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「詩」滅びと再生

民は今 滅びようとしている
生き残るため 無垢な童を天界に上げる

天界に着いた 民たちは
天に住む者たちを 次々と地に落とす

無垢な童は即位し 天神になる
地上に残された 民は全て滅びる

天界の民は 再び地を求める
真実を記述する者 すなわち詩人を地に下す

詩人はマントに身を包む シャッター音が鳴る
灰色の幽霊が 詩人の前に現れ消える

地上の民の 幽霊たちは欲す
天界の生活を 垣間見ることを

詩人は謡う “民滅びても霊魂滅ばず
やがて霊魂はまた 民へと変ずる“と

詩人は真っ逆さまに 落ちていく
禊に適した 清らかな川の中へと

“霊魂の行方は二つに一つ 再び肉体を纏う者
 霊魂のまま 天界の写真を眺め続ける者“

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