![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61596948/rectangle_large_type_2_09900e956d3e871c3cd40f2824f8837f.jpeg?width=800)
Photo by
lisa500ml
「詩」それぞれの海へ
渋谷のスクランブル交差点の人達が
鈴虫の羽音の中へと消えていく
僕は誰もいない渋谷駅のホームから
品川方面の山手線に乗り込む
浮輪やビーチボールを持った人たちが
車内で抑揚のない笑みを浮かべている
列車は名前のない駅に着く
どこからか潮の香りがする
もう夏は終わっているのに
人々は皆 それぞれの海へ帰っていく
僕も帰っていける気がする
僕が生まれた街へ
僕が生まれる事の出来なかった場所へ
しかし扉は閉まり 列車は恵比寿へ向かう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?