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「詩」小詩集~清里高原の夏~

※かなり前に清里高原に行き、
 その時書いたものを修正して出来た詩集です。
 


「清里聖アンデレ教会」

森の中にひっそりと佇み
外見からは教会に見えない
素朴な建物には
ポール・ラッシュの精神が滲みでている

扉を開ければそこには 厳粛で親しみ深い
畳敷きの礼拝堂
目を閉じたその時 私は安らぎの中にいる




「メリーゴーランドカフェ」

沈みゆく夕陽の中に
点滅するオレンジ色の光

回転木馬の音色に合わせ
絵描きは器用に楽器を鳴らす

通り抜ける涼しい風
夏の終わりの恍惚の中で

珈琲の香りと共に
人々が夜へ解かれていく



「牧場公園」

清里で一番広い空に抱かれながら
山羊や羊たちと触れ合う

清涼な空気
賑やかな動物たちの鳴き声

優しい農夫が刻む時間の中で
深呼吸出来ることの幸せ




「バックシュトゥーベ」

八ヶ岳倶楽部の脇にある
緑に囲まれたイタリアンレストラン

薪ストーブの置かれた店内は
まるでイタリアの田舎町の食堂

石窯で焼かれたピッツア
シチリア産の赤いオレンジジュース

天使に出逢える
美味しいひと時




「吐龍の滝」

車道を外れ森の小道を歩く
まるで新緑の頃のような
柔らかな木漏れ日に包まれる

少しずつ水の音が近づいてくる
木陰から見る陽を浴びた滝は
明瞭にしぶき そして流れていく

帰る場所を 失くしたかのように
人々は皆 光の滝を見つめている


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