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「詩」東京

空っぽのプラットホームで
自動機械は塩水を放出し続ける
だから私は海へ行ける
人々は皆 栄光を捨てて
凡庸と欲望を糧に生きるから
海底に捨てられた幾つもの
トロフィーが私の行き先を教えてくれる
そして私は紫色の鳥居を潜る
血が止まらない事は怖いのに
呼吸が出来ないことにはすっかり慣れている
訳もなく私が微笑む
と地下鉄がやって来る
私の血の香りだけが漂う車内で
私はまた
深呼吸の練習を始める

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