってくれた。
作品のロゴになるデザイン。完成が待ちきれないよ。

それにしても、地球のクリエイターっていつもこんなスピードで動いてるのかい?

ずっと昔に見たケイタラの夜空に降る流星群だって、
こんなに速くはなかったよ?

9月23日。
クリエイターにとって、一瞬のひらめきはとても大切。
気まぐれに浮かびあがるアイデアをキャッチするのって、広大な湖で飛び跳ねる魚を捕まえるくらい難しそうだね。

なんでいきなり湖と魚かって?ケイタラはね、豊かな水に覆われた星なんだ。

でも、地球のクリエイターはすごいね。
昨日とろもちは、ひらめいたアイデアをカフェの紙ナプキンに書きつけたんだって。
女の子が使うアイライナーをペンがわりにして。

ユニークで、それにすごくのびのびとしてて、ボクはとっても好きだなぁ。

9月24日。
ゆーきのオケに、ハンドオルゴール奏者のまさかがカリンバの音を重ねていく。

慣れないDTM作業に悪戦苦闘するまさか。
指がもげそうになるくらい、必死に、何度もトライする。

「一発OKもいいけど、ボツが多いのもドラマがあって素敵」

COKOのこの言葉が、すごく印象的だったな。

そうだよ、ドラマは完成品だけのものじゃない。
試行錯誤しながらいい作品を目指す、その過程にこそ、ドラマが宿るんじゃないかな。

ちょっと熱くなりすぎちゃったね。
クリギルのみんなの熱気が、すっかりボクにも伝染ってしまったみたいだ。

9月25日。
ボコが後半パートを書きあげて、ストーリーが完結!
ストーリーにピリオドを打ったことでプロジェクトがひとつ前進したね。

ここからいよいよ、デザイン、楽曲が本格的に動き始めるんだ。

takahiro_da_maのアコースティックギター、TEAM三人水手石のラップと詞も着々と進んでる。

このメンバーなら何だって創れる。
そう感じているのは、きっとボクだけじゃないよね。

9月26日。
つばさのロゴデザインも順調。
完成披露が待ちきれない。どんなデザインに仕上がるんだろう?

shunichiが手をあげてる。
何だって?竹トンボをつくる?

竹トンボは、とろもちとボコの書いたストーリーに登場する重要な要素。
ボク個人にとっても、思い出のつまった大好きなアイテムなんだ。

その竹トンボを、本物の竹を切り出して作るんだとshunichiは言ってる。

こういうとき、地球のみんなはこう言うんだろ?

「もう最高だよ……!!」って。

9月27日。
shunichiは昨日から竹トンボと格闘中。
作っては試し、作っては試し、そのくりかえしだ。

でも諦めない。
知ってるかい?彼はこのギルドに参加中、毎日木を使った創作物を公開してる。
毎日だよ。

まっすぐに創作に打ち込む彼の姿から、ギルドのメンバーはみんな勇気をもらっているんだ。

今夜は大きな台風が来るみたいだね。
気候の穏やかな星ケイタラにも、ときどき台風はやってくる。

だけど嵐が去った次の日は、目に映る風景全部がみずみずしく輝くんだ。

試行錯誤を重ねるクリギルのみんなも、明日になったら、パッと視界がひらけている気がするよ。

9月28日。
COKOが歌詞とラップを完成。
金髪でポジティブなパワーを放つCOKOは、ボクの友達イリナとどこか重なる雰囲気があるんだ。

彼女の声は繊細で、それでいて芯があって、心地よく耳に流れ込んでくる。
何度でも聴きたくなる声だ。

COKOにはいつか、ケイタラのボクの住む泉でその声を響かせてほしいな。

そして、天むすのパラデータを元に進化させた曲をゆーきが届けてくれた。
二人とも、ありがとう。

さらにmakiyaがクリギルに参加。
新しい仲間との出会いって、いいものだね。
ボーカリストだというmakiyaの歌、聴けるのがとても楽しみだ。

shunichiから報告が入った。竹トンボ、飛んだって!?

9月29日。
今日のクリギルは静かだね。
みんな、おやすみ中なのかな。

いつも楽しい活動を見せてくれてありがとう。

今日はボクが、みんなにメロディを届けるよ。

9月30日。
あれ、見慣れない人がクリギルに遊びに来てるね。

しゅうへい?
ああ、初日に見たハンチング帽のイケダ君の、愛弟子みたいな男の子のことかな。

あれれ、何かスタンプを残して帰っていっちゃったよ。
ア・コ・ム?
何だいそれ、おいしいのかい?

それにしても自由な人だなぁ。まるでケイタラに颯爽と吹きわたる風みたいだ。

10月1日。
この日はギルドの中にあるラジオ部屋「ティールーム」でクリエイターのマネタイズについて皆で遅くまで話し合っていたよ。
音楽家のメンバーが多かったから音楽をどう売っていくかがメイン。
動画が今はかなり良い!ということでいかに音質よく動画を録るかを皆で情報共有。
動画の良いところは作った作品が一人歩きする、というところ。
ボクの星の音楽も動画にアップしてみようかな。

10月2日。
プロリスナーの貝さんという方がギルドにやってきた。
プロリスナーかぁ。ボクの星にもぜひ来てほしい。
素晴らしい音楽で歓迎するよ。

そしてCOKOがサビの主旋律を完成させたよ。
キャッチーで、ボクはすぐに覚えちゃった。

重ねるようにmakiyaが2番終わりの間奏部分(アウトロ)のメロディラインを完成。
幻想的な曲がさらにファンタジックに仕上がっていく。
音楽って音と音が重なってできているんだなぁ。
改めて音楽というものを好きになるね。

10月3日
COKOがあっという間に歌詞とBメロを完成させた。男性用と女性用の仮歌も、ハモリも。
歌詞って素敵だ。ボクの星の音楽には歌詞はないから、ボクは歌詞というものが珍しくてたまらない。

そしてそのメロディーと歌詞でmakiyaがすぐに声の録音を完成。
makiyaの声って管楽器に似ているね。包まれてるみたい。

そしてフジイサダモリが「語り」で曲の中にアクセントを入れることになったよ。
そして速攻で歌詞を作って声の録音まで完成。
綺麗な中に強さがある歌詞を作る人だな。
声を聞いても、そう。一本筋がある。

それにしても、皆よっぽど楽しいんだね。
言った途端もう次は作品ができあがってるんだもの。

10月4日。
昨日の夜から今日の朝にかけて、いよいよ曲のタイトル決め。
案は、
・Create's Land
・星の歌
・星、駆ける音

さあて、どれになるのかな。

10月5日。
ぴペの声が届く。
美しくて繊細でのびやかで。
ぴペって親族にケイタラ出身の人がいるのかな。
ぴったりだ。

ゆーきが集まった声たちをミックスするため、細かな確認をメンバーと取り合ってる。
「これは何で録音してるの?」
「ここは撮り直せる?」
「ここはこっちで調整する!」
すごいんだよ。惚れ惚れするんだ。

タイトルは、
「星の歌」
に決定した。
シンプルでいいね。

さあて、プロジェクトが佳境に入ってきたぞ。
COKOからばんばん指示が飛んでいる。
・かいちは挿絵イラスト
・ボコととろもちはメイキングの日記
・つばさはロゴデザイン
・まさかは星の写真探し

10月6日。
makiyaの男性ボーカル修正版が届く。
妥協は許さない男なんだな。相変わらずいい声。

天むすの掛け声で、ギルドメンバーでリレー形式のトークルームが発足。
なんだか大人の交換日記みたい。
ここにいるのは大きい子供たちばっかりだ。

まさかからは星の写真が届く。これがジャケットになるんだろう。

10月7日。
ゆーきから曲の完成版が届く。
目を閉じて何度も聴いた。
ボクの星が見えるみたいだ。

夜はまた「ティールーム」で皆でラジオ。
今度のテーマは販促だってさ。
でも創作が好きな彼らは”売る”だけでなく、”作る”話も”聴く”話もたくさんする。
結局何時間も語り合っていた。

10月8日。
つばさからロゴのラフ案が届く。
ボクの星だ。
つばさは僕の星をみたことがあったのか。

matshuからエンディングパートのコーラスも届いたよ。
音が響いて、押し寄せる。波みたいだ。
ねぇ、僕の星のみんな。聴こえてる?
波の声だよ。

10月9日。
つばさがロゴの書き起こしまで完了。
そしてゆーきからは曲の最終版が届き、彼はそのまま動画のクレジット入れに着手。
ボコととろもちは、航海日誌をせっせと進めている。
makiyaがさまざまなアイディア出しをしている。
ぴペのリテイクの声も届いたね。
まさかがエンドロール用のカリンバソロを弾いている。ポロンポロンと、音が夜の闇に響いていく。

作品の完成が、近づいてるんだ。

10月10日。
航海日誌の語り手がボクに決まる。
そう、今日この日に決まったんだよ。ボクを選んでくれて、ありがとう。

ゆーきが動画や曲の最後の詰めをしっかりチェックして、こまかな修正を続けている。
彼はほんとに、すごいんだ。

10月11日。
ボコがボクの紹介文を書いてくれたよ。
作品を読んだことがない人にも伝わるようにって。
そしてギルドメンバーの紹介もまとめていた。
ボコは優しいね。
優しさは、偉大だね。

とろもちはクリエイターは英語でcreaterだと思ってらしいよ。
creatorが正しい。でもcreatorだと並び替えてもcatererケイタラにならない!!
ばたばたしてるよ。ケイタラという名前の語源は、クリエイターのアナグラムのつもりだったんだもんね。
結局cater or でケイタラと読むことにしたみたい。
”賄う、もしくは ” か。資源を求めにケイタラに来たのだから、なるほど辻褄はあってるね。
うふふ。聞かなかったことにしてあげる。

そしてゆーきからミュージックビデオが届いた。
ギルドの曲はこんなふうに作られていたんだ。
みんなも興奮した感想をゆーきに沢山送っている。
ボクまでなんだか嬉しくなっちゃうな。僕はすっかりゆーきのファンなんだ。

10月12日。
つばさが夜中にロゴデザインを完成させた。
つばさは夜型だねぇ。
だからか、つばさのデザインは夜が似合うよ。月明かりがよく映える。

かいちの挿絵も届いたね。
瞬間、ボクの脳裏にあの冒険の日々が蘇る。
竹とんぼの飛んだ空。あんなに綺麗な空は、見たことなかった。

ボコが、作品をいかにみてもらうか沢山アイディアを出してるね。
そしていろんなところに声をかけている。
makiyaも手を挙げて動いてるね。
作品は届けるまでが、仕事。
二人の背中が語ってる。

10月13日。
そして今日。10月13日は作品のお披露目日。
この1ヶ月の彼らの頑張りが報われる日だ。

COKOがすべての作品をまとめて一つのノートという作品に仕上げてる。
COKO。
これまで、ずっとこのギルドをひっぱって支えていたCOKO。
メンバー全員が参加できるように、嫌な想いをすることがないように、力を発揮できるように、悩んで考えて。
泣き言なんて言わないけれど、やるせない日もあったろう。
ねぇ、COKO。君が作ったこのギルドが、この作品を、ボクを、生んでくれたんだよ。
ありがとう。

さて、ここまで読んでくれたみんな、音楽を聞いてくれたみんな。
どうだったかな。
楽しんでくれたかな?

彼らを見守り続けてきたボクとしても
少しでもみんなの心に何か伝わっていたら、こんなに嬉しいことはないよ。

そして、ここまで読んでくれて、ありがとう。
最初に言ったよね。
これで君とボクとは友達だ。

そして、こうも思う。
この話を面白がれる君は、きっと何かを作ることができる人だよ。

さぁ、次は君の番だ。
僕と一緒に、航海の旅に出よう。
君だけのケイタラを見つけに。

ケイタラ Cater Or ーーーー Creator 世界中の誰もがクリエイター。その想いをのせて。

presented by Creator's Guild


メンバーによるセルフライナーノーツ

※書き込み順

ゆーき (作曲)(オケ)
まず最初にみんなで曲を作ろうというアイディアと
トライバルデザインをモチーフにしたい、っていうのがあって

民族的な、という意味であるトライバルから膨らませて
・民族系打楽器サウンド
・COKOさんがラッパーでトラップ好き
・ハンドオルゴールを入れたい(トライバルな音になる)
この要素からならすぐオケは作れそうだなと思って、フル尺オケをいきなり作りました。

オケなのでメロディやラップが入るスペースは音入れてないですし
ハンドオルゴールもここに入れて欲しいなあ、ぐらい。

とりあえず、みんながアイディアを放り込みやすいように
器だけ作った、っていう感じです。

実際そのあとに、ハンドオルゴールやラップ、歌が入ってくるたびに
楽曲が変化していってみんなのアイディアが豊富につまった
楽曲になったなあと非常に楽しい体験でした。

あとこの曲、ちょうど3分で終わるのと前半が1分30秒くらいと
前半後半がほぼ半分で折り返すようになってて
構成もハンドオルゴールで始まりハンドオルゴールで終わるようになってます。
これはトライバルデザインを見たときに
なんかシンメトリーっぽさを感じたのでそこもなんとなく意識してます。

単純に3分って聴きやすい時間っていうのもあるんですが(笑

とろもち(ストーリー)
ゆーきさんの曲ができた後、その曲を聴きながら私がストーリーの前半を書きました。
あまりの曲の格好良さに衝撃を受けてアドレナリンが出まくりまして。聴いてそのまま夜中から朝にかけてガーッと書き上げました。
水の精が出てきて『いい耳を持ってる子がいる』って言うところまでが、私です。

COKOさんから貰ったお題は3つ。
・開拓がテーマ
・男女が出てくる
・トライバルがイメージ

開拓というお題を聴いて、後半パート担当のボコさんが「宇宙開拓!」と言っていたので
・宇宙

この4つをベースにストーリーを描きました。

曲の初めは、緊張感と疾走感が交錯する。だからハラハラするようなシーンの出だしとしました。

曲の全体は美しい、幻想的なものだったのとトライバルから想像したイメージから、ケイタラという星を描きました。

開拓は、侵略していくよりも、皆が個性を活かして星と仲良くなる、という方向がいいかなと。
イリナが途中で言う『なんでもいいからできることを、する』というのはこのお話のテーマでもあります。個々人が出来ることは違います。大小関わりなく、それはどこか何かで活躍できるはずのこと。そんな想いを乗せています。

そして実は、私の中では歌姫はサキではなくて、水の精の方でした笑。(女の子の設定でした。ちなみに私は登場させてすぐボコさんにバトンタッチしてるので、水の精という設定を与えてくれたのはボコさんです。)
曲づくりの途中でゆーきさんが『歌姫ピペの宇宙開拓』って言ってて、歌姫を出そうと思ったんです。多分ボコさんもそのことは意識してたかな?
でも最終的に、後半をボコさんが私が想定していたよりも素晴らしく仕上げてくれて、後半を読んだときは驚きと感動でいっぱいでした。
人とリレー形式でお話を仕上げるのは初めての経験でしたが、こんなにも自分と違うのかと興奮しました。
私は前半だったので、登場人物の設定や世界観は描いたのですが、オチや伏線の回収はボコさん任せ。正直竹とんぼとか、深く考えず自然に入れちゃった感じです。笑
それがあんなに重要な道具になるなんて!!!
もう、感動しかなかったです。

竹とんぼはその後、シュンイチさんが実際に作ってくださって、この作品に更に欠かせないものとなっていきました。
そうやって、誰かのアイディアで次の創作が生まれるのは、皆で1つのものを作る喜びを感じる瞬間です。
このクリギルプロジェクトの中で、何度も感じました。(編集済)
あと!余談ですがイリナのモデルはCOKOさんです。だから金髪なのです♪


天むす(作曲)(後奏のシンセ打ち込み)
自分はトライバル&民族的なイメージから出発して、Zedd, Alessia Cara - Stayみたいなオケを仕事帰ったら作ってみようかなと思っていました。https://www.youtube.com/watch?v=h--P8HzYZ74
幻想的な民俗調の感じから入って後半バキバキ的なオケで、カリンバやギターの相性も良くラップも入りやすいかなという感じで。
しかし昼にはゆーきさんのオケができていたのでその完成度の高さから、それに付随するものを作ったら良いと考えて、BPM半分でキーを合わせたラップパートオケを夜に完成させました。
この日にオケが出来上がったという超速のスピード感が全員の熱量を上げていったのかなと思います。自分もスピードは正義と思いますし、だいたい仕事早い方はストックがあるか、なくても24時間くらいで形にすることが多いのでそのスピード感が基準となったことで今回の共作がうまく進んだのかなと思います。
海外音楽では今コライトやコプロデュースが主流となり共作が当たり前のようになってきていているので、今回それを体現できているところが刺激的です。

COKO/クリエイターズギルドGM(作詞、メロディ作曲、ラップ、リリックビデオ)
バース2のラップについて。
先に出来上がっていたTEAM三人水手石さんのラップが力強くてめちゃくちゃよくて、わたしも頑張るぞ!という思いで制作しました。
三人さんは「生きるか死ぬか」のハードな世界観が印象的だったので、わたしは「開拓者の眼前に広がる楽園」を小テーマにカラフルな景色を想像しながら書きました。
ストーリーに寄り添ったものにしたかった一方で、説明ラップではなく、あくまで聴いた人が奮い立つようなものを作りたかったので、そこに注意しながら言葉を選びました。
遊び要素として、僕、アオイ、イリナ、サキ、水(の精)をリリックに全員入れています。
三人さんとはフロウの感じが被らないようにしたかったので、三連譜を基調として、変化を持たせたフロウを練って完成させました。

メロディについて。
ゆーきさんがオケを先に作ってくれていたので、それを聴きながら&コードを見ながら作っていきました。
メンバーの中に歌い手が男女両方いたので、デュエットする箇所を作ることを考えながら作っていきました。デュエット曲を書くのは楽しいので笑
(デュエットによって、メンバー同士の交流が活発になるといいなと思ったのもあります)

メロディはトリッキーなことをせず、比較的ストレートに書きました。
その時点でラップあり、トライバル要素ありと個性的な要素が詰まっていたので、メロディはシンプルにカタルシスを感じられるよう、気持ちよさを重視しました。
Bメロは少しオケが静かな感じになるので、歌も足をそっと水につけるイメージで弱起にしました。
男性Voと女性Voが追いかけっこして絡まっていく様子を想像しながら書きました。
オケのサビ前のブレイクが緩急でいう急な感じでかっこよかったので、サビは最初は高い音から入ってぶち上げようかなと思いましたが、書いていくうちに意外とサビが長いことに気づいて(約23秒)、いきなりぶち上げると後が続かないなあと思ったので、サビの最初は低めの音から入って最高音を後ろに持ってくるというスタイルを取りました。結果として、強い意志を感じさせるようなストーリー性のあるメロになったように思います。
サビの7,8小節めと15,16小節めのキメがポイントだなと思ったので、7小節めと15小節めはメロをほぼ動かさないようにして、キメのリズムをしっかり聴かせられるように工夫しました。こんな感じで「歌を聴かせるところ」と「オケを聴かせるところ」を分けてあげると、より良い作曲ができるように思います。

歌詞について。
オケもメロもできている状態で、完全に曲先で制作しました。
Bメロの前半はオケの静けさと繊細なクリシェを生かして、クリエイターの不安と決意という相反する感情を表現しました。
「足場は不安定」と「心は不安で」は同じメロディの繰り返しなので、対句を意識しました。
「だけどできる僕は必ず立つよ」は、コードが明るい感じになるので明るく。
「美しく光るあの場所に」は今回いちばん作詞で悩んだ箇所でした。小節数も変則的で短かったので、難しかったです。
ストーリーを何度も読み返し、最終的に、キラキラ光る水面をイメージしながら、サビに繋がるように書きました。
サビは使いたい言葉を先に列挙して、それを並べるスタイルで書いていきました。
具体的には、
①テーマである「開拓」をイメージさせる言葉
「切り開く」「駆け抜ける」「突き進む」「pioneer」など
②クリエイティブをイメージさせる言葉
「描く」「メロディ」「色彩」「物語」など
③クリエイターの心情を表す言葉
「衝動」「恐れ」「激しい感情」「僕は僕のまま生きていたい」など
ここまでジャンル分けはしていませんでしたが、なんとなくこんな感じの言葉を列挙していきました。
ちなみにラップを書くときも、韻を踏みたい言葉や使いたい言葉を先に書き出してから、それを並べ替えたり言葉を足したりして辻褄を合わせるスタイルをよくとっています。
歌詞を実際に歌ってもらった際に歌い直しが発生してしまったのは反省しています。
・「遠くから」の「く」は落とす(または無声化)
・「ような」は「よな」と発音する
・「もう恐れはしない」は「も恐れはしない」と発音する
など、歌詞に力を入れたため言葉の当てはめ方というか、譜割は独特になったと思います。
このような歌い方に工夫が必要な部分は、明確に指示してあげたらよかったなと感じました。


shunichi(竹とんぼ製作)
直接歌に関わることはできないので、淡々とものをつくっていくつもりでいましたが作品に登場していた竹とんぼなら、作ることが出来るかもしれないという考えが浮かびつくってみることにしました。
竹は、成長がはやく根を無尽蔵にのばし、繁殖力があり、一方では縁起もですが一方では山林を駆逐する害のある植物です。
そういうことからも、以前から竹には苦手意識があり、あまり好きにはなれませんでした。
なので、今回竹とんぼを作らなければ、死ぬまで作ることがなかったかもしれません。
実際に、触ってみると、水分が多く繊維がととのっており、削りやすく、扱いやすい材でした。
ナイフの訓練に向いているかもしれません。
作ろうと決めてからは、必要なものがそろっていることに気が付き、すいすいと進みました。
できないなりに、自分で模索し、日々作るのがはやくなり、
こうすればと頭で考える前に手が動くような感じで、自然といいかたちに削れるようになり、小学生の頃に逆上がりができたような面白さがありました。
ささいではありますが、したことのない事をすることで、もろもろの失敗があり、こうすればいいのかという体感の学びがあり、一つ一つ自動的に出る課題をクリアしていくような刺激がありました。
音楽には直接かかわらない毛色の違う作り手でしたが、音になっていく過程を中から味わうことができ、普段味わうことのない体験でした。

makiya(コーラス)
Bメロ、1サビ、2サビの男性パートを歌いました。
スタイル、ジャンルを超えての共同作業、とても刺激的で楽しい制作でした!

ストーリーを読んだイメージ、上がってきた歌詞とメロディで、どう表現するか試行錯誤しながらテイクを重ねました。

本当なら歌の慣らし、プリプロしてから本番という流れのところでしたが、今回はRecしながら自分でテイクを確認して調整していく方法で進めました。

1日目のrecは自由に自分の感じ方で歌いまわして終了。その後、女性歌パートのぴぺさんの音が上がってきて、自分の音と合わせた時、

ん?、あれ、俺、なんか違う。。w

再recすることに決めました。

ストーリーの中で、仲間4人が敵の弱点である歌で向かっていくシーンを思い出し、もっとシンクロさせるべきだなと。

メロディの作曲を担当したCokoさんから上がってきたメロディで、掛け合いや1オクターブでのユニゾンするアレンジもおそらくこれを表現したいのだなと思い、

女性パートの音をもう一度聞き、歌い方、抑揚、音の響かせ方、ブレスの位置をなるべく寄せて再テイク。

結果80テイク程重ね(笑)、Recを終了しました。

主人公達の姿や感情を少しは表現できたかなと。

突き詰めようと思えばキリがないですが、自分の納得のいくテイクは取れたと思います。

この制作に関わってる皆、素晴らしい方々です。
小説、デザイン、エンジニア、作曲、作詞、アレンジ、ラップ、竹とんぼの制作、ミュージシャンと皆さんそれぞれの表現を愛しているんだなと思いました。
是非、何度も見て楽しんでもらいたいです。(編集済)

フジイ サダモリ(語り)
クリエイターズギルドに意気込んで入ったのはいいものの、皆さんのスピードについていけなかったり、家族共々食中毒で倒れたり(長女は入院)して、いつのまにかDiscordを開く事も怖くなっていました。
そんなダメダメだった私ですが、COKOさんからありがたくも参加の依頼が!しかも、やった事のない語り!?おー!出来るのか??と思いましたが、ここで後送りにするヤツはサイテー過ぎる!と直感し、即「やります!」と言いました:sweat_smile:
初めての「語り」なので、考えすぎてもいいアイデアが出ない気がしたので、幼稚園の下の子を迎えに行く自転車を漕ぎながら言葉を練りました。
最初のバージョンはどこかラップを意識して、韻を踏む事を重視したのですが、アドバイスをいただき、ストーリーに寄り添ったものをなるべく「シンプル」に考えることに集中しました。
自分の地声を久しぶりにイヤホン越しに聴いて、「結構いいやん」と思っちゃいました:sweat_smile:
こんな私ですが、才能溢れる皆さんと作業出来てホントに幸せです。ステキな気づきをありがとうございます!

神谷ボコ(ストーリー)
以前からツイッターでフォローしていたCOKOさんが1ヶ月限定のサロンを開催する
と聞いて、絶対面白そう!と参加させていただきました。

ものすごいスピードで企画が進んで、追いつけずワタワタしていたら
「リレー形式でストーリーを書こう」と決まって、後半を担当することになりました。

すごくワクワクした一方で、別のかたが書いた前半のバトンを受けとって仕上げるのって、
ものすごく責任重大じゃないか……すごいメンバーたちだし、スピード感もすさまじいし。
そう思うとプレッシャーでした。ああどうしよう、と頭を抱えたくなりました。

でも、とろもちさんの書いてくださった前半ストーリーを読んだとき、
自分でも驚くくらいスッと物語の世界に入り込むことができました。

ケイタラの水と月と星の情景が鮮明に浮かんで、
それに僕・イリナ・サキ・アオイの4人のキャラにすごく親近感が湧いて。

とろもちさんが作品とキャラたちに込めた愛情が伝わってくるようで
「これはゼッタイ中途半端にはできないし、したくない」と思いました。

それで、ふだん小説を書くときはあまりプロットを練り込まないのですが、
今回はキャラみんなのいいところを活かしたかったし、ケイタラの美しい景色や
新しい出会いと別れを通じて「ポンコツ」の4人が変わっていく姿を書きたかったので、
執筆よりもプロット作りに時間をかけました。ぐーっと考えて、ふとあるときアイデアが浮かんで、無地の茶封筒に慌ててメモを書いたりして。笑

みなさんのスピード感を止めちゃいけないんだけども、
納得のいくものを作りたくて、ギリギリまで考えました。
こういうのは初めての創作体験で、すごく新鮮だったし、成長できたなと感じてます。

クリエーターとして高密度で今までにない経験ができるのはすごく嬉しいし、
これは多様な創作者が集まったクリギルならではの体験だと思います。

メンバーそれぞれが、自分の得意技を生かして、自分から貢献できるポジションを
見つけて手をあげていくスタイルなので熱量もすごい。それでいながら出入り自由の
オープンな雰囲気で、掲示板にがっつり入る日もあれば仕事のあいまにみんなの
やりとりを眺めてニヤニヤするだけのときもありました。

居心地と熱量が絶妙なバランスで共存できる場所だなと思います。
クリギルはぼくにとってのケイタラです!!(編集済)

TEAM三人水手石(ラップ)
どうもですー
週末バタバタで色々参加できずすみません

今回のヒラク制作談話

スケジュール的な都合もあり
ストーリーが上がる前にバースを作ってしまって
あまり設定を踏まえられなかったのを当人、悔しがっておりました
これは僕からもお詫びします
申し訳ありませんでした

内容に関してはトライバル、
開拓、オケのハードな感じ
その時たまたまリリースされたEMINEMで出来てるって言ってました

ストーリーを待たずに作ったので
おそらくメインに来るであろう
開拓の流れの中の
ハードな部分に偏らせて
後に続くバース2や歌に開拓の夢や希望などのポジティブな部分をパスする狙いがあったようです

僕個人としては
三人でレーベル作る事が決まって
ひらくんのやりたい事をどうやって
実現するか、
情報を集めてる段階で
ものは試しと参加してみましたが
みなさまの作品、熱量、技量、感性、知識、意識、など
色んなものを吸収できたかなと思っております

あと
実はゆーきさんのオケがあがって次の日には
バース出来ててアーティスト側からデータはもらってたんですよね
でも僕のミスで消失してしまい
なんだかんだ録り直したりなんだったりで
遅れてしまった事を謝っておきます
すみません、、、

まさか@ハンドオルゴール奏者/ポルカ支援者 求む!(カリンバアレンジ、演奏)
今回ハンドオルゴール・カリンバ奏者として参加させていただきました「まさか」です!
自分がどこかのサロンに入るなら、クリエイターの活動に特化したところがいいな、と思っていて、
COKOさんからサロンの話を聞いてから、絶対に参加しようと思っていました!

プロジェクトの内容を聞いて、コミュ障の私が共同制作なんて上手くいくのかしらん?
とかなり不安でしたw

でもテーマが「トライバル」!
ここで参加しなければ、何のために練習をしてきたのだ!
っていうか、ゆーきさんのオケがもう仕上がってるし!!
ひゃあ、カッコいい!!

という感じで、オケを聞いて、想像以上の格好良さにドキドキ
ハードな音にどうカリンバの音を入れようかワクワクしておりました。

ですが実は色々と↓の問題が発生していたんです。
・カリンバの音が小さい
・強く弾くと音が割れる
・音を一番大きく拾えるマイクがイヤホンマイクしかない!
などなど他にも書き出したらキリが無いほどでした。

でもまぁ、泣き言ばっかり言ってもしょうがない。
とにかくオケに合わせて、演奏しまくってみよう。
さっさとやらないと台風くるで!
後はゆーきさんがなんとかしてくれるさ!
と厚かましく録音開始!!

実際には
・スライドなどのテクニックを使って、複数の音を同時に奏でる
・高音をたくさん鳴らす
・演奏のパターンをとにかくたくさん収録する!
ということを意識して演奏しました。

少しはトライバル感を演出できたかしら?

最後になりましたが
このプロジェクトに参加できて、すごく楽しかった!
クリエイターズギルド最高!!

つばさ
COKOさんを始め、音楽制作された皆さんお疲れ様です。
ストーリーを作られた小説家のお二人、漫画制作、竹とんぼ制作など様々な分野のクリエイターが一つの作品を完成させるという胸熱なチームに参加させて頂いたこと、とても嬉しく思います。
なので余計に、10月が近づくにつれ職場環境が変わり、リアルの安定を優先した為なかなか反応出来ず申し訳なさがあること、個人的にそれが残念と言うか悔いはありますね…( ´'ω'` )精進…

ともあれクリギルでの作品、とてもワクワクしています……!
あとこの場をお借りして申し上げますが、ジャケ絵予定だったイラスト、明日の流れに乗じて公開しちゃおうかなって感じです:pray:
ちゃんと完成させるのが遅れちゃっててすみません…( ◜௰◝ )

matsu|The Replay(ラストのコーラス)
エンディング部分のコーラスで少しですが参加させていただきました。

今回「みんなで曲をつくる」ということで、メロディであれば作れるかなと思っていたのですが、
今まで「自分が歌う曲」の作曲しかしてきていなかったため、今まで「キー」というものを意識したことがありませんでした。

そのため、今回のように「キー」を決めてメロディを作る…という方法がわからないことに気付きました。
それよか、ボーカルなのに自分の「キー」を知らなかったです。(今回調べてはじめて知りました。)
今回、自分とは違う手法で曲ができあがる工程を詳細に見れて、
自分の知らないことをいっぱい知ることができ、非常に勉強になりました。

コーラス部分については、makiyaさんが作ったメロディを歌わせていただきました。
ぴぺさんのメインボーカルを聴きながら歌ってみたところ、地声よりファルセットの方が相性がよいように感じたため、
ファルセットで録音をしました。
あとは、タイミングがずれないよう、強弱の仕方をそろえるように意識して歌いました。

あとは、ゆーきさんが魔法をかけてくださったおかげで、なんとかなったと思います!笑

かいち(イラスト)
COKOさんはじめクリギルメンバーのみなさん本当にお疲れ様でした。「星の歌」公開一週間前までほとんどROM専だったボクをどうかお許しください。

みなさんの制作のスピード感には本当に圧倒されました。
オケができあがり、ストーリーができあがり

ボクは小説を漫画にするって役割で進んでいたんですが、ストーリーができあがったときに、

「え?この内容全部漫画に起こすの?おれひとりで?1ヶ月で?ムリムリムリムリ!」
ってなって完全に気持ちがふさがってしまいました。でも他のみなさんはものすごく熱狂的で、制作がものすごいスピードで進んでいく中、
その様子をボクは黙って見てるだけ。

それがなんだかもどかしくて、そして申し訳なくて。ボクひとりだけ取り残されたようなそんな感覚でした。

あるときサロン内を覗いたら、いつの間にかボクの役割がイラスト担当に変わってて
「あ、これならできる!」ってなって徐々にモチベーションが上がっていきました。

COKOさんのお気遣いだったんでしょう。本当に感謝です。
本来ならボクの方から一言入れるべきだったなと、いまでは反省しています。

「これ全部漫画化はムリっす」ってねw

●イラストに関して
ボクはふだん、主に白黒の漫画を描いているので、今回の挿絵のようなカラーの背景一枚絵はじつは描いたことがありませんでした。
でも今回、なんとしても「惑星ケイタラ」の雰囲気を描きたくて、多分白黒じゃ雰囲気伝わらないだろうなーと思って、

イラストの勉強から始めましたw
YouTubeで背景絵師さんの作業動画を見ながら、

「え?なにこれ。どうやって描いてんの?」

なんて思いながら、
見よう見まねでやってみて、なんとか仕上げました。
頭に思い描いた「惑星ケイタラ」とは程遠いクオリティになってしまいましたが、
(本当はもっと美しく描きたかった。)
時間もあまりなかったので、これがいまの実力だと受け入れてどんどん作画を進めていきました。

もともと小説を頭の中で漫画に起こしてはいたので、キャラクターはスッと描くことができたかと思います。
主人公の「僕」だけは、どうしても顔がイメージできませんでした。
なぜなら名前がないから。

多分この「僕」は、ロールプレイングゲームの主人公のように、読者自身が主人公に入り込めるようにあえて「僕」という名にしているのだろうと思い、それならばとあえて顔は描きませんでした。その方が読者が主人公に入り込めると思ったから。

「僕」は読者自身。
読んだ人が「僕」の体験を通して、少しでも自分に自信を持つことができたらいいなと思います。

●最後に
ボクも「惑星ケイタラ」に派遣された4人と同じポンコツです。自己否定感が強く、自分に自信を持てないタイプなので
イリナ、アオイ、サキ、そして僕の気持ちがよくわかります。
(公開一週間前までROM専だったし)

こんなボクも、このプロジェクトに参加させてもらって
素晴らしい才能ある方々と一緒にひとつの作品を作ることができました。
それは作中の彼らが〝侵略者〟を倒したときさながらの達成感。

「僕はポンコツじゃない。」
そんなふうに思えました。

みなさんとご一緒できたことを大変光栄に思います。
COKOさんはじめクリギルメンバーのみなさん本当に本当にありがとうございました。


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