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カフェのビジネスモデルを"4つ"に分類してみると、基本戦略が見えてくる。

ビジネスモデルとは『収益化の仕組み』のことを言います。一方でマーケティングは、『その収益化の仕組みを作るための一連の活動全般』を指すと考えます。マーケティングの解釈はいろいろありますが、だいたいこんな感じです。

カフェを開業する上では『マーケティングによる戦略と戦術をもとに、収益化のためのビジネスモデルを構築していくこと』が事業継続のカギとなります。

実は、カフェのビジネスモデルは、成功事例を大きく分けると4つのパターンに分類できます。自身が提供できる価値や開業したい理想像をこのビジネスモデルに当てはめていけば、目指すべき方向性と全体像の”基本的な形”が見えてきます。

今回の記事では、将来カフェを開業したい人向けのもので、カフェ事業におけるビジネスモデルの王道4パターンの概要を解説します。どういう方向でカフェを作っていくか、参考になれば嬉しいです。


各ビジネスモデルの詳細については、別の記事で解説していきますね。今回は大枠をつかんでください。

カフェビジネスモデルの4パターン

カフェのビジネスモデルは、大きく分けると以下の4つのパターンに分類されます。

① ファッド型
② 物販型
③ セミナー・イベント型
④ 回転率追求型

順番に、解説していきます。


① ファッド型ビジネスモデル

”ファッド”とは、マーケティング用語のひとつで『消費者の熱狂やブランド人気などに突き動かされ、一時的に異常なほど売れる』ことを言います。かなり短いスパンでのブームや流行のこと。この"ファッドを見極めながらカフェ事業を起こすモデル"がファッド型ビジネスモデルです。


最近で言えば”タピオカミルクティ”なんてそうです。

このファッドを扱いながらカフェを運営する勝ち筋は、『流行をいち早く嗅ぎつけて、潤沢な資本をもとにベストタイミングで出店し、利益を回収したら事業を売却または撤退する』方法です。

流行りモノを提供するため、一時的にはオイシイ思いもできるかもしれません。ですが、事業の継続性は低いと言えます。また、開業する前から、撤退を計画に組み込むのがベターです。なぜなら、流行は廃れるからです。

ただし、地方の場合は都心でやるよりも勝率は高そうです。

地方では、都心の流行が1~2年遅れて入ってきます。つまり、都心で流行ったものを見極めて、精査し、上手くいってる方法を模倣すればいいのです。いわゆる『タイムマシン経営』と良く似た手法をとります。

いずれにせよ、流行を事前につかむ嗅覚と踏ん切りの良さが重要となります。潤沢な資本も鍵となるため、参入障壁は高めです。

でも、一発当たればデカいですよね。


② 物販型ビジネスモデル

物販とは、その名の通り『物を販売する』事です。

『カフェなんだけどプリンがめっちゃ人気あって、週末はお土産プリンの行列ができる』とか『実はECショップで焼き菓子とコーヒー豆のセットがバカ売れしてる』とかが良い例です。

カフェとしての店内飲食と物販を組み合わせるタイプが”物販型ビジネスモデル”です。

コロナ禍の影響もあって、最近ではECサイトを有効活用する店舗が多く見られます。楽天やCreemaをはじめとする大手ECや、BASE等で自社ECを運営するお店もありますね。

店内飲食と物販を組み合わせる場合、特に重要なポイントは
① 店内飲食から物販への動線
② 購入から消費までのストーリー設計

です。

他にも、『物販商品に”幅”と”深さ”を持たせる商品設計』とか『店舗としてのブランドと整合性を取る』とか、やっぱり『販売促進』とかいろいろありますが、特に上記の①と②は本当に重要です。

ECサイトを活用する場合は、お客様との追加のコミュニケーションツールとして扱うのがおすすめです。

ECサイト単体でバシバシ成長させたい場合は、 ある程度の資金を確保してYouTubeとかインスタに課金して広告飛ばした方がよっぽど効率的です。ブログ書いてSEO対策して、動画作ってそこにECサイトのURL貼るのもひとつの手ですが、非常に効率悪いです。特にブログやYouTubeはよっぽど頑張らないと日の目を見ません(経験者談)。コスパ悪い。

ECサイトの活用は、店舗に来れないお客様とのもう一つのコミュニケーションツールとして活用していくのが、個人的にはおすすめ

コロナ禍では、実店舗よりもECサイトに振りたい気持ちが出てきますが、やっぱりリアルの求心力に勝るものはありません。ECサイトでお客さんが付いても、結構簡単に離れちゃいます。

カフェと物販のビジネスモデルについては、今後、別記事でも詳しく解説していきますね。

③ セミナー・イベント型ビジネスモデル

例えば、コーヒーショップであれば『コーヒーの淹れ方教室』とか、『ライブ会場を併設している』とか。『アートの個展をやってるカフェ』などなど。カフェとしての飲食をやりながら、セミナーやイベントの企画運営を行うパターンが”セミナー・イベント型ビジネスモデル”です。

このモデルの場合、『コーヒーの淹れ方教室のように自分が主催するパターン』と『個展の開催のように誘致するパターン』の2通りあります。

おすすめは前者

自身で『ヴィーガンスイーツの作り方セミナー』とか『コーヒー教室』とかやった方が、短時間で高単価を出せるからです。それに、濃いコミュニケーションも取れるので、お客さんも定着しやすく、ファンの獲得にも繋がります。

また、競技会の優勝経験や多店舗経営の実績などをもとに、コンサル事業まで発展させているケースもあります。

知識やノウハウを売るので、基本的には仕入ゼロ。ハマれば結構おいしい。


アートの個展とか、他者を誘致する場合は、新しい顧客層を取り入れたい場合に活用するのがおすすめ。

ただし、自分のお店と親和性が高くないとダメです。お互いのイメージを崩すような組み合わせはNGです。


いずれにしても、コンテンツを生み出す企画運営がカギとなります。


④ 回転率追求型ビジネスモデル

ほとんどの飲食店はこのパターンに当てはまるかと思います。

店舗を構えて、店内飲食メインで食事・軽食・ドリンクを提供するモデルです。

一日のうちにいかにお客さんを回すか。ここに苦心する人は多く、お客さんが定着するまで地道に耐え忍んで、数年後に実を結ぶ場合が多いです。


特に、カフェと言うくくりで考えた時、結構難しい選択になります。例えば、パンケーキの場合。

パンケーキを中心とした商品展開でカフェを運営した場合、単純に考えてピークタイムは10時台と14時台あたり。午前と午後の2回くらい。パンケーキは食事にはなりません。

コーヒーを中心としたカフェもそう。食事があれば、昼と夕食も含めて最大4回のピーク。モーニングとか夜カフェでもう一つ山を作れるかも。

食事を持たないカフェは、回転率を上げるのも結構厳しい。

これをクリアするために昼食や夕食の提供を始めると、『あれ、私って何をしたくてカフェ始めたんだっけ?』とか『ここってコーヒー屋さんじゃなかったの?』とか、アイデンティティの崩壊が始まります。

さらには、すでに食事メインでやってる店舗と競合するパターンを避ける必要もあり、どういったポジションで攻めるか難しい選択が待ってます。


この逆もしかりで、地産地消のこだわりランチを出すカフェや本格スパイスカレーを楽しめるカフェの場合、食事以外の時間ってなかなか埋まりません。

ランチ終わってディナータイムまで暇なカフェも結構あります。


そもそも、なぜ回転率が上がらないかと言えば、
① 立地の問題:集客の難しい場所で開業した
② 商品設計の問題:食事またはアイドリングタイムを埋める商品がない
③ 認知度の問題:知られてなくてピークタイムが狭い

と、大きく分けて3つ。

この問題を解決するためには『マーケティング思考』がめちゃくちゃ役立ちます。

マーケティングは『何を目的に、誰に対して、どんな価値を、どうやって提供し』、『どのようなコミュニケーションを通して、顧客との関係性を構築するか』を戦略と戦術のもとで考えていきます。

ここら辺が事前に決まっていれば、事業の方向性が決まっているため、立地も商品設計も認知度のためのアプローチも、方法論が逆算で見えてきます。


この回転率を追求する一般的な飲食店のビジネスモデルに対しては、マーケティングの考え方を取り入れることがとっても大切。

ここについても、後日詳しく解説していきます。

まとめ

今回の記事では、カフェ事業での王道ビジネスモデルを4つ紹介しました。

結局のところ、この4つのパターンを上手く組み合わせてカフェをやっていることが多く、あとはどこに自分の資源を投入していくか、労力をかけるか、です。

上の方では、結構もっともらしいことを平たーく話してますが、実際はすごい深い内容です。

時間かけて、詳しいところを書いていくので、次回もよろしくお願いいたします。

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