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古本屋を作ろうと思ったきっかけ

スケジュール帳を開いてみると2020年6月27日に三重に足を運んだと書かれていて、自分が古本屋をやり始めようと思ったきっかけは全てこの日から始まったと思っている。

この日の目的地は三重県尾鷲市九鬼町にあるトンガ坂文庫。2018年に伊勢市で行われた伊勢河崎一箱古本市に出店した際にブースが隣同士になり、そこから仲良くさせてもらっている青波堂さんと一緒に行こうと予定を合わせていた。

朝から車を走らせ高速道路に乗り、降り立った場所は三重県紀北町に6月27日にオープンした「cafe and brocante 余白」。ショーケースにため息が出てしまいそうなほど美味しそうなフルーツタルトやケーキが並び、前に並ばれる方が選ぶごとにケーキが無くなっていく。(開店2時間くらいで全ての商品が売り切れてしまったようだった。)その中でバスクチーズケーキを購入し、お土産とした。お店をやっているとオープン日が重なり、買いに行くことが難しいかなと思ったりで。

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車に乗り込み、継ぎに向かった先は尾鷲市三木浦のマドロスで海を見ながらのランチ。時計の秒針が示す時間よりも海の波が刻む時間の方が心地よくて、ゆっくりしていたら九鬼町に到着するのが遅れてしまったことはここに記しておきたい。

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青波堂さんと時間を合わせて一緒に向かったトンガ坂文庫は、コロナ休業期間を利用して小さな改修が行われていた。ソファが置かれ、本棚も増えて、前に見たことがない本の数々。空間も蔵書も少しずつ手が加えて魅力が増していくトンガ坂文庫。本を読みたいというのもあるけれど、久しぶりに会う青波堂さんやトンガ坂文庫の本澤さんと話をするために、トンガ坂文庫のマスコットである猫のナイちゃんに会いに行ったと言っても過言ではない。ナイちゃんは人懐っこく、自由に人に甘えに行ったり寝たり。ホントにかわいい。(当日マダちゃんはお休み)

新しく置かれたソファに腰をおろし、青波堂さんと話を楽しむ。話の中で青波堂さんが語っていたことは「古民家を借りたい」という内容だった。

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その相談をしているのが「cafe and brocante 余白」の看板などをデザイン・製作されたnijiiroの稲葉さん。多気郡周辺で空き家バンクの活動もされていて、古物・古材などを扱う仕事を生業としているとはいえ、多彩な仕事をされる方だ。nijiiroさんが店舗として営業している古物と喫茶の店が週に1回のオープン日ということで、急遽高速道路に乗り青波堂さんとともにnijiiroに向かった。

青波堂さんが稲葉さんに新しい古民家がないか相談しているのを横で見たり聞いたりしていると、自分も場所がほしいなと漠然と思いはじめた。青波堂さんがこういう古民家を探していると話をすると、自分だったらこういう場所が・・・ここだけ直して住みたいと話をすると、自分だったらこういう感じに直したい・・・と。

そんな話が出るまでこれっぽっちも思っていなかったことが、友人との何気ない会話で自分の中に新しいパーツが組み立てられて歯車が動き出していく。

古本屋をやろうと思ったきっかけは、何でもない会話と妄想から始まった。


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