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投稿した詩をまとめました。
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#海

「詩」私だけの海

地下に海を作る 誰もいない 誰も来ない 静謐な 波の音だけ 響く場所 意味もなく パラソルを…

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「詩」砂浜の幽霊

夜空には満月が浮かび 砂浜は淡いブルーに染まっている 体操座りをした幽霊がポツンと 砂浜か…

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「詩」海の中の小さな駅 ~終章~

海の中の小さな駅の プラットホームに 真っ白な蒸気が立ち 一人の男が現れる かつて 駅長だっ…

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「詩」海の中の小さな駅 ~第三章~

伸びきった プラットホームを 再び歩き 駅長は車両基地に着く あの日と同じように 汽車はない …

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「詩」海の中の小さな駅 ~第二章~

どこかで響く リュートの音に誘われて 三日月は海に降り 小舟になる 駅長は小舟に乗り 重い夢…

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「詩」海の中の小さな駅 ~第一章~

いつも通り 穏やかな海に 夕日はゆっくりと 沈んでいく 夜空に増えていく 星たちの光が やが…

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「詩」海の中の小さな駅 ~序章~

海の中には 小さな駅がある 駅の宿舎には 一人の駅長が住んでいる 干潮時にも 線路は沈んでいるため 駅長はまだ 汽車を見たことがない ある夜 空と海は反転する 小さな駅は 小さな星になる 月の囁きに 耳を澄ませながら 駅長は真っ暗な 海を見上げる 一筋の線を描くように 灯台の光が 海を通り抜けていく 次の朝 駅長が目を覚ますと 海はいつもの海に戻っている プラットホームの先端で 駅長が空を眺めると どこかで群青色の 汽笛が鳴り響く ※続く

「詩」海辺の町へ

湿気の漂う駅で 列車は幾つか車両を切り捨て 海辺の小さな町へと 単線の線路を走り出す 方角…

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「詩」霧の港

白いドレスを着た 女が踊る霧の砂浜 揺れる長い髪の後方には 古びた港 停泊中の 大型客船がさ…

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「詩」海原

もう息の 絶えた人が 海原に咲く 花を摘んでいる 彼に記憶はないのに 花の香りに 満たされ…

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「詩」風景画

シラサギが飛び降りる 悠然と朝を待つ 大海の中へ 無常の風景は確かに この目の中で 生きて…

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「詩」砂浜

あのとき僕は 君の心の中にいた 誰もいない 雨の降る砂浜 パラソルの下 波の音だけがした 君…

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