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「詩」神話の灯る夜

 夜空に 浮かぶ月は
 深海に咲く 花を照らし
 寝息を立てる 砂浜は
 静謐な夜を 紡ぎだす
  
 今夜は 風が優しいと
 灯台守は 窓を開ける
 母に抱かれる 子のように
 船はさざ波に 揺られている
 
 窓辺に置かれた 詩集から
 星の光に 招かれて
 言葉たちが 飛翔していく
 神話が灯る 夜空が生まれる
 
 灯台守は 空を見つめる
 新たな言葉を 心に留める
 船の汽笛が 風になびき
 窓辺の詩集が 閉じられていく
             

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