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眠りにつく前のひととき

 以前どこかで書いたかもしれないけれど、最近ポッドキャストをよく聴くようになった。

 教養やコメディーまでいろいろあるんだけど、夜寝る前に、少し早めに布団に入ることができた時なんかには、エッセイのポッドキャストを聴いたりするようになった。

 文筆家の方たちが書いたエッセイを、朗読してくれるものなのだ。ひとつひとつのエッセイは、時間にしても10分足らずなどで、眠る前にちょうどいいのだ。

 内容も、なんだか気持ちがほっこりするような、ふんわりするような、そんな物が多くて、聴いているうちに心が穏やかになってくるような。


 読み手の人の声やリズムも大切なのかもしれないな。


 枕元にスマホを置いて、暗闇の中で優しいエッセイに耳を傾けながら目を閉じる。そのまま眠ってしまいそうになる。実際、いいのか悪いのかわからないけれど、途中で意識がどこかへ飛んでいってしまって、気が付けば内容がまるで入ってきていない、とことも、ままあるんだけど。


 優しい声で、ゆっくりと朗読してくれるので、書き手の人の想いや、その人が持っている空気感のようなものが、じわじわと伝わってくる気がする。

 あわただしい毎日とは違う、どこか別の次元に入り込んだような、そんな気分になるのだろうか。


 仕事で帰りが遅くなり、寝る前にゆっくり聴いている暇もない! そんな夜も少なくない。ストレスもたまる。
 そんな毎日だからこそ、時には時間の流れを止めて、穏やかな時間に身をゆだねることに、喜びを感じられるのかもしれない。波だった水面が、時間をかけて穏やかになり、おさまっていくかのような。


 朗読を聴くという眠る前の、ひととき。思いのほか大切な時間になっているのかもしれない。




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