雨降りは、頭をリセットしましょ
梅雨に入り、ジトジトベタベタ。
洗濯物もなかなか乾かず、我が家の除湿機はフル稼働。
たまにヨシヨシしたくなるほど、彼はお腹に水をたっぷり溜めながら、よく頑張ってくれている。
ピカッっと晴れた日は、
「せっかくの天気なんだし、洗濯機をもう一回まわすか!」
「庭の草とりも、できそうだな!」
「キッチンまわりや風呂を磨いてみようかな!」
と、ついつい「なんか、やらなきゃ!」と思ってしまう、私の面倒な性分。
でも雨降りは、それをキッパリとあきらめられる。
「まぁ、いいか。」だ。
娘を施設へ連れ出すことも、あまりに雨がひどい時は、スッパリあきらめて、サボる。
「もう、いいじゃないの、雨なんだし」と。
家事をやらない、どこへも行かない、と決めれば、ムクムクと楽しいことをやりたくなる。
平日の午後は、娘のために、ほぼ何らかの訪問のサービスに来ていただくので、午前中が遊ぶチャンス。
最低限の家事をさっさと済ませて、リビングのローテーブルの上をすっきり片付ける。
娘のベッドの横にテーブルを移動。
長方形の大きなテーブルの上に、絵手紙や筆文字の道具を並べて、手元が明るくなるように電気スタンドを点ける。
集中したい時は、正座スタイルが私にはいい。
次に、熱い珈琲を入れて、テーブルの左奥に置く。私がこぼさない距離に。
部屋に広がる珈琲の香りが、さらに私をリラックスさせる。
娘が退屈しないよう、小さな音で音楽も流しながら。
自己流の絵手紙歴は、2年と3ヶ月。
筆文字は、習い始めてもうすぐ2年。
エッセイ歴よりも長い、私の趣味たちだ。
お天気の日でも、いつだって、家にいて手軽にできる趣味。でも、お日様を感じると気が散って、なんとなく集中できないので、やっぱり外部からシャットアウトされたような雨降りは、いい。
では、私の趣味を紹介させていただきます。
絵手紙
絵手紙は、まず、墨で絵の輪郭を描く。
硯は息子の小学生時代のものを使っている。
墨汁を硯に入れ、小筆をスタンバイ。
撮り溜めたスマホの写真から描きたいものを選ぶ。じっくり見ながら、ハガキにどうおさめるのか、構図を考える。
私は、実物を見ながら描かない派だ。
それが決まれば、黒い下敷きの上にハガキサイズの画仙紙を置き、気持ちを集中させる。
小筆の上の方を軽くつまむように持って、筆を墨汁に半分くらい沈める。
いざ、真っ白のハガキへ。
少し強弱をつけながら、頼もしかったり、頼りなかったりする線で、ゆっくり絵を描いていく。
それがおもしろい。
次に、顔彩という日本画用の絵の具で、色を入れる。
梅皿という、陶器のかわいらしいパレットが、私のテンションをあげてくれる。
絵筆に水を少し含ませ、絵の具をチョンチョンと筆にとり、梅皿で色を確かめてから、輪郭だけの絵に色をつけていく。
顔彩は色が深くて趣がある。例えば、緑だけでも、数種類の色がある。
さまざまな色を使って塗るのだが、重なる色、滲む色で新しい色が出来上がる。
その偶然が大好きだ。
絵が出来上がれば、最後は小筆で余白に好きな言葉を書き加える。
その言葉を考えながら、私は半紙に字の練習をする。
少し笑える言葉を入れたがる私。
いろんな言葉を書いてみて、これだと納得したら画仙紙に挑む。
下手くそも「あじ」だけど、そうは言ってもなぁと思う。未だに筆文字の効果は全くないのだが、読みやすい字ならばよいらしい。
最後に落款印を押す。
これは、息子が消しゴムで作ってくれた「消しゴム印」を使っている。私の名前のいちばん最初の「ひらがな」の文字を、彼はカッターナイフで彫ってくれた。
完成作品が気に入ったら、冷蔵庫の扉の、私の作品展に加える。
これは、先日描いた絵手紙。
昨年、庭で自生した「みょうが」だ。
私はあまりみょうがが好きではないが、夫が大好物なので、彼が食べてくれて助かっている。
みょうがは、少し薬味に使うとアクセントになり、美味しく思える日もある。
形がかわいくて好きだ。
みょうがよりも、字が、ぶさいくだ。
ごめんなさい、カエルが苦手な方は見ないでください。
かえる、私も苦手です。
かえるの写真は、息子からLINEで送られてきた。「かわいいから、描けば」って。
送るなら、花にしてほしい。
せめて、かわいい生き物がいい。
でも息子がそう言うので、目をつぶる気持ちで描いてみた。
やっぱり、かわいくない。
かわいくなんて、描けない。
ぶさいく、とか、かわいくない、とか。
マイナスな言葉を羅列。
案外、私は疲れているのかもしれないぞ。
筆文字
筆文字は、筆ペンをつかうので、色とりどりのペンをテーブルにドバッと出す。
習字用の下敷きを敷き、筆文字教室の先生からいただいたお手本を見ながら、コピー用紙で練習。
いけそうなら、ハガキやA4サイズの用紙に清書をしていく。
真っ白な紙に筆を入れるときの、凛とした緊張感が好きだ。
落款印は、赤の筆ペンを使い自分で左下に書く。
「いい感じ」と思えれば、冷蔵庫に貼る。
こちらは、筆文字。
一部ですが、こんな感じです。
めっちゃ楽しい。
この「書く、描く」時間は、無になれる。
私の頭は、リセットされたようにすっきりする。
雨なら、なおさら全集中です。
何かと忙しい毎日ですが、少しの隙間時間でも、無になれる時間が持てれば、頭もスッキリとリセットできて、また新しいやる気が生まれる気がします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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