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台風

台風が来るらしい、と昨日彼から聞かされました。
うち、テレビないので知りませんでした。
昼間のうちに、区からLINEが来て、『台風への備え』みたいなのが書いてあったので、「台風来るのか〜」って思ってただけでした。
iPhoneのお天気ウィジェットも見てなかったし。

夏休み中に台風が来た記憶がないですね。
どうかな、忘れてるだけかもしれないけど。


小学校の何年生だったか、3年生かそのくらいかな、『台風20号』が来ました。
夜、関東に近づいたのか、すごい風で、おまけに停電しました。
卓袱台の真ん中に、大きな蝋燭を灯して、夜ご飯を食べました。
「クリスマスみたい!」と妹が言って、母に睨まれ無言の圧をかけられていました。
父は気象庁に勤めていて、役所に詰めていたので、母はひとりで家と子どもを守らなければならなくて、気が立っていたのかもしれません。

大人にとっては大変な事態なのかもしれなかったけど、私たち子どもは『いつもと違う夜』にワクワクでした。全然怖くなかった。
その後の記憶が飛んでいます。
真っ暗のなか、お風呂とか入ったのかな??

朝起きると、台風はもう過ぎ去っていて、普通に登校班の列に並んで学校へ行きました。
県道の信号機が、風の威力で90度曲がっていて、それにはほんとうに驚きました。
あんな硬そうなものが、曲がっちゃうなんて。

こんなことを思い出せるのは、その日、『台風20号』という作文を書かされたからです。


今日の台風は何号なんだろう。
たぶん検索すれば出てくるんだろうけど、あんまり興味なくて。

この世の中には、『決まっている雨』っていうのがあります。
降る時は降るんです。
で、止むべきときに止みます。


私は河辺の街で育ったので、雨後の水の怖さはよく知っています。
その土地に降った雨自体で河は増水しますが、その1日、2日後、上流で降った大量の水がやってくるのです。
水は茶色く濁り、流木なども混ざりこんでいます。河川敷いっぱいに水が溢れそうになります。
でも、河向こうのある一角が、決壊を防ぐ場所として用意されていました。
そこは普段畑として利用されていて、でも、もしも河が氾濫して決壊しそうになったら、そこを切って、水をそっちに流して、街を守ることになっていたのです。
「もしものときは、そうなるからね」と自治体と約束をして安く土地をもらって畑にしているという話でした。

でも、河は一度も切れたことはありません。

広い広い河川敷のこっち側から向こう側まで、たっぷりと溢れんばかりの大きな流れを見ながら、「アマゾン川って、きっともっと広いんだよな」なんて考えていました。


雨は降っているけど、静かですね。風もそんなに吹いていない。

窓を開けたら、涼しい風が入ってきました。
さすがに今日は暑くない。薄暗い空。


先刻も書きましたが、これは決まっている雨です。
災害になることもあるけど、地震とかもね、起こるべくして起こっている現象だったりします。
(地震起こそうとしているひとたちね、いることはいるんだけど、書かないでおきます)

普通にね、災害と呼ばれるものにも、意味があるんです。地域、国レベルで、我々がどう生きるのか、どう向き合うか、試されている部分もあります。

それでね、ひとつ、注意していただきたいんだけど、怖がってると、来ます。恐れていると、来ます。
情報がどこかから入ってくるから、そこに意識が向いてしまいがちだけど、流した方が良いです。
備えておくことはしてもいいけど、できたら、意識に刷り込まない方が良い。

地震とかの災害に限らずね、胸に抱いていること、考えていること、意識していることって、現実化するので。

昼、彼から電話がありました。
「これからひどくなるみたいだから、お家に居なね」
ありがとう、彼。優しい優しい彼。

みなさんも、ご無理なさらず、お家でお過ごしくださいね。

うちの方は今、静かな静かな夜です。
先程、区からLINEが来て、警報から注意報に変わりました。
注意報ほど雨も風もない夜になっています。


読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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