〓2019年7月26日に報道される意味〓
ひょっとしたら日本における今世紀最大の住宅開発とも言えるHARUMI Flag。開発そのものの面白さもさることながら、ビジネスの観点での販売手法、周辺を取り巻く環境など、非常に興味深いものがあり想像が働いてしまいます。
『HARUMI Flagにおける、増益の半額を都に還元で合意』
このような報道が本日されました。
平たく言えば
『ディベロッパーは儲けすぎだから儲けた分の半分は東京都へ返してください。』
そういうことです。
この報道自体は「そりゃそーだろ」というところですが、「今日オープンになった」ということに非常に大きな意味があると考えます。
なぜいまなのか?
なぜならば、本日2019年7月26日は
『HARUMI Flag 第1期申し込み初日』
であるからです。
まさに今、メデイアでガンガン情報が溢れている通り、2020東京五輪開催1年前、世間は東京五輪に注目しておりその選手村を改修したHARUMI Flagの報道も多く、自力でのプロモーション以外の露出によって、消費者のHARUMI Flagに対するノイズは相当上がっているはずです。
そこに第1期の申し込み開始日を設定してこの報道です。
報道の通り合意ということであれば、話は早くからまとまっていたのではないでしょうか。
ディベロッパーとしては第1期の販売成績に大きな影響を及ぼすであろうこの情報は、可能な限り時期を遅らせてオープンにしたかったでのしょう。タワー棟も含め約6000戸のマンションを4年越しで捌く上で、第1期即日完売は「当たり前」でなければなりません。
しかし、早期にイメージ低下要因となる情報の報道が出ることによる「当たり前」が達成できなくなってしまう、ディベロッパーから都への働きかけで「なんとか第1期に影響がでないスケジュールで公開を!」との折衷案が今日だったのではないか?そう想像してしまいます。
HARUMI Flagの経緯
もう一度、晴海五丁目再開発計画 通称HARUMI Flagの経緯を振り返ります。
11社の事業者(ディベロッパー)が開発に名を連ね、選手村として活用した後、分譲および賃貸集合住宅として活用されることが発表されました。
この間にディベロッパー連合は、東京都より周辺相場の1/10の価格で土地を入手していることが発覚します。
この情報にて一部のアンテナの高い市民は「駅からも遠い、土地も安いので低価格で販売されるに違いない」と想像し始めたわけです。
そして、開発計画が発表されたのが2018年11月、正式名称が『HARUMI Flag』とされ、プロモーションが開始されました。同時期ほどに選手村から集合住宅への改修費約400億円を東京都が負担すると報道され、低価格での供給は間違いないと多くの人考えました。
そして計画発表から半年後、ようやくモデルルームと価格がオープンとなり『低価格で東京に住める!』と思っていた市民はまんまと裏切られたわけです。
しかし、ここまでの経緯を把握していれば思うわけです。
『ディベロッパーは儲けすぎだろ!』
とは言っても周辺相場よりは安いわけで、値付けはディベロッパー次第、文句を言ったところでどうにもなりません。せいぜい自分の身の丈にあった部屋の夢を見るくらいです。
そして、デビューから約10ヶ月後、東京五輪開催から一年前、国民のノイズが高まった時に第1期 600戸が売り出されます。
今後どうなる?
ここからは私の想像です。
ディベロッパーは第1期600戸は楽勝で即日完売と想定していたはずです。
今回売り出される街区は野村不動産の『Sea Village』と三井不動産の『Park Village』の一部。
第1期600戸を即日完売させ、五輪開催一年前の波に加え即日完売の札を下げたマンションの第2期のプロモーションがスタートします。
そこでデビューするのが、個々の部屋が小さく価格が抑えられている三菱地所の『Sun Village』です。
ここまで第一期の勢いの惰性で売り抜けると踏んでいたはずです。
また、ここまで定価で売れていれば利益は十分に得られてウハウハだったはず。あとは五輪次第、世間の五輪の評価が高ければ五輪後にまた起爆し順調に売れ、評価が得られずともダラダラ売って2019年の利益だけで開発は成功です。
しかし、分譲準備中に横槍が入るわけです。
よりにもよって東京都から。
たしかに文春報道などで槍玉に上がっておりました。
明らかに相場観を無視した価格でのやり取りです、癒着の疑惑も多いにあったことでしょう。
消費者としては利益率から考えて「価格を落として欲しいなぁ」なんて考えておりましたが、現実的には関係を正すため適正価格にて土地代をディベロッパーから頂戴して、しゃんしゃんで販売が進むだろうと思っておりました。まさか増益の半値没収とは、、、、
ディベロッパーとしては痛手でしょう。
さて、この報道から予測される今後の動きです。
第1期の売れ行きで第2期の価格設定をするつもりだったようですがどうでしょうか?
2パターン予想されます。
1. 東京都への支払額を圧縮するため価格を下げる。
2. 当初の半額しか利益が見込めないため値上げする。
第2期は当初より強気の値付けをするようでしたが、さらに高くなりそうな気がします。
現状をご紹介しますと、一番人気はの最安値C棟(坪単価250万前後)まだ確定ではありませんが、人気の部屋では30倍ほどの倍率がつきそうです。
HARUMI Flagのリーダーディベロッパーは三井です。
三井は「パークホームズ」などのブランドでマンションを分譲しておりますが、同じく参画している三菱も「パークハウス」で「パーク」と名のつくブランドを扱っております。
しかし、パークビレッジ(Park Village)は三井が販売し、三菱地所はサンビレッジ(Sun Village)です。細かいかも知れませんが、ネーミング一つでもディベロッパーのちから関係を想像してしまいます。
さらにHARUMI Flagの最も単価の高いマンションはレインボーブリッジビューが楽しめる「Park Village」のA棟です。結果的にHARUMI Flagは三井の開発なわけです。
本日の申し込み初日では事前審査を受けてない、日本語以外の言語を話される方々が多く来場しているとのこと。
つまりキャッシュでお買い上げされるわけですね。
抽選は8/5
今後の動向に注目です。
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